谷川岳 東黒沢、ウツボキ沢遡行
2009年9月7-8日 2名
投稿日 2009年09月09日
沢登りは初めてという若者を連れて、谷川岳の東黒沢とウツボキ沢を遡行してきました。
1日目 快晴
2日目 午前中は晴れ 午後から曇り
白毛門登山口 -> 東黒沢遡行 -> 最低鞍部 -> 一ノ沢(仮称)下降 -> 宝川広河原幕営
-> ウツボキ沢遡行 -> 烏帽子岩付近の稜線 -> 笠ヶ岳避難小屋 -> 笠ヶ岳 -> 白毛門岳
-> 白毛門登山口
沿面距離と高差
東黒沢 5.6km 660m
一ノ沢 1.4km ▲160m
ウツボキ沢 4.2km 700m
全歩行距離 17.1km
東黒沢
・車は 白毛門登山口の駐車場に駐車
・白毛門登山口手前を右に入り、適当に東黒沢に下り立つ。地下足袋を履いて遡行開始。
・ハナゲの滝は高さ30mだが、傾斜はゆるいため、左側をフリクションを効かせて登る。
・ほどなく左に白毛門沢を分ける。水流は東黒沢より少ない。
・両岸迫る釜をもつ滝は右を高巻くが、降り口は垂直でザイルを用いて懸垂下降した。(ボルトが数個打たれているので利用できるが、木の枝を利用した。古びた細いロープがあるが利用は危険)
・全体的にナメが続き、快適に登れる。
・上中流部にもうひとつ高巻きを要する滝がある。
・水流は上流部まで比較的多い。
・上流部の二俣は水流の多い右を行く(ここは左に入ってしまうとまずい。右に入るよう赤テープがあるので分かる。)
・忠実に水流を辿ると、やがて水流は消え、大きなブナの根元で沢すじも消える。
・そこから2mほどもある笹藪となり、最低鞍部となる。
・藪がひどいが数箇所赤テープがぶら下がっている。あまり左に寄らず、尾根の向こう側を目指す気持ちで一ノ沢(仮称)を探す。小さな窪状で現れる。
・一ノ沢は数箇所小さな滝があるが、下降に問題はない。
・ウツボキ沢に出たら、少し下流に向けて下ると、宝川とウツボキ沢に挟まれた台地状の広河原がある。全体的に露岩やゴロ石が多く、快適にテントが張れるのは3張りくらい。
ウツボキ沢源頭部 左のピークは笠ヶ岳 (2008年10月26日)
ウツボキ沢
・東黒沢の中流域くらいの水量で始まる。
・昨日の一ノ沢出合いを左に見て進むと、ほどなく短いゴルジュとなる。残雪がなければ問題はない。
・その上の滝を過ぎると釜を持つ逆くの字形の滝は右を高巻く。
・右俣の出合いを過ぎて、ナメ状を快適に登る。
・中流部の5,6mの滝は、右側を高巻き、滝の落ち口が確認できたら、すぐに落ち口から10m位のところを目指して、笹藪を強引に下りる。
・上流部に二俣があるが、左にとれば白毛門と笠ヶ岳との間の鞍部に至る。この枝沢のほうが稜線に近く、傾斜も緩やかと思われる(前回遡行したときはこちらをとった)時間がないときは使える。
・本流は右で、倒木が多くなり、源頭の様相が濃くなると、やがて水流は消える。
・ツメは背丈以上の笹藪で傾斜もきつくなってくる。
・藪こぎしながら、ところどころにある露岩を拾い、少し傾斜のきつい草つきを登る。
・笹の背は低くなり、前方に這い松見えたら、稜線の縦走路に飛び出す。
・稜線を左りに下っていくと、やがて緩やかに登るようになり、右に笠ヶ岳避難小屋がある。ここで濡れた衣服を着替える。
・縦走路を辿り、白毛門の山頂を経て、土合に向けて下山する。白毛門直下にはクサリ場があるが、疲れた身体には油断すると危ない。
装備
テン泊のための一般的な装備のほかに、
・7mm 40mザイル1本
・ハーネス
・8環(エイトカン)
・カラビナ 2本
・スリング(捨て縄) 数本
・ヘルメット
・地下足袋
・ワラジ
ピトンやハンマーまでは要らないが、懸垂下降のためのザイルとスリングは持参したほうがよい。
東黒沢 ハナゲの滝 30m
東黒沢 白毛門沢出合い 正面が白毛門沢 右が東黒沢
中流部の滝にて
東黒沢 ナメが続く
東黒沢 ゴルジュ
滝を登る
広河原
ウツボキ沢 一ノ沢出合い
ウツボキ沢 小さなゴルジュ すでに残雪は無かった
中流部の滝
トリカブト
笠ヶ岳山頂にて
(熊五郎)