金沢峠の鏡石
金沢峠の鏡石が露出する面
田町方面を見る
金沢峠は群馬県桐生市の梅田町と川内町をむすぶ峠です。標高560mほどです。近くの鳴神山や大形山、三峰山などからの通過点です。
鏡石は金沢峠のやや梅田町側にあります。
そう聞くと、誰でも峠から石を探しながら梅田町側に下ってみると思います。私も計3回峠を訪れましたが2回目までは鏡石を探しながら下ってしまいました。下っても下っても鏡石らしきものはありません。
ところが鏡石の位置は峠から数歩梅田町側に下ったところなのです。5m下? いや3m下かな? いやいや峠にあるといってもいいくらいなのです。
多くの峠は多かれ少なかれ人が往来することによって削られ、若干切通しのようにへこんだ状態になっています。金沢峠もそのようになっていて、鏡石の鏡面はその切通しの側面に出ているのです。
鏡石の鏡面(鏡肌)
光沢があり、手で触るとツルツル
鏡石または鏡岩と呼ばれるものは全国に何カ所かあるようです。金沢峠のものよりもっと大規模で有名なものもあると思います。この金沢峠の鏡石はあまり知られていないようです。
規模は小さく、大雨でも降って泥がかぶされば、すぐ見えなくなってしまうでしょう。しかし、その面は奇妙に光っています。まるで金属面のようです。
鏡石の成因は専門ではないのでよく知りませんが、断層などの滑り面で磨かれた面だろうと想像します。ものすごい圧力でこすられたのでしょう。岩はおそらくチャートでしょう。
(熊五郎)