ひさびさの二子山
2011年5月21日 晴れ 2名
投稿日 2011年05月22日
20年前ごろ、通うように登った二子山
二子山は群馬県と埼玉県の県境にあるが、正確にはそのほとんどと山頂は埼玉県側にある。
Y氏とふたりで、久しぶりに登ってきた。
ルートは、民宿「登人」の上の道路わきに駐車して、股峠、西岳直登ルート、西岳山頂、魚尾峠、
高圧鉄塔の左回りルート。
二子山 左 西岳 右 東岳 その間の鞍部は股峠
二子山は全体が石灰岩で構成されている。直登ルートは、ほぼ垂直のルートだが、石灰岩特有の、ホールド、スタンスが豊富な岩壁で山慣れた人なら難なく登れる。
何年か前にこのルートにクサリがかけられたようだが、不評をかい撤去されたようだ。
今は固定金具だけが残置されていおり、痛々しい。
余計なことをやってくれたものだが、私は数回このルートを登っているが、クサリがかけられていたことは知らなかった。
現地に行くとこの軽い岩登りのルートを上級者コースとして登山コースに含めているが、一般的な上級者コースと同一視すると、えらいことになりそうだ。
直登ルートにて
経験が無い人にとって垂直に近いこのルートでは、その高度感と、心もとない足場から次第に足が震えてくる。腕力もある程度必要になるし、自分でルートを見極めて最後まで登りきる度量が必要になる。このルートの下降はやめたほうがよい。岩は雨による侵食で刃物のように鋭い。ルートのスタンスは変色しており、鋭さは幾分とれているので、それを探しながら登るが、ルートを逸れないように要注意だ。昔よりも登りやすかった感があるが、ひょっとしたらクサリをかけるに当たってルートが変わったのかも知れない。(昔は自由に登っていたということか?) 私の短い足ではちょっとアクロバチックになる箇所があったのだが....
岩稜にて 下を見下ろす
山稜は低潅木と岩がミックスした岩稜で、上下を繰り返しながら徐々に高度を下げて、最後のクサリ場を下りると岩壁の基部に降り立つ。ここからローソク岩方面や魚尾峠経由の下山路を選べる。
山稜から見下ろすと坂本の集落は昔通りだが、叶山のほうから新しい林道が不気味に忍び寄っている。
削られた叶山
叶山は、白く平に削られて痛々しいが、まだまだ石灰岩の大きな土台が残っている。
この山から地下のベルトコンベアが秩父市にあるセメント工場まで、延々23Kmも延びていて、石灰岩を運んでいる。おかげで石灰岩満載のトラックが行き来することは無い。
心配なのは二子山が餌食となって姿を消すことだが、味気ないビルの材料にならないように願うのみだ。
お隣の山 両神山
山腹や山裾は自然林と杉の植林帯とのミックスになっている。この季節、自然林はみずみずしい緑で覆われ、やさししく波打っている。今回行ってみると西岳直下の植林帯が広範囲に伐採され明るくなり、下山ルートから、二子山の姿がまる見えとなった。
以前は高圧鉄塔や道路まで降りないと見えなかったのだが、とても眺めがよくなった。伐採の跡にはすでに植林が行われているが、ここ数十年はよい眺めが拝めるだろう。(石灰鉱山にならなければ)
両神山と新緑
下山途中に夫婦や若者のパーティー、20名位のツアーに出合ったが、逆の右回りルートをとる人も多いようだ。私の感覚では左回りルートのほうが面白いように思うが、右回りルートだと、西岳山頂が右寄りにあるため、山頂を目指して徐々に登って行ける面白さはある。ただし、右回りの場合、最初のクサリ場が関門となる。腕力の弱い女性は引き返すことになる。股峠からの下山も少し急なので要注意だ。
しかし、二子山はよい山だ。山というよりも岩塔だが、目の前の大きな両神山にも負けない存在感がある。この自然の造型が人間の勝手な都合で壊されることがないように願いたいものだ。
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参考文献:「群馬の山歩き130選」上毛新聞社
(熊五郎)
コメント(2)
- お久しぶりです。無残に削られた石灰岩の頂きが傷ましいですね。垂直の岩肌を昇るのはスリルがありそうですね。私は教師になりたての頃遠足で鹿沼の小さな岩山に上り、みんなで大騒ぎしたことを思い出しました。50年も前の話です。 2011/5/22(日) 午後 6:44
- agewisdomさん、お久しぶりです。久しぶりに山に登ってきました。
鹿沼には確かに「岩山」という名前の山がありますね。ここも岩塔のようで、興味をそそります。教えていただきありがとうございます。(熊五郎) 2011/5/22(日) 午後 8:05