八ヶ岳 天女山から三ツ頭、権現岳

2024年09月05日 晴れ 2名

投稿日 2024年09月07日

山梨県北杜市 八ヶ岳 天女山から三ツ頭、権現岳往復
天女山の駐車場から前三ツ頭、三ツ頭経由で権現岳を往復する
赤実線:GPS歩行軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)

主な通過時刻:
天女山の駐車場 05:48
天の河原 06:07
前三ツ頭 09:02
三ツ頭 10:01
権現岳 11:11
権現小屋上 11:23
三ツ頭 12:37
前三ツ頭 09:45 - 13:26
天女山の駐車場 15:41

総歩行距離 11.2km
所要時間 9時間

八ヶ岳の主峰赤岳には人が集まりますが、赤岳以南のいわゆる八ヶ岳南部はいくぶん静けさを保っているようです。おそらく赤岳から地獄の底に落ちるように切れ込んだキレットを見ると、南部に入る気がしなくなるのかも知れません。それは大げさとして、赤岳や阿弥陀岳を登った人が権現岳や編笠山などの南部へと足を踏み入れるのは、すこし躊躇するのも事実かも知れません。

キレットまで落ちた主稜線はツルネ、旭岳と幾分高度を取り返して権現岳へとつながります。権現岳辺りはやや複雑な地形で、道はギボシ、ノロシバの小ピークをへつって、編笠山との鞍部にある青年小屋へと下ります。岩海を越えて編笠山に登り返せばもう後は釜無川へと落ちる広大な裾野が広がります。対面は南アルプスです。

権現岳は旭岳から盛り上がった主稜線の一角をなす岩塔で、東側の地獄谷へ切れ落ちています。岩塔の下には権現小屋があり、こじんまりとした中に一種独特の雰囲気があります。見下ろす編笠山の斜面や青年小屋の前に展開する岩海とハイマツのコントラストは美しく、荒々しい赤岳からの稜線に比べれば、一息つける光景が広がっています。

今回はそんな権現岳を目的地として、天女山から三ツ頭経由で登りました。ルートは釜無川に落ちる八ヶ岳の広大な裾野の一角に位置し、扇状に広がる裾野にある他のルートはすべて登山口が離れているため、なかなか周回ルートにしにくい事情があり、日帰りの山行にとっては、ピストン(同じルートの往復)を選ばざるをえません。そんな訳で権現岳まで登って往路を戻ることにしました。

天女山の駐車場は数十台駐車でき、登山者が殺到しない八ヶ岳南部としては十分と言えそうです。駐車場の脇から登り始めますが、道標には権現岳まで6.8kmとあります。駐車場の標高は1500mくらい。権現岳が2700mくらいですので、高差約1200mを登ることになります。1時間300mとして4時間と言いたいところですが、前三ツ頭の手前の笹中の急登で1時間くらいしごかれますので、計5時間の登りとなります。

最初の半分くらいは緩い登りですが、やがて傾斜が強くなり、笹の中の急登となります。標高2300mくらい、前三ツ頭の手前で笹は無くなりシラビソの樹林を登って行くと前三ツ頭です。南アルプスや富士、隣の編笠山や青年小屋、奥に西岳が見えます。道はここから尾根筋ですが、高差約200m上に三ツ頭が聳えています。露岩のあるガレ場の縁をたどりふたたび樹林になります。樹林から三ツ頭に飛び出て、再び広大な景色が広がります。今度は遮るものない景色の中に権現岳がお目見えです。

三ツ頭からは一旦緩やかに下って鞍部から登り返します。権現岳の岩塔が近づいてきて、クサリ場を登れば小さな石祠が迎えてくれます。登山道は岩登の基部をへつっていますのでちょっと岩面をよじれば権現岳の山頂で、古い剣が立っています。言うまでもなく赤岳や阿弥陀岳、手前に旭岳。近くにギボシ、ノロシバの小ピーク。青い屋根の青年小屋、そして編笠山を見下ろします。基部に戻って少し進むと、足元に権現小屋が見えます。しばし、少し秋めいてきた山風に吹かれて、昔、八ヶ岳を縦走して来た若い自分がこの地を踏んだことを懐かしく思い出しました。下山は往路を戻り、天女山の駐車場に16時前に帰着。約9時間の山旅でした。

天女山の駐車場
天女山はここから少し南側で、トイレもあるようだ。

前三ツ頭までは笹中の急登
振り返って撮影

前三ツ頭から三ツ頭を望む
前三ツ頭には三等三角点「東岳山」標高2364.58mが設置されている

三ツ頭から権現岳を望む

権現岳の岩塔
手前に石祠がある

権現岳からのギボシ
小屋は権現小屋

権現小屋の上まで進んで権現岳を見返す

権現小屋の上から、奥に阿弥陀岳と南陵、手前に旭岳

権現岳付近から赤岳

編笠山と青年小屋
奥に西岳

南アルプスを眺める
ほぼ中央に北岳、右手に甲斐駒ヶ岳

(雅熊)

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