名前に惚れて「星尾峠」へ
投稿日 2009年06月21日
昔登った荒船山ですが、今回はYさんを誘って、そのとき通過した峠「星尾峠」の名前に惚れて再び訪れました。低く垂れ込めた雲の中、幻想的な白い世界をさまよい歩くような山行でした。空がちょっと明るくなることはあっても、日差しは無く、湿度は100%。藪に露をもらいながら、ずぶ濡れの7時間でした。普通ならこんな山歩きはご免と思うかも知れませんが、そこは山屋のこと。たとえ悪天でも山を身体じゅうで味わって、大満足で帰ってきます。Yさんも満足げでした。
その星尾峠ですが、今回は星尾の大上から目指しました。ついでに経塚山から尾根伝いに立岩に至り、大上に戻るコースをとりました。車は線ヶ滝にある10台くらい留められる駐車場が使えます。登山口に看板(写真)があり、星尾峠までの道の通行止めと、立岩への道の崩落を伝えています。われわれは行けるところまで入ってみようということで、計画通りのコースに入りましたが、結局全コース踏破しました。線ヶ滝から星尾峠までの道は沢底の道で暗く、増水による崩落等で荒れています。山慣れした人は、赤テープや、ケルンをひろいながら辿るとよいでしょう。ただし、道は踏み跡程度で、いたるところ不明瞭です。おまけに何度も左岸、右岸へと渡渉します。崩落地にかけられた橋は古く腐っていますし、新しい崩落地も発生しています。山慣れない人では迷う可能性があり、お勧めできません。足が重くなったころ、星尾峠に到着。数年前ここを訪れたときのことを思い出しました。星尾峠から経塚山へは一般道になります。経塚山からはそれほど傾斜のない尾根道で、しばらく下ると星尾峠からの道を合わせます。尚も先に進むと、背丈ほどの笹がうるさい尾根道になりますが、踏み跡ははっきりしています。やがて立岩分岐となり、立岩方面に向かいます。道は尾根上の小さなアップダウンとなりますが、さして悪いところはありません。イネムキ不動への分岐からは一般道に合流します。大きな岩の基部を通過して、やせ尾根を辿り、クサリ場を通過すると、程なく西立岩の山頂に着きます。ここで遅い昼食。山頂からは一旦東側に回りこみ、尾根を越えて西側に出ると、ちょっと緊張する傾斜のある岩場のトラバースがあり、その下は大きく崩落しています。この崩落地には長い鎖がかけられており、通過は可能ですが、落石には十分注意が必要です。ここを通過すると、あとは線ヶ滝までひたすら下ります。荒船の湯で汗を落とし、帰途につきました。
このコースの楽しみ方
線ヶ滝から星尾峠までは、荒れた沢底道のルートファインディング
経塚山から立岩分岐までの藪道(はっきりしており、期待はずれ)
イネムキ不動への分岐点から西立岩までのやせ尾根
写真
線ヶ滝の登山口にあるカンバン
星尾峠
イネムキ不動への分岐と西立岩間のやせ尾根にある岩場
やせ尾根上の岩峰(道はこの岩峰の基部をトラバース)
西立岩手前から見下ろすやせ尾根
2009年6月20日
線ヶ滝 7:40 高度 700 -> 田口峠への分岐 -> 星尾峠 10:10 高度 1225 -> 経塚山 11:12 高度 1375 ->
立岩への分岐 11:53 高度 1255-> イネムキ不動への分岐 -> 西立岩山頂 -> 線ヶ滝 15:08 高度 730
高度は当日の実測相対高度。数10mの誤差があります。
(熊五郎)