秩父長瀞 雨乞山から榎峠、仲山城址、野上下郷石塔婆
2025年02月08日 晴れときどき曇り 2名
投稿日 2025年02月11日

埼玉県秩父市長瀞町野上 道光寺前の駐車場から荒川を渡り、野上下郷の尾根に取り付く
雨乞山から榎峠と辿り、小坂に下って仲山城址に寄る
赤実線:GPS歩行軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)
主な通過時刻:
道光寺前の駐車場 08:50
尾根取り付き点 09:19
山ノ神 9:53
間瀬峠からの道合流 10:51
雨乞山(パラグライダー滑空場) 11:21 (昼食)
榎峠11:55
仲山城址 12:57
道光寺前の駐車場 13:51
総歩行距離 10.8km
累積標高差 +576m - 569m
所要時間 5.0時間
道光寺前の観光用駐車場にはトイレがある
尾根取り付き点には道標はない
間瀬峠分岐点から間瀬峠に進んで雨乞山に向かうこともできる
雨乞山の山頂はパラグライダーの滑空場になっており、利用されてなければ芝生の展望台でのんびりできる
仲山城址へは北側の道をピストンしたほうがよい。南側の道は危険
数日前から大寒波が来て日本海側の各地で大雪となりました。関東は晴れが続いていましたが、それでも極寒が予想されたので今回は近場にしていつもより一時間遅く出発することにしました。やはりいつもと違う冷たさの朝で、北の山地には何やら雪雲がかかっていました。この寒波で、ずっと雪の無かった赤城山が白くなりました。
近場とは秩父の入口にあたる埼玉県秩父郡長瀞町にある雨乞山です。秩父盆地を流れた荒川がこれから関東平野に流れ出ようとするところで、両岸に山が迫り、樋口という地名があるとおり、荒川の水が樋(トイ)を流れ下るように、岩盤をうがって流れています。昔からこの樋のような地形がこの辺りに道を作ることを許さず、長い間秩父の物資は関東平野に出ることはできませんでした。そんな場所も、今では秩父鉄道と国道140号が走っています。
今回は長瀞町の秋の七草寺のひとつである、尾花(ススキ)の寺道光寺の前にある観光用駐車場をお借りしました。ルートは長瀞町野上下郷に落ちる尾根から雨乞山に登り、さらに稜線を榎(えのき)峠まで辿り、小坂に降りて道光寺に戻るルートです。小坂にかわいいこんもりした山があり、その山頂に仲山城址があるので立ち寄りました。山頂の城址に東屋と説明板があるのですが、そこまでの道があまり整備されておらず、踏み跡程度となっています。とくに今回下りに利用したルートは道が消えており、急斜面を枝をつかみながらの下降となるので、慣れない人にとっては危険です。
雨乞山までの尾根は林道とも言えるような幅広の道が続いています。屈曲点に崩壊がありますが、問題はありません。間瀬峠に廻った方が道が良いかもしれません。雨乞山にはパラグライダーの滑空場があり、芝生になっているので展望は最高です。対面の大平山との間に荒川が流れ、長瀞町野上下郷がのんびりと展開しています。稜線上には舗装の道も合流しますが、なるべく山径を拾いながら榎峠に向かいます。
榎峠に植樹された榎はずいぶん大きくなっていました。不安定な土台の石祠と馬頭尊が峠の証明です。小坂に向けて下り、舗装道路に出たら、小さな道標に従って仲山城址に向かいますが、道は踏み跡程度です。山頂には東屋と城址の説明版があります。二代目城主が侍女にうつつをぬかしている間に攻められ討ち死。出家した奥さんが十三回忌に、追善供養として青石塔婆を建てたようです。麓の国道140号の手前に、高さ5mもある巨大な青石塔婆が立っています。南北朝時代(1300年代)の塔婆です。青石はこの辺りで産出される緑泥片岩です。見事な蓮台と梵字、光明真言などが刻まれています。塔婆を見て荒川を渡り道光寺に戻りました。

荒川にかかる白鳥橋から
右上の小さく禿げたところが雨乞山(パラグライダー滑空場)
今回選んだルートは左の尾根筋

尾根筋に取り付いてすぐ振り返る
遠くに秩父の名峰武甲山が見える

尾根筋を登る
この日は寒かったが長瀞側は日面の道で気持ちが良い

山ノ神の石祠
大岩の前に鎮座する

間瀬峠からの道が合流

雨乞山から見下ろす野上下郷の集落
中央の線は荒川 左遠方は関東平野
対面は大平山

稜線上は林道を歩いたり山道に入ったり
ここから林道を捨て、左に入って榎峠に向かう

榎峠
植樹され大きく育った榎
大きな石祠 昔から落ちそうで落ちない
手前は馬頭尊

仲山城址
鎌倉時代(新田義忠のころ) の山城
二代目城主は討ち死にしている

討ち死にした仲山城址二代目城主の追善供養のための青石塔婆
出家した妻が十三回忌を供養したもの
日本最大の石塔婆(約5m)

仲山城址の小山を望む
こんもりとしたかわいい山
北面から登り、南面を下降
北面は踏み跡があるが、南面は消えており急斜面で危険
(雅熊)