北アルプス 爺ヶ岳 

2013年07月30日 - 08月01日 単独

投稿日 2013年08月05日

計画では山上2泊で爺ヶ岳から唐松岳まで縦走する予定であったが、悪天のため鹿島槍ヶ岳手前の冷池山荘までで、往路を戻り撤退した。

計画(到達は冷池山荘テント場まで 雨天のため往路を戻る)
2013/07/30 移動 自宅11:00 扇沢 16:00 着
2013/07/31 扇沢発 5:00 柏原新道 種池山荘 10:00 爺ヶ岳 11:30 冷池山荘 13:00 テント泊
2013/08/01 冷池山荘 4:00 布引山 6:00 鹿島槍ヶ岳 7:30 キレット小屋 10:00

五竜岳 14:00 五竜山荘 15:00 テント泊

2013/08/02 五竜山荘 5:00 唐松岳 8:00 八方尾根第三ケルン 10:30 八方山荘 12:00
JR大糸線 白馬駅 -> 大町駅 -> バス 扇沢

2013/07/31 晴れ
扇沢爺ヶ岳登山口 5:02
種池山荘 9:25 10:00
爺ヶ岳南峰 11:00
爺ヶ岳中峰 12:06
冷池山荘 14:01
テント場 14:30

2013/08/01 雨
テント場 6:00
扇沢 10:00

柏原新道 登り途中からの針ノ木岳

ここ関東内陸部から長野県松本、大町市に出るにはいくつかのルートがあるが、私は高速をなるべく使わずに行けるコースを選んでいる。というのは急がずに行けるように日程を立てているからだ。今回も、登山口には夕刻の明るいうちに着けばよいので、11:00に家を出発し、16:00ごろ着くように走った。

約5時間の走行ルート 約215km 自宅11:00 -> 扇沢 16:30
本庄・児玉IC -> 下仁田IC -> 国道254 内山峠 -> 佐久市 -> 国道142 望月、山辺 -> 
国道254 有坂、和子 -> 三才山トンネル -> 松本トンネル -> 安曇野市 -> 国道147 大町市 -> 扇沢

大町市街から扇沢に向けて入る。幾分雲をかぶった北アルプスの山並みが目の前に迫る。

のどかな農村を抜けて別荘地のような緑のきれいな林を走ると、扇沢が轟音を立てて流れ下る爺ヶ岳への登山口に着く。駐車場は数か所あるが大きいほうで約30台は止められるだろうか。ここが満車なら扇沢アルペンルート駅前の巨大駐車場の無料スペースという手もある。

明るいうちに装備を点検整備し、コンビニで買っておいた弁当を夕食とし、静かな時を過ごす。やがて暗闇に覆われ、遠くでホトトギスの鳴く中で横になる。うとうととしていたら何やらきらきら光るので目をこらすと、満天の星空だった。

翌朝、山はまだ層雲を抱いているが天気はよさそうだ。5:05分爺ヶ岳登山口から登りにかかる。

柏原新道 登り途中から稜線の種池山荘
小屋の前の白い部分はコバイケイの群落

種池山荘までの、この柏原新道はよい道で有名だが、うわさのとおり非常に歩きやすい。ぐんぐん高度を上げ、ケルンのある場所で種池山荘が見える。まだ扇沢の沢音が聞こえている。大きな雪渓が緑の山肌に横たわり、ところどころに水流が光っている。雪渓を2か所通過し、幾分左にトラバース気味に登ると山荘の前に出る。この登りで、何人かと親しくなり、話をしながら楽しく登った。那須から来た農家の方。東京町田のパン屋の主人。岐阜から来た夫婦。

そのうちの一人は29日 強雨の中五竜に登ったとのことで、五竜での遭難救助を目撃したという。視界が10mほどしかなかったようだ。

やがて沢音は遠くなり、冷たく透き通った空気を、肺いっぱいに吸い込みながら見え隠れする稜線を目指す。山小屋はオレンジ色の屋根でこっちを見降ろしている。早くそこへ行きたいが、なかなか辿りつかない。後ろに手を伸ばして、こちらにおいでと言いながら逃げてゆく少女を追いかけるようだ。

20130730_爺ヶ岳04_edited.jpg

種池山荘から 爺ヶ岳南峰

種池山荘の直下はコバイケイ草の群落だった。下から見えていたが小さな雪渓も抱いている。小屋の近くに小さな池(種池)があった。サンショウウオの卵がうみつけられていた。小屋から少し針ノ木寄りに20張くらいだろうか、きれいなテント場がある。非常に平らで砂地。周りは背丈ほどの木で囲まれているため快適であろうと想像する。(今度はここでテン泊してみたい)

爺ヶ岳への登りから立山と剣岳 小屋は種池山荘

小屋から爺ヶ岳へは、礫の道で緩やかに山頂まで登っている。晴天のこの日は近い蓮華、針ノ木、スバリ、赤沢、岩小屋沢、鹿島槍ヶ岳、遠くに槍ヶ岳、薬師岳、立山、剣岳などが見渡せた。

爺ヶ岳は3つのピークを持っており、手前から南峰、中峰、北峰となっていて中峰に2670mの三角点がある。

北アルプス 爺ヶ岳から360度の展望

鹿島槍ヶ岳に通じる尾根上に冷池山荘(つめたいけ)がある。ほとんど平地のないこのような場所によく山小屋を建てたものだ。尾根上にひっかかるように建っている。小屋の左上にテント場があるのが見える。
爺ヶ岳から小屋までは徐々に下り、赤岩尾根の道分岐(大きな石のケルンがある)を過ぎて一度樹林に入り、すこし登り返すとすぐである。小屋付近はかなり浸食がすすみ、大町側が切れ落ちたガレ場になっているので注意が必要だ。

爺ヶ岳付近から鹿島槍ヶ岳
稜線小屋は冷池山荘 小屋の左上の茶色い部分がテント場

小屋でテント場の使用許可(500円)を得て、水を購入(150円/L)し小屋から8分のテント場に向かう。テント場は50張くらい可能な広い平地だが、露出した岩が多い。尾根上の吹きっさらしの場所で、風除けになる高い木はない。

テントを張ってしばらく休み、夕食を食べてくつろぐ。暗くなり始めたころから雨となり、結局夜中じゅう降ったりやんだりの吹き降りとなった。私の装備の中で唯一新しい最新のテントは地面がぬかるみ始めても一滴も雨水を通さなかった。朝になっても強い吹き降りだった。テントの中でテント以外をすべてリュックに収納し、一瞬の好機を狙ってテントを撤収した。

小屋に戻ると昨日知り合った人たちが下山の準備をしていた。鹿島槍ヶ岳から先の行程はあきらめ、強い雨の中、往路を戻り、びしょぬれで扇沢に降り立った。

扇沢から大町市街に出る前に大町コミュニティセンター「上原の湯」(わっぱらのゆ)に立ち寄り、汗を流して5時間の道のりを帰途についた。

(熊五郎)

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