浅間山荘からJバンド、黒斑山、草すべりを下降

2025年06月17日 晴れ 2名

投稿日 2025年06月19日

長野県小諸市、北佐久郡御代田町 浅間山荘から湯ノ平、Jバンド、黒斑山。草滑りを下降
Jバンド(鋸岳)から黒斑山まで旧火口壁外輪山を辿る
赤実線:GPS歩行軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)

主な通過時刻:
浅間山荘(天狗温泉)駐車場 8:24
一ノ鳥居 9:04
不動滝 9:22
二ノ鳥居 9:27
火山館(水、トイレ) 10:32
Jバンド下取付き点 11:36
Jバンド 12:00 (昼食)鋸岳往復
仙人岳 13:06
蛇骨岳 13:36
黒斑山 14:17
草滑り下降点(トーミノ頭手前) 14:35
草すべり下 15:26
火山館 15:31
浅間山荘(天狗温泉)駐車場 17:15

総歩行距離 14.1km
累計標高 ±1101m
所要時間 8.5時間

梅雨の中休みで暑くなりました。平地では35℃以上。この時季になると2000m級の山に登らないと暑くてしょうがない。そこで今回は高い活火山で名の知れた浅間山(あさまやま)を目指しました。といっても浅間山は噴火警戒レベル2のため本体には登れません。今回登ったのはその外輪山。旧火口壁に連なる山々です。

まず長野県小諸市(こもろし)から車坂峠(くるまざかとうげ)に登る道路(チェリーパークラインというらしい)で浅間山懐に入ります。途中で浅間山荘(天狗温泉)へのダートに入り4kmほど走ります。浅間山荘はすでに標高1400mです。ありがたいことにここには天狗温泉という温泉があり、ここを起点に登れば、下山してきて即温泉という山の恵みに浸れます。

山荘の前に有料の駐車場とトイレが完備されています。駐車料金は500円ですが、温泉(1000円)が200円引きとなります。この時季たまにあることですが、車で駐車場に入るやいなやアブの大群が飛びかかってきました。どうも動く者に敏感なようです。あとで調べたらキンイロアブ、またはキイロアブという山の沢筋などに生息する、付きまといと吸血が得意のアブのようです。大きな目は緑色。このアブの大群に火山館まで付きまとわれ、まったく閉口です。噛まれると、一瞬ピリッと痛みが走り、その後登山中は噛まれたことも忘れますが、家に帰ると痒くなってきます。アブ対策を万全にして登ってください。

火山館までの道は沢沿いで、一ノ鳥居、不動滝、二ノ鳥居を見て最後に牙山(ぎっぱやま)の基部、沢の源頭部を通過して火山館に至ります。道は良く、道標も完備されています。一ノ鳥居と、二ノ鳥居間は沢道と沢から離れる道があるようですが、我々は沢道を登りました。なかなかよい雰囲気の道ですが、しつこく付きまとうアブがいなければの話です。

火山課は閉館していました。トイレは使えます。水も豊富です。奥に浅間神社が鎮座しています。鳥居はこの神社の参道だったようです。すぐ上の樹林の下にイワカガミがみごとに群生しています。すぐに道は平坦になり湯ノ平に入ります。湯の平は旧火口の火口平原です。背の低いカラマツの平原です。ところどころに大きな岩がごろごろ。火口から噴出した火山弾でしょうか。奥の外輪山が消える東端まで歩き、Jバンドへ登る道に取り付きます。急傾斜の岩混じり、ザレの登りです。やがて岩壁の下を斜めにへつってJバンドに至ります。昼食をいただいた後、鋸岳を往復しました。

Jバンドに戻り今回の最高点黒斑山(くろふやま)へ向かいます。外輪山の尾根伝いの道です。仙人岳、蛇骨岳と辿りますが、蛇骨岳から先はシラビソの樹林帯に入ります。崖っぷちぎりぎりに付けられた道は時々展望が広がり、目の前の浅間山本体(前掛山)が雄大です。Jバンドから 黒斑山へは徐々に登り気味の道です。黒斑山は外輪山の一角。浅間山本体は見えていますが、展望はそれだけです。標高は2404mです。車坂峠から登れば、さらに苦労なくこの標高に達しますので人気の山です。

黒斑山を後にしてさらに進むとトーミノ頭(あたま)手前に草すべりの下降点があります。草すべりはわずか700mほどの水平距離に300mもの高差があるという急斜面です。笹の斜面に細い道が刻まれています。この斜面は高山植物が多いので楽しみながら下れます。イワカガミ、雪割草(アサマコザクラという人もいるがそのような固有種は存在しない)、キバナコマノツメ、ハクサンイチゲ、ミヤマキンポウゲ、ミツバツチグリなど。

草すべりを下って湯ノ平に降り立ったら火山館に戻り、来た道を浅間山荘まで下ります。またもや、待ってましたという感じでアブの大群に襲われました。休んでいると噛まれるので、常にタオルなどで追い払いながら休みます。なんとか浅間山荘に帰り着き、さっそく天狗温泉に飛び込みます。茶色く濁った鉄分の多い温泉です。そういえば、火山館までの沢筋を流れる水は黄色く濁っていました。不思議なのは登っているときはあまり黄色くなかったのですが、下山時は濃い黄色に濁っていました。とにかく温泉はありがたいですね。浅間山が今日も目を覚まさなかったことに感謝しながら帰途につきました。

黒斑山へは車坂峠から往復するのが最も近道ですが、眺めはほぼ浅間山本体だけ。雄大な外輪山の連なりや、草すべりに咲く高山植物が見られません。花を見るにはトーミノ頭から草すべりを少し下降してトーミノ頭に戻るというのもひとつですが、それでは外輪山が見られません。このため湯の平まで下降するのが良いのですが、草すべりを登り返すか、Jバンドから外輪山を辿って戻るかのどちらかとなります。対して今回とった浅間山荘からの周回ルートは不動滝、牙山の奇景、物々しい外輪山の連なり、雄大な前掛山、鬼押し出し方面の景色など、雄大さと高度感を味わえるルートです。浅間山荘から火山館までの沢沿いの道は歩きやすく、美しい道です。しかも温泉付き。ただし時季によってアブが問題ですが。

浅間山荘(天狗温泉)の駐車場
有料500円 温泉(通常1000円)を利用すると200円の割引付き

一ノ鳥居
道が二手に分かれるが、我々は沢沿いの道をとった

不動滝
この写真を撮った時刻では少し濁った程度の水が
下山で再度通過したときは黄色く濁っていた

牙山(ぎっぱやま)の基部を通過する
名のとおり鋭い牙のようだ

火山館
この日は閉館だった
水が豊富
トイレは男女分かれて(別棟

火山館近くの林床に咲くイワカガミ
今回のルートはイワカガミが多い

Jバンド基部
ここからJバンドまで急登となる

Jバンド付近から眺める旧火口壁

蛇骨岳
後方は剣ヶ峰

黒斑山
背後に浅間山(前掛山の上にわずかに浅間山山頂付近が見えている)

草すべりの斜面に咲く雪割草

草すべりの斜面
わずか700mくらいの距離で300mの高差がある急斜面
今回はここを下降した

草すべり途中から浅間山(前掛山)
現在、火山警戒レベル2のため、前掛山方面の登山は禁止されている

草すべり下部より
旧火口壁(外輪山)を眺める
右端がJバンド(鋸岳)

(雅熊)

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