群馬県下仁田町 古嶽山、浅間山、姫街道小坂坂峠
2025年10月29日 晴れ 2名
投稿日 2025年11月01日

群馬県甘楽郡下仁田町 道の駅から古嶽山、浅間山、姫街道小坂坂峠
赤実線:GPS歩行軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)
主な通過時刻:
下仁田道の駅駐車場 8:15
赤津の古嶽山登山口 8:50
古嶽山 9:18
送電鉄塔 9:42
岩場(ロープあり) 10:11
浅間山 10:20
作業道に降り立つ 11:01
県道195号に出る 11:13
小坂坂峠道入口 (小坂坂峠手前)11:22
小坂坂峠(切通) 11:30
馬頭観音4体 11:40
再び県道195号に出る 11:57
不通渓谷鉄橋 12:20
下仁田道の駅駐車場 12:42
総歩行距離 6.9km
総歩行時間 4.5時間
総累積標高 +317m
いつも西上州の山に登るときに通過する下仁田の町。今回はその下仁田の町に近い山、古嶽山(こたけやま)と浅間山(せんげんやま)に登りました。国道254号が富岡をすぎて鏑川(鏑川)にからむように走ると大きく迂回して下仁田町に入っていきます。高崎からここまで伸びてきた上信鉄道は、鏑川の左岸を死守するように、山すそをへつり、トンネルをくぐって下仁田の町に至ります。そんな両岸迫ったあたりに赤津というところがあり、その上方に古嶽山の岩壁がそびえています。この古嶽山は北から延びてきた稜線の南端にあたりますが、途中の浅間山が屏風のような岩壁を秘めた山で、下仁田の町はずれから、その岩壁が認められます。ほとんどの人は気づかないと思いますが。
それに、この山域は富岡の方から下仁田町に入る近道で、昔から姫街道の一部が小坂坂峠(おさかざかとうげ)を越えていました。その小坂坂峠の道は馬でも通れた道のようで、そのためか、道筋には多くの馬頭観音が残っていますし、峠は切通しになっています。昔、天狗党がここを大砲を引っ張りながら通ったとのことです。その峠道と並行するようにあとからつけられた県道195号の道も結構古くからあるようで、峠の近くになる小坂坂トンネルはその古さを物語っているようです。
今回は下仁田の道の駅の駐車場をお借りし、国道254号を歩いて赤津から古嶽山に登り、展望を楽しんだ後稜線を北上して浅間山へ。さらに北上して作業道に降り立ち、さらに県道195号に出てトンネル手前から峠道に入りました。実は姫街道の存在を知らなかったので、そのままトンネルを抜けて千平の不通渓谷(とおらずけいこく)へ向かう予定だったのですが、トンネル手前に姫街道の小坂坂峠入口の標に気づき、予定を変更して、古道を辿ることにしました。残念ながら笹薮にさえぎられて最後まで歩き通すことができず、途中で県道に戻りましたが、多くの馬頭観音に会え、往時をしのぶことができました。
赤津の古嶽山への入り口は林道が奥へと延びる入口のところに小さな道標があります。送電鉄塔の案内杭もあるので、どうやら送電鉄塔の巡視路でもあるようです。登山口から標高差100mくらいを登ります。辺りは落葉広葉樹で紅葉すればきれいだろうなと想像しながら登りました。道は送電鉄塔の近くまで登りますが、古嶽山へはやや左側にトラバースし、再び稜線に戻ったら、先が明るくなり岩の上に出ます。古嶽山の山頂はさらに一段先です。
飛び込み台のような岩の上に出たら大展望が広がります。ここがあの岩壁の上かと思えば感無量です。眼下に車を置いた道の駅の円形の建物。富岡方面、大桁山、鍬柄山、富岡アルプス、遠くに榛名、赤城。近くに稲含山が高くそびえ、小沢岳、四ツ又山、鹿岳など西上州の山々が望めました。
浅間山へは徐々に痩せた稜線になって、浅間山直前に5mほどの岩壁に当たります。ロープがかけられており、スタンスもあるので難なく通過できます。浅間山山頂でひと休みのあと、さらに北上しますが、左下(下仁田町側)は切れ落ちていますので、通過には要注意です。道もザレているのでスリップしないよう慎重に下ります。下仁田の街並みや、上信鉄道の下仁田駅に電車が入っていくのが見えています。
やがて道は左よりに下って、作業道に降り立ちます。落ち葉と小石が混じった歩きにくい道です。県道195号に出たら右の不通渓谷方面へ。前方にトンネルが見えてきましたが、なにやら手前に看板が立っています。見ると姫街道小坂坂峠道の入り口とのこと。計画を変更してさっそく峠道に入りました。あまり人が入っていない感じでしたが、道は明瞭です。峠は切通しになっており、傍らに天狗党が下仁田に入るときに使われた道との説明板がありました。今回行きませんでしたが、峠から赤津へ抜ける道もあるようです。
峠からは緩やかな下りになり、途中、馬頭観音が出迎えてくれます。かわいい馬頭観音に癒されながら下っていくと、すぐそこに県道が近づきます。小さな沢を渡ったあと、笹薮に阻まれて前進できなくなり、やむなく県道に出ましたが、道はさらに先まで続いているようでした。県道に出た後はのんびり農家の畑を見ながら千平から不通渓谷の橋を渡って、道の駅に戻りました。不通渓谷の河原に降りてみたかったのですが、入り口が分からなかったので、橋の上から眺めただけになりました。
お風呂は国道254号を富岡方面に少し走ったところにある大島鉱泉にしました。大正時代からある鉱泉のようで、三代目の主人がほそぼそとやっておられるようです。

道の駅近く国道254号から眺める古嶽山(左の岸壁)と浅間山(右端)
真ん中に送電鉄塔が見える

鏑川を渡る直前で古嶽山の岸壁を見上げる

鏑川を渡り赤津に入ると
小さな道標が古嶽山を示している

古嶽山山頂
眺望は抜群

古嶽山山頂から富岡方面を眺める
右奥の小高い丘陵は富岡アルプス

古嶽山山頂から
鹿岳と四ツ又山を眺める

浅間山手前の岩場
5mほどの岸壁にロープがかかっている

浅間山山頂
ここからも鹿岳と四ツ又山が見えた

浅間山付近から下仁田の街並みを見下ろす

県道195号小坂坂トンネル手前の姫街道小坂坂峠の入口

小坂坂峠 切通しの手前にある天狗党の説明板
小坂坂峠の道は天狗党が大砲を携えて下仁田に入るために使われた

途中にある馬頭観音4体
馬が歩ける峠道だったようだ

馬頭観音4体のうちのひとつ
木漏れ日を受けるかわいい馬頭観音
くちびるがくっきり刻まれている

峠道が終わり再び県道195に出て、上信鉄道の横を歩く
(雅熊)

