持倉から南小太郎山、原三角点
2024年05月06日 曇り時々晴れ 3名
投稿日 2024年05月08日
群馬県多野郡神流町(かんなまち)。国道462号で万場(まんば)を抜け、道の駅を見たら船子川(ふなこがわ)沿いの道に入ります。船子川最奥の「持倉」(もちくら)まではところどころ細いながらも舗装はされています。途中キャンプ場があり、軽ではきびしいくらいの急坂を上ると持倉です。持倉はこの時季、芝桜のピンクと色とりどりのツツジに染まっていました。
この持倉の集落の標高はすでに約900mもあり、目の前は両神山や二子山を望む絶景です。登山口は集落を過ぎた船子川にかかる橋の傍にあります。車は簡易トイレのある路肩に数台停められます。近年道標が整備されたようで、昔の青いブリキの道標の傍らに、オレンジ色の立派な道標が設置されていました。御僧尾根(おそうおね)の登山口です。
まず登山口、標高約900mから、上の分岐 標高約1400mまで標高差約500mの尾根を登ります。この尾根は「御僧尾根」(おそうおね)という名前が付けられており、下から上までほぼ一定の傾斜で、しかもトユ状の広い道になっています。おそらく上部の唐松帯で伐採した木材を搬送した道であろうと推察します。このため登るのも下るのもとても楽で、急傾斜は電光に道が付けられていて苦しい直登はありません。
御僧尾根の周辺はほぼ自然林で、この時季新緑がとても美しく、点々とミツバツツジやヤマツツジが見られました。上部は唐松帯となっており、林床は笹原で美しい尾根筋となっています。中間部からやや露岩が出始め、下御僧、上御僧の前を通過します。いずれも社があったと思われますが、倒壊しています。説明板によれば、平将門に追われた75名の僧たちがこの尾根で遭難したとのことです。
分岐があるのは唐松林の平坦地。左にとって南小太郎山に向かいます。分岐よりも南小太郎山のほうが低く、往復約1kmです。南小太郎山は平凡な一ピークに過ぎず展望もありません。手前の鞍部に萱ノ平方面から登って来た道が合流しています。
分岐に戻って原三角点に向かいました。多少アップダウンがあるものの同じような標高の尾根筋を辿ります。辺りは笹原にカラマツ。樹間に赤久縄山が見え隠れしています。白髪山までの尾根筋は一本銚子ではなくやや複雑な地形です。白髪山を越えてスーパー林道に降り立ち100mほどスーパー林道を歩けば原三角点に至る尾根の付け根です。目立った道標はありません。車1台の駐車スペースの奥に道が入っていますが、この道はなかなか尾根に乗らずに斜面を行くので、林道から直接尾根に取り付いた方がよいようです。帰り尾根筋を降りました。
原三角点のある白髪岩までもあまりアップダウンは無く、笹原の気持ちの良い道です。原三角点の手前の岩場はハイライト。尾根筋は馬酔木(あせび)。岩壁はヤシオツツジの群落ですが、今回、ヤシオツツジは終わっていました。よい時季はピンクに染まります。原三角点は明治15年に設置された三角錐の三角点です。ここと雲取山、新潟の米山でしか確認されていません。
天気は曇りがち。途中小雨もありましたが概ね高曇りで快適でした。やや湿度感がありましたが意外と遠望が効き、南西側が開けた白髪岩からは、南アルプスの北岳、残雪の八ヶ岳も望めました。下山は往路を戻り、分岐から御僧尾根で愛車に戻りました。
南小太郎山や原三角点の白髪岩の山域は唐松の美しい山域です。御僧尾根は登るにも下るにも歩きやすく、うまくつけられた道と感じました。この時季、特に自然林の新緑をたっぷり味わいました。
群馬県多野郡神流町 持倉から南小太郎山、白髪岩(原三角点)
赤実線:GPS歩行軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)
主な通過時刻:
持倉の登山口 7:41
上御僧 9:03
分岐 9:43
南小太郎山 9:57
分岐 10:17
白髪山 10:49
白髪岩方面入口(駐車スペース1台) 11:07
P1499 11:40
白髪岩(原三角点) 12:01 (昼食)
分岐 14:03
持倉の登山口 15:14
総歩行距離 10.8km
所要時間 7時間30分
持倉の御僧尾根登山口
青いブリキの古い道標の横に立派な道標が新設されていた
御僧尾根を登る
素晴らしい新緑
分岐 標高約1460m
左は南小太郎山へ約1km
右は白髪山へ約2km
南小太郎山 標高約1410m
平凡なピーク 展望はない
白髪山 標高1521m
ランクルが停まっているところが駐車スペース1台分
今立っているところか、ランクルの後ろから白髪岩(原三角点)に向かう
白髪岩(原三角点)に向かう
あまりアップダウンの無い快適な道
白髪岩直前の露岩
ロープが掛けてある
白髪岩の原三角点
明治15年設置とある
白髪岩からの眺め
左端に二子山、右に両神山
遠く奥秩父の山々
(雅熊)