群馬藤岡 関東ふれあいの道で小梨峠、小梨山、亀穴峠

2025年01月06日 曇りときどき晴れ 3名

投稿日 2025年01月08日

群馬県藤岡市 鮎川沿いの県道 上日野 鹿島から関東ふれあいの道で小梨峠、小梨山に寄り、
稜線上を亀穴峠まで歩き、矢掛に下る
赤実線:GPS歩行軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)

主な通過時刻:
県道路肩の駐車地 08:40
鹿島の関東ふれあいの道入り口 08:52
小梨峠 10:06
小梨山 10:42
小梨峠 11:24
P671 12:04 (昼食)
裡山 12:54
亀穴峠 13:41
矢掛(県道に出る)14:36
県道路肩の駐車地 15:00

総歩行距離 10.0km
所要時間 6.5時間

駐車地上日野の鹿島と矢掛の中間点にある路肩を利用
鹿島から小梨峠は関東ふれあいの道でやや幅狭で傾斜のきつい林道がつづく
小梨峠で関東ふれあいの道を捨て、小梨山へ向かう。
小梨山までの間に露岩がありロープが掛けてあるが、上部の岩面に足がかりが少なく要注意。
岩面を降りても露岩の斜面が続くので気を抜かない。
小梨峠から亀穴峠までは多少アップダウンがあるが自然林で快適
亀穴峠から矢掛までは、上部の古い道形が消えかけている。下部は作業道を拾う

昨年末から晴天続きの関東。天気予報に晴れマークがまだ続きそうな年明けですが、なぜか6日だけは傘マークが!ただし雨は午後3時か6時ごろからのようなので、歩いている時間は大丈夫だろうと出かけました。結果的には午後3時ごろまで晴れ間ものぞく天気で、なんとか出かけて正解でした。

今回の山は峠の多い群馬でも、狭い範囲に多くの峠が点在する藤岡市と甘楽郡、多野郡の山域の一部です。神流川流域や今回の鮎川の流域、三波川流域に点在する山里と、鍋川の流れる甘楽の小幡や富岡、吉井とを結ぶ多くの峠があります。やや地味な山域で、御荷鉾山と赤久縄山以外は知る人ぞ知るというような山域です。小梨峠や亀穴峠と言っても聞いたことが無い人がほとんどでしょう。この地味な山行に付き合ってくれたのは山仲間の熊谷の二人です。

藤岡市の鮎川湖をかすめ、鮎川沿いの県道で上日野へと車を進めます。のどかな山里ですが、なかなかの冷え込みです。地図上に鹿島とあるところを通過して左に鮎川にかかる橋を見たら、右にコンクリートの護岸があってその下の路肩が少し広くなっています。今回はそこに駐車しました。入山口の鹿島と下山する矢掛のほぼ中間地点です。

駐車地からは西御荷鉾山とオドケ山が見えています。身支度を整え出発。鹿島へ300mほど戻ります。鹿島のバス停の手前に細道が左へ入っています。角には石仏群。石仏の下の古い道標は関東ふれあいの道、芭蕉句碑と読めます。のどかな民家の間を登っていくと養浩院の立派な鐘撞堂を兼ねた山門が見えてきます。その手前に芭蕉句碑が建っています。「志ばらくは花のうえなる月夜かな 青荷書」と刻まれているようです。この辺りに多い緑泥片岩の大きな石碑です。

道はやや細くなって簡易舗装で奥へと続きます。途中稲荷社を見て、いつしか砂利道になった林道が小梨峠まで続いていました。小梨峠には馬頭観音がひっそりと立っています。小梨峠は万場と甘楽の吉井町をむすぶ重要な峠だったとのことです。標高は584m。峠から一旦ルートを外れて小梨山へ向かいます。馬頭観音の後ろに入りますが、あまり踏まれておらず、落ち葉や倒木、藤のつるなどでやや荒れ気味です。途中の下り面に露岩があります。ロープが掛けてありますが、足場がとりにくい岩で、岩の下も露岩の急斜面なので要注意です。帰りは当然上りになります。小梨山には二等三角点「網掛」標高709.67mが設置されています。下に鹿島あたりの民家が見えています。なぜ点名が網掛なのかわかりません。

小梨峠に戻って対面の斜面を登ります。すぐに緑泥片岩の石板を一対もつ石祠を見ます。最初踏み跡は薄く落ち葉のすべりやすい急斜面です。急斜面をやや右側から回り込んでピークを拾うと平坦になり緩やかなアップダウンでP671へ続きます。日が差してきて暖かそうだったので、南斜面で昼食にしました。さらに稜線を進むと右前方に裡山(うらやま)が見えてきます。落ち葉の斜面を登ると「山」の石柱があり、ルートから外れて右に少し登ると裡山です。ここには三等三角点「裡山」標高699.66mがあります。展望はありません。三角点の傍に「摩利支尊神」と刻まれた緑泥片岩の石碑があります。

「山」の石柱にもどって亀穴峠に向かいます。道はやや右曲し、降り立ったところが新屋峠(にいやとうげ)です。この峠ははっきりした道形が交差しています。上信電鉄の上州新屋駅辺りに通じる峠として命名されているのでしょうか。別名鳥屋峠(とやとうげ)とも呼ばれるようです。新屋峠からひと登りで小さなピークに立ち、そこから少し下ると峠のような場所に降り立ちますが、そこは亀穴峠ではありません。亀穴峠はその先の目立たない尾根上です。小さな看板があるのでわかります。古い道形はそこから鋭角に新屋峠の下方向に下っています。杉の落ち葉や落ち枝に隠れているわずかな踏み跡を拾いながら歩きます。自然林に出ると落ち葉が深いですが、道は幅が広かったようで、よく見ると落ち葉の面に道形が分かります。新屋峠の斜め下あたりに、「左小幡...、右新屋...」と刻まれた石標があります。ここで小幡に向かう人は亀穴峠を。新屋に向かう人は新屋峠を越えたようです。下る道はなおも落ち葉の下で不明瞭ですが、国土地理院地図の破線の上を忠実に辿ります。途中から作業道になり、そのまま矢掛まで下ります。矢掛で県道に降り立ったら、駐車地に戻ります。

お風呂は猪の田温泉、八塩温泉と車を走らせましたが、年明けでお休み。結局神川町の白寿の湯に寄ることになりました。峠を味わうという意味では、その本来の役割を知る上で古い道形を拾って、麓の里から向こう側の里へ越えてみるのが本来ですが、アプローチの便を考えるとそれはなかなかできません。できれば昔の人の気持ちに寄り添いながら万場から小幡、吉井辺りまで投石峠、温石峠(おんじゃくとうげ)、小梨峠、または亀穴峠と越えてみたいものです。

鮎川沿いの 鹿島と矢掛の中間にある路肩に駐車
駐車地から西御荷鉾山(左)とオドケ山(小さなピーク)を眺める

鹿島の関東ふれあいの道小梨峠への入口
石仏群
道標は芭蕉句碑を示している

芭蕉句碑と養浩院
きつい石段の上に鐘撞堂を兼ねた山門がある

関東ふれあいの道を小梨峠へ向かう
小梨峠までは狭い林道が続いている
簡易舗装から砂利道となる 傾斜はわりときつい

小梨峠
関東ふれあいの道は牛伏山方面(前方)へと続いているがここで捨てる
右(看板の後ろ)は小梨山方面
看板の後ろに馬頭観音がある

小梨峠の馬頭観音

小梨峠から小梨山までの尾根上途中に岩場がある
小梨山方向には下りになる。
古い固定ロープがかかっている
岩は足場が少ないので要注意 降り立っても傾斜がきついので気を抜かない

小梨山山頂
二等三角点「網掛」標高709.67m
下方に鹿島あたりの民家が見えた

P671付近から御荷鉾山、オドケ山、赤久縄山(中央)方面を眺める
稜線はこのように自然林で明るい

裡山(うらやま)
稜線から少し北側に外れたピーク
三等三角点「裡山」標高699.66m
緑泥片岩の摩利支尊神の石碑がある(表面は向こう側)

新屋峠
明確な道形がまたがっている

亀穴峠
あまり峠を思わせない地味な場所
ここから矢掛へ下る古い道形がうっすらと下っている

落ち葉に覆われた古い道形
幅2mくらいの道のようだ(昔よく踏まれていたのだろう)

途中で作業道を拾う
これを下れば矢掛

(雅熊)

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