太駄上から横隅山

2022年12月08日 快晴 単独

投稿日 2022年12月10日​

埼玉県本庄市児玉町と児玉郡神川町の境にある「横隅山」(よこがいやま、よこぐあいやま、または神山)に登りました。秩父郡皆野町、秩父郡長瀞町にも近い山です。

横隅山の秩父側の山懐にある「出牛」(じゅうし)は、荒川沿いの道がまだなかったころ、秩父盆地が外界とつながる馬や荷車が通れる道として初めて出牛峠が開設された場所でもあります。秩父銘仙などが秩父から。米などが秩父へ運ばれた交通の要衝でもありました。

​そんな出牛はいまでは県道が走り、秩父長瀞から容易に児玉や群馬の鬼石などに出ることができます。昔は静かであったはずの山村は、近くの鉱山に出入りするダンプが轟音をたてて走り抜けます。

​横隅山の秩父側からの登山は、出牛に近い太駄の「いろは橋」からとなります。橋の近くの太駄上の公民館に登山用の駐車場が開設されています。登山者にとっては大変ありがたいことです。駐車場からは約1.5kmほどの林道を徒歩で奥に入る必要がありますが、のどかな平沢の集落を見ながらのんびり歩けます。

​林道最奥に貯水槽がありその奥に登山口があります。登山口から山頂までは1時間ほどで登れますが、途中の平沢峠の向こう側の谷筋に少し下ったところに「権現岩」がありますので寄ってみました。峠に戻って山頂に向かいます。途中、林道が近づきますが、この辺りからは「城峰山」(じょうみねさん)がカッコよく凛と立っているのが眺められます。

​山頂手前の尾根筋に神名を刻んだ石碑が数基立っています。そこからは神川町の下阿久町、神流川を挟んで群馬県藤岡市の鬼石(おにし)の街並みが眼下に広がっています。そこから山頂へは100mほどです。二等三角点「太駄」の石標が設置されている山頂からも眼下に街並みが望めます。標高は593.47mです。

​下山は平沢峠まで戻って、P504he向かいました。せっかくなのでその先の四等三角点「勝久保」標高 491.43mに寄ってみました。神流川の下久保ダムが見えました。

​平沢峠までもどり、さらに尾根筋を進むと住居野峠です。そこから林道を出牛まで下ってもよいのですが、下部が鉱山になっており、大型ダンプがうるさいと思ったので林道歩きを敬遠し、P505から尾根を下ってみることにしました。この尾根には登山道はありません。鉱山に接するP505まで問題はありませんが、途中のピークに急な斜面のトラバースがあります。この急斜面は下から早めに西側に廻り込んで小尾根に乗ったほうが良いようです。P505から先は鉱山で切り取られて地形が地図と異なっています。地図よりも掘削が進み、尾根筋が無くなりつつありますので、尾根の北側をへつることになってしまいました。P505よりの斜面は急なので気が抜けません。鉱山側に落ちないようにネットが張ってありますので、あまりネットから離れないように斜面を辿りました。

​再び尾根筋に戻れることを期待しながら歩を進めましたが、次のピークで封鎖するようにネットが張ってあったので、それ以上尾根を辿ることはあきらめて、平沢側に下ることにしました。当然道は無く部分的な急斜面と落ち葉の斜面をなるべく尾根筋を外さないように下りました。

​たった5時間たらずの山行でしたが、初冬の晴れた山歩きは気持ちがよく、見通しも効く尾根筋は気分の良い物でした。城峰山の右に両神山の一部や大ナゲシが見えたことは、ちょっとした発見でした。また、山頂近くから眺めた鬼石や下阿久町の街並みは見事でしたし、遠く榛名山や赤城山が浮かんで見えました。下山に利用した尾根は踏跡は薄くあまり歩かれていません。おそらく下部が鉱山で削られているため、登山者も近寄らないのでしょう。このような登山道のない尾根は狩猟の時期(11月中から3月まで)は、不用意に歩くべきではありません。

埼玉県本庄市児玉町太駄上 公民館の駐車場から平沢峠、横隅山
下山はP504からP505、鉱山上をへつって平沢に下る
赤実線:GPS歩行軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)

主な通過時刻:
太駄上公民館の駐車場 8:33
横隅山登山口(貯水槽) 9:13
平沢峠 9:29
権現岩 9:37
平沢峠 9:41
林道接近点 10:10
石碑数基ある尾根筋 10:16
横隅山山頂 10:27
P504 11:10
四等三角点 勝久保 11:15
P505 11:49 (昼食)
平沢の林道に降り立つ 12:36
光福寺 12:44
太駄上公民館の駐車場 12:56

​所要時間:4時間30分
総歩行距離:7.5km​

太駄上の公民館横にある駐車場の入口
「横隅山 駐車場」とある

駐車場からしばらく平沢集落の舗装道を歩く

歩道道の最奥にある貯水槽の奥に登山口がある

登山口から植林帯を登って行くと平沢峠に登り上がる

平沢峠の看板に従って少し下ると権現岩がある

快晴無風の登山日和
明るい雑木の径を落ち葉を踏みながら登る

林道が近づくところから城峰山

神名が刻まれた石碑数基のある尾根筋からの眺め
眼下の街並は、神流川の向こう側が群馬県藤岡市鬼石
手前は埼玉県児玉郡神川町下阿久原

横隅山山頂
二等三角点 太駄 593.47m

P505付近から見下ろす鉱山の様子
中央に宝登山
その右肩に美ノ山
左上に笠山、堂平山​

​(雅熊)