観音山と観音院 牛首峠、日尾城址経由

2024年11月06日 くもり 2名

投稿日 2024年11月09日

埼玉県秩父郡小鹿野町 観音山と秩父札所31番観音院、牛首峠、日尾城址経由
観音院下の駐車場から牛首峠、日尾城址経由で観音山、観音院
赤実線:GPS歩行軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)

主な通過時刻:
観音院下の駐車場 08:44
牛首峠 09:17
日尾城址 09:32
観音山 10:46
東奥の院 11:32 (昼食)
観音院 11:56
観音院下の駐車場 12:20

総歩行距離 3.5km
所要時間 3.5時間

牛首峠直前は荒れており、やや不明瞭
今回のルート以外に、大石山(P688)、石仏群周回歩道、日尾、馬上(もうえ)、唐松峠、水子地蔵尊へのルートなど、山内に案内があるが未確認

現在、西奥の院へは行けない(観音山下に案内標があるが進入禁止)

埼玉県秩父に点在する秩父観音霊場札所は34か所あります。その31番目が今回訪れた札所31番観音院です。他の札所から少し離れた秩父郡小鹿野町にあります。

この札所は秩父ジオパークのひとつとしても有名で、1700万年前の凝灰質砂岩や、秩父が昔海だった名残の礫岩が見られる場所で、とくに凝灰質砂岩は割れにくいが加工しやすいという特徴から、岩殿沢石と呼ばれ、観音院の山門に鎮座する石の仁王様や、4番札所金昌寺の慈母観音に使われ、また建築石材としても重宝されています。観音院の背後にそびえる観音山には仁王様を作るために石材が切り出された採石場も見られます。観音院本堂の背後は覆いかぶさるような岩壁になっており、横には落差30mの聖浄の滝が落ちています。摩崖仏や石仏群も見事です。

今回歩いたルートは一般的に歩かれるルートで、観音院下仁王門の前の駐車場から牛首峠を目指し、峠から日尾城址を経て観音山へ辿る時計回りに登りました。そして最後に観音院を訪れ、300段近い石段を下りて仁王門の駐車場に戻りました。最初に観音山にお参りし、反時計回りでもかまいません。

ルートには危険なところはありませんが、牛首峠の手前がやや不明瞭です。沢筋を外さずに峠に至ります。また日尾城址から観音山に向かって尾根伝いに歩くと、クサリ場があります。牛首峠からの場合、このクサリは登りになります。クサリ場からしばらく痩せ尾根を歩くとやがて尾根筋から離れ、斜面をトラバース気味に植林帯に入ります。道標の地点で観音山に向かいます。階段のややきつい登りです。観音山の山頂が見え始めたあたりに、仁王様の石を切り出した採石場があります。採石場から山頂はすぐです。

観音山の山頂からは、毘沙門山(白石山)や両神山が見えるはずですが、今回は曇って見ることはできませんでした。眼下には辿ってきた尾根筋や、牛首峠辺りが見えていました。また、北側の日尾や馬上の集落が見えました。山頂には二等三角点があります。標高は 698.17mです。

道標に戻って観音院に向かいます。急な階段を下るとすぐ下方にお堂の屋根が見えてきます。ほどなく東奥の院です。東奥の院には東屋があり一休みできます。芭蕉の句碑があり、「清く聞かん 耳に香たいて 子規(ほととぎす)」と刻まれています。

観音院はすぐそこで、納経所の手前に新生第三期(約1700万年前)の地層の露頭があります。本堂は岩壁の下で、見上げる大岩は凝灰質砂岩です。よく見ると多数の摩崖仏や、石仏が岩壁に並んでいます。本堂にお参りし、300段近い石段を仁王門へと下りました。この石段の脇には九月ごろシュウカイドウの花が彩を添えます。

コンパクトな山ですが、山内には大岩を秘め、秩父のジオパークの一部。そして荘厳な秩父観音霊場観音院と見どころの多い山です。今回歩いたルート以外に、合角ダム方面、日尾、馬上、地蔵寺などに下るルートもあるようです。また、観音院周辺には多数の石仏があり、見ごたえがあります。

丈4mの石の仁王様
凝灰質砂岩の一本岩で作られている

牛首峠
日尾城址へは階段を右へ
左は馬上(もうえ)へ下る道

日尾城址
城跡であることがよく分かる段状の遺構

クサリ場
ちょっと高さがあるので注意
日尾城址からは登りになる

石の仁王様の採石場跡
凝灰質砂岩(岩殿沢石)の大きな岩が今でも残る

観音山山頂
二等三角点 観音山 標高 698.17m
岩上からは日尾や馬上の集落が見える
晴れていれば両神山や毘沙門山が見える


(雅熊)

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