ヤマフジ
投稿日 2018年05月02日
正式な名前は知らないが、山を彩っているのでヤマフジとしておこう。
4月中旬から5月にかけて、低山は藤で彩られる。
ついこの前までヤマザクラが山肌を白く染めていたというのに、先日出かけた山では、いつの間にか藤の淡いムラサキで点々と染まっていた。
藤はツツジのように林床でおとなしくしている植物ではない。蔓植物だから大きな木などに絡みつく。そして山肌の日当たりのよい場所にしゃしゃり出て、多くの花をつける。このため遠くからでも目立つ。
ときどき庭で藤を愉しんでいるお宅があるが、あんなもんじゃない。藤はずうずうしくもあり、ウッドキラーでもある。どんな木でもどんどんからんでいく。かわいそうに、からまれた木はやがて枯れるだろう。藤の花と葉で木全体がいっぱいになり、藤の木ってこんなに大きかったかと思わせるほどになる。よく見ると大きな木が蔓で締め付けられているのだ。
この時季に関東の低山ではよく見かけるが、山によって繁栄ぶりは異なる。先日出かけた栃木県佐野の山では、点々と山肌を染めていた。
(栃木県佐野市白岩町の林道にて 4月26日撮影)
(熊五郎)