キバナノコマノツメ(黄花の駒の爪)

投稿日 2025年07月04日

高山に咲くすみれ科の多年草。すみれというと淡い紫色の花というイメージがあるが、それは普段タチツボスミレをよくみるからだろう。タチツボスミレは我々の生活圏に咲く里の花だ。このキバナノコマノツメは鮮やかな黄色である。山によってはなかなか見られないこともあって、黄色いスミレを探すが、なかなか見当たらない。最後に見たのは白山だったろうか。

ところが先日訪れた八ヶ岳では、このキバナノコマノツメが最も目につく花であった。遭遇すると誰もが「意外と小さいね」ともらす花である。花の大きさはわずかに1センチメートルくらい。花形はスミレそのもの。唇弁が下に垂れていく筋かの茶紫の筋がある。

ところでキバナはわかるが、コマノツメはどこからきたのだろうか。それは葉の形にあるらしい。この写真にも多くの葉が写っているが、残念ながらこれぞコマノツメ、つまり馬のヒヅメ(蹄)を連想させる葉は写っていない。これらの葉は角がなく丸いものばかりだ。ところが個体によってはゲームのキャラクター「パックマン」のように角の尖った葉のものも確かにあった。それは十分に馬のヒヅメを連想させる。

2000m以上の高山で、冬は雪が積もるが解けると暖かい斜面。そんなところを好んで咲いているようだ。だから登山道脇に多く見られるのだろう。

牧野新日本植物図鑑 p400 1598 きばなのこまのつめ Viora biflora L. すみれ科

(雅熊)

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