南天の実

投稿日 2016年12月11日

先日、山里の農家の庭先で赤い実をつけた南天を見かけた。

赤に緑色と言えば、クリスマスを思い浮かべるのが今流のようだが、私はこれを見て正月を思い浮かべる。年配の方なら多いかな?

南天の葉は一部分紅葉するものの、概ね緑色を保ち、そこに真っ赤な実がたわわに成るものだから、とても目出度い感じになるし、第一、色の少ないこの初冬には貴重な赤である。日本的で品がある。南天を床の間に生けると、それだけで日本的美が極る。

由来はよくわからないが、南天は家の南西の角に植えられることが多いようで、我が家も、隣宅も南天が南西の角を占めている。難を転ずるからくるのかも知れない。

我が家では、もう何十年もそこに植わっているというのに、勢力は衰えず、盛んに新しい芽を出して、未だに増殖している。大株になると見上げるようなものもあるが、常緑なので生垣にしている日本的な屋敷もある。また、庭の片隅に遠慮がちにあると、風情があるものだ。

南天は葉が細かく見栄えのよい種と、葉が大きい種があるようだが、前者にはあまり実が成らない。見栄えがよくないが、葉の大きい方にはよく実がなる。このため正月の切り花では、葉の大きい方から実の房を採って、わざわざ葉の細かい南天に付け替える。お正月用南天切り花だ。実は水分がなくてもしばらくは大丈夫だ。だから実の房はセロハンテープで簡単にくくりつけてあるのだが、正月花を買いに来た客によっては、付け実であることを知って、文句をいう人もいるようだ。知らないと恥をかく。

私の知る限りでは、名に南天をいただく山は、奥秩父に「南天山」がある。残念ながら私にとっては未登峰だ。

(熊五郎)

コメント(2)

  • 宇都宮の家には何店ありましたが、今はお正月らしい千両も万両も南天もありません。せめて葉ボタンでも植えようかな? (agewisdom) 2016/12/11(日) 午後 10:00
  • 南天は容易ですが、千両は日差しに弱く気難しいようです。葉ボタンは長持ちしますね。うちの庭には買ってきたミニはボタンがあります。(熊五郎) 2016/12/11(日) 午後 10:05

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