基幹送電線 新秩父線の鉄塔68~73号と巡視路案内杭の位置
投稿日 2024年11月15日
基幹送電線 新秩父線
送電鉄塔67号から73号と巡視路案内杭の位置とその指す方向
(巡視路のルートは未確認)
篠戸尾根(仮称)と昌福寺尾根(仮称)上の赤実線は歩行GPS軌跡
秩父の山中にも多くの送電線が張られており、いくつもの送電鉄塔が目立ちます。一般登山道を歩いていても、またバリエーションルートを歩いていても、たびたび送電鉄塔の基部を通過することがあります。各送電鉄塔にはそれを巡視するための巡視路が設けられており、山内には巡視路を案内する案内杭(多くの場合プラスチック、またはL型の金属製でいずれも黄色)が打ち込まれていることがあります。巡視路は多くの場合登山者が利用することはありませんが、バリエーションルートを辿ることをよしとする者にとっては、興味のある存在です。
今回は秩父の浦山から安谷川(あんやがわ)水系の東側を通過する基幹送電線 新秩父線の送電鉄塔67号から73号と巡視路案内杭を調査する機会がありましたので報告することにしました。ただし、案内杭は目にしたものだけで、同じ鉄塔を案内するものは省略しています。次の鉄塔への巡視路の入口にあるもののみと考えてください。
送電鉄塔67号から73号は以下の位置にあります。地図上の赤丸マークです。
送電鉄塔67号:浦山ダムさくら湖の左岸林道の途中 フナイド尾根の下部 案内杭はフナイド尾根取り付き点(地図上のH)
送電鉄塔68号:フナイド尾根から派生する枝尾根の途中 案内杭は送電鉄塔69号の基部(地図上のG)
送電鉄塔69号:クタシノクビレの上 案内杭はクタシノクビレ付近(地図上のF)
送電鉄塔70号:大反山西面の伐採地 案内杭はクタシノクビレ付近(地図上のF)や昌福寺尾根派生部(地図上のD)
送電鉄塔71号:昌福寺尾根の上部 案内杭は昌福寺尾根派生部(D)や篠戸尾根上(地図上のC)
送電鉄塔72号:篠戸尾根の中間部 案内杭は明ヶ指 たまご水への林道脇(地図上のA)
送電鉄塔73号:宗屋敷尾根の末端 案内杭は明ヶ指 たまご水への林道脇(地図上のA)や送電鉄塔72号付近(地図上のB)
以上から、各鉄塔間の巡視路のルートは以下のように予想されます。
送電鉄塔67号へは、フナイド尾根取り付き点から地図上の破線を辿る。(手前に奥秩父線7号鉄塔がある)
送電鉄塔67号から68号間:67号からフナイド尾根を少し登り、途中から枝尾根を下降する。
送電鉄塔68号から69号間:68号から送電線の下に沿うように沢筋を渡り、隣の尾根を登る。
送電鉄塔69号から70号間:一般道でクタシノクビレから大反山西斜面へ。伐採地を70号に向かって少し下る。
送電鉄塔70号から71号間:伐採地の一般道に戻り、昌福寺尾根を下りて途中から71号に向かって下る。
送電鉄塔71号から72号間:71号から事上沢に下りて対岸を登り返して篠戸尾根に出たら少し下る。
送電鉄塔72号から73号間:72号の少し上から明ヶ指に向かって下る。秩父林道に出て73号へ。
これらの送電鉄塔間の巡視路がどのようなルートで付けられているかは今のところ不明です。後日実際に歩いて調査したいと思います。
以下は各案内杭の現地での様子です。
新秩父線送電鉄塔67号巡視路案内杭(地図上のHの位置)
奥秩父線送電鉄塔7号も兼ねている
フナイド尾根末端にある
浦山ダムさくら湖左岸道から撮影
巡視路はネット柵に沿って右上に上がっている
新秩父線送電鉄塔68号巡視路案内杭(地図上のGの位置)
送電鉄塔69号のすぐ傍にある
下に送電鉄塔68号、67号が見えている
新秩父線送電鉄塔69号巡視路案内杭(地図上のFの位置)
不明瞭な一般登山道の途中 樹林の中
近くに70号の案内杭もある
新秩父線送電鉄塔70号 71号巡視路案内杭(地図上のDの位置)
大反山西面の植林帯の一般道にある
70号と71号の中間にあり、赤矢印が互いに逆方向になっている
新秩父線送電鉄塔71号 72号巡視路案内杭(地図上のCの位置)
篠戸尾根上 72号鉄塔から数分登ったところにある
71号へはここから事上沢へと下ってゆくようだ
新秩父線送電鉄塔71号 73号巡視路案内杭(地図上のBの位置)
篠戸尾根上 72号鉄塔のすぐ傍にある
73号へはここから明ヶ指へと下っているようだ
71号へはもう少し尾根上を辿ってCへ
新秩父線送電鉄塔72号 73号巡視路案内杭(地図上のAの位置)
昌福寺から明ヶ指、たまご水に至る林道の途中にある
72号への登り口はもう少し林道を歩くものと思われる(登り口は未確認)
73号へは安谷川を渡って対岸の宗屋敷尾根に取り付くと思われる
使用されている送電線網の送電鉄塔巡視路は定期的に巡視員が歩いているものと思われますが、不明瞭であったり、危険な箇所もあるので、一般的な登山では使用しないほうがよいでしょう。ただ、その存在を知っていればエスケープルートとして使えることが期待できます。
浦山広河原谷の送電鉄塔については、以下を投稿しています。
(雅熊)