憧れの蛇紋石
投稿日 2019年01月14日
蛇紋石
肉質の深緑色で白や淡い緑色の筋が入っている
ナイフなどで簡単に傷が付く
磁石が弱く付く
先日秩父の大霧山に登った時に蛇紋石(じゃもんせき)の産地を通過した。足元に転がる深緑色の石。憧れの蛇紋石を実際に見た瞬間だった。
蛇紋石は蛇紋岩を構成する鉱物で、マントルを構成するカンラン岩が地中深くで水分の作用を受けて変成したものとのことで、緑色であるカンラン岩が変成したからか、蛇紋石も深緑色をしている。
と、ネットで調べてわかってはいても、なかなかこの深緑色にはお目にかかれなかったのだ。
尾瀬至仏山(しぶつさん)の蛇紋岩(手前)
対峙する山は燧ヶ岳(ひうちがたけ)、中間に尾瀬ヶ原
昭和52年ごろ撮影
蛇紋岩の山として有名なのは、関東だと谷川岳や尾瀬の至仏山がある。しかし現地に行ってみたら分かるが、いずれも茶褐色である。おそらく長い年月の間に風化変色したものと思われる。蛇紋岩は登山道に露出していて濡れていると非常に滑りやすい。このため蛇紋岩の露出帯は要注意だ。その成分からか蛇紋岩帯では植生に偏りが見られるようで、固有の高山植物も多いようだ。
ところで新鮮?な蛇紋石は緑色で、量の多少はあるものの白い筋が入っているようだ。白い筋が多く入ったものは美しく「貴蛇紋」といって、国会議事堂の床材に使われたりしているようだ。
参考文献:
秩父での蛇紋石の産出地は、群馬県藤岡市の三波川変成帯に属する皆野町の金崎や、釜伏峠、そして今回訪れた皆野町の三沢がある。三沢は国会議事堂で使われた「貴蛇紋」を産出した場所でもある。
三沢川の登山道に沿って歩いていると、蛇門石が転がっている。採石場所の特定はできなかったが、現地には蛇紋石の説明板も設置されている。
(熊五郎)
コメント(2)
- 本当にいい色ですね。表面がこんな色で覆われていたら見事でしょうに。 (agewisdom) 2019/1/14(月) 午前 11:45 返信する
- > agewisdomさん もう蛇紋石の石板で床をふくのは、どんな豪邸でも贅沢過ぎてできないと思います。(熊五郎) 2019/1/14(月) 午後 4:15