ノロシバ沢源頭の岸壁 19年間の変化
投稿日 2025年07月27日


八ヶ岳の青年小屋の上にあるノロシバ付近から見たノロシバ沢源頭部
左:2006年8月の早朝に撮影
右:2025年7月に撮影
もう19年前ですが、2006年に青年小屋から権現岳、旭岳、キレットを経て赤岳へと縦走しました。また、先日同じルートを旭岳まで行ってきました。いずれも青年小屋にテン泊し、翌朝小屋の裏からノロシバめがけて登りました。権現岳へは青年小屋からノロシバ、ギボシと辿ります。最初はシラビソの樹林帯ですが、それを抜けるとノロシバに立つことができます。
そこはもう立場川のノロシバ沢の源頭部で、目の前に八ヶ岳南部の阿弥陀岳や赤岳が展開します。ノロシバは武田信玄の配下がここで狼煙(ノロシ)を上げたといわれています。わざわざここまで登ってきて狼煙を上げたのは、この小ピークに立って初めて、茅野、立科方面が見渡せるからでしょうか。真相はわかりません。
そのノロシバから見ると、ノロシバ沢の源頭には岸壁が切り立っています。2006年も同じところに立って写真を写したので、まったく同じ構図の写真が撮れました。それが上の写真です。
2006年から2025年の19年間で、この岸壁はどのように変化したでしょうか。大きな岩の崩落などがあったのか。植生が変化しているのか。興味のあるところです。

ChatGPTが作った画像そのまま
二つの写真の異なる部分を「RANDSLIDE」と示し、その範囲を色を変えて示している
そこでこの二枚の写真をじっくり見比べてみました。........ ところが岸壁はまったく変化しているところが見当たりません。背後の尾根や手前の木々の枝に少し変化が見られますが、それも微少です。19年も経っているにも関わらず、ほぼ変わっていないと言えるほど変わっていません。これは珍しいことなのか、それとも当たり前なのかよくわかりません。登山をする者なら、大崩落などはできれば起こってほしくないもの。台風の通過などで荒れ果てたり、崩落した斜面を見ると山が泣いていると感じたりするものです。
さていくら見比べても違いが見当たらない二枚の写真ですが、仕方がないのでChatGPTに聞いてみることにしました。二枚の写真を見せて岸壁に違いがあるか問います。ChatGPTは画像解析もできるようですが、それよりは、質問の意図をくんで適切に答えてくれる点が驚きです。最初は言葉で回答しますが、画像で違うところを示せるというので、お願いすると、画像を作って、違う点を指示してくれました。しかも「LANDSLIDE」(地すべり)としてそのエリアも色を変えて示してくれています。
指摘の箇所は岩と岩の間にできた崩壊地。傾斜の急なザレ斜面です。このような場所は上からの落石や砂が堆積する場所で、確かに最も変化の激しい場所と言えます。石や砂がギリギリ滑り落ちないでとどまっている急斜面です。確かによく見ると岸壁の基部に少し変化があり、斜面も細かく変化が見られます。ChatGPTも岸壁の表面には変顔を見つけられなかったようです。岸壁に違いはないかと問うたのですが、ザレ斜面も含めて指摘している点がにくいですね。
山は特別なことが無い限り19年の年月でもほとんど変化しない。そういう実感を得た二枚の写真でした。
(雅熊)