胡桃平から赤岩峠、赤岩岳往復

2023年05月03日 晴れ 3名

投稿日 2023年05月05日​

高反山(上野村)から眺める両神山山塊(一年前の2022/05/03撮影)
右に大ナゲシ
大きな鞍部が赤岩峠で、その左が赤岩岳
左へ鋸刃状の赤岩尾根がつづき両神山へとつながる

今年は三月に一度暖かくなり、桜の開花が早くなりました。それもあってか新緑も早く進んでいるような気がします。五月上旬、新緑(新芽が出始める)は1500mを越えているようです。毎年数100mの低山から始まって、徐々に高い山へと登って新緑を長く楽しむのですが、今回は、1570mの赤岩岳に登りました。

​赤岩岳は群馬県多野郡上野村と埼玉県秩父市の県境にある山です。今回は群馬県側から登ったので上州の山としました。

​赤岩岳にした理由は、その群馬県側の登路である野栗沢源頭部の美渓の新緑を見たかったからです。この辺りの山は固いチャートで構成されており、非常に美しい沢筋を形成しています。見上げるような岩壁と、通過を阻む岩稜。V字に切れ込んだ谷に、清らかな水が岩面を舐めています。非常に美しい山域です。

​国道299号線を走って群馬県多野郡の上野村に入りました。山また山の山村です。神流川(かんながわ)から分かれて野栗沢川に沿う道に入りました。谷合の数件の集落。野栗沢から奥へ進むと胡桃平(くるみだいら)。更に林道を進んで堰堤の手前の終点のせまい駐車スペースに車を停めました。

​そのまま奥へと続く沢沿いに入ります。少し歩くと二つ目の堰堤があり、そこから山路になって、野栗沢川の源頭部へと入って行きます。何度も渡渉を繰り返し、心細い踏み跡を古い赤テープやリボン、小さなケルンを目印に進みます。美渓の新緑が見事です。

​足場パイプで組んだ橋を渡って少し登ると「二俣」です。ここで本流から離れて枝沢に入ります。少し枝沢を歩いて、道は徐々に尾根を登っていきます。再び沢音が聞こえればそこは本流の源頭部。大きな岩壁の基部をへつり、小尾根に乗ると、そこには、「赤岩峠自記雨量感触所」の看板があります。「大ナゲシ、赤岩峠」を示す道標もかかっています。ここまで登ればもう一息。電光に登って行けば赤岩峠です。石祠と倒木の根っこが横たわる峠です。大ナゲシも間近に見えています。

​赤岩峠で一息ついて荷物をデポし、目の前にそびえる赤岩岳に向かいました。少し赤岩岳に向かって登り、すぐに左へ斜面を斜め上に薄い踏み跡を辿ると、チムニー状の暗い斜面があります。急なガレの斜面を登って鞍部に出ると右上が岩稜で赤岩岳に続きます。左は少し登れば「熊の昼寝岩(仮称)」です。

​赤岩岳へは三級程度の岩登りですが、短く、下降も問題ありません。岩場を過ぎると樹林の急斜面が山頂まで続いています。赤岩岳山頂は狭い岩壁の上です。間近に大ナゲシ。群馬南西部の山々。遠くに八ヶ岳、浅間山、北毛の山々、北アルプスなどの大展望です。木々の新芽は出たばかり。まだ「ヤシオツツジ」もきれいに咲いていました。

​鞍部に戻って熊の昼寝岩に登り返し、先ほど登った岩稜を眺め、ピンク色に染まった赤岩岳北面の眺めを堪能しました。チムニー状を下って赤岩峠で昼食をいただき、来た道を戻りました。

​私はこの名栗沢川源頭部は屈指の美渓と思っています。多くの人はこの沢を登って「大ナゲシ」を楽しむようですが、我々は何度も登っているので、今回は赤岩岳往復にしてみました。沢筋の道は不明瞭な踏み跡で、慣れない人は道から逸れて危ない斜面に入り込んだりするかもしれませんので注意が必要です。​沢筋の道は不要な高所のへつりなどをなるべく避け、水流沿いにルートが無いかをまず見極めることが必要です。幸いこの沢には大きな滝の危ない高巻などはありません。

群馬県多野郡上野村野栗沢 胡桃平から赤岩峠、赤岩岳往復
胡桃平奥の林道終点に駐車
赤実線:歩行GPS軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)

​主な通過時刻:
駐車スペース(堰堤、橋の手前) 8:10
作業道終点(二つ目の堰堤) 8:22
二俣 9:05
赤岩峠自記雨量観測所の看板 10:29
赤岩峠 10:47
チムニー状の上 11:19
赤岩岳 11:39
赤岩峠 12:38 (昼食)
二俣 14:12
駐車スペース 15:00

​所要時間:7時間
総歩行距離:7.8km​
 

胡桃平奥の林道終点にある駐車スペース(2台)
橋の手前、大きな堰堤がる
他に1,2台駐車可
ここから奥の2つ目の堰堤まで作業道が入っている

道は何度か渡渉を繰り返す
一部ザレの斜面など不安定な場所もある
古い赤テープ、リボン、ケルンが目印

この沢は屈指の美渓
チャートの沢床に水が流れ
新緑が鮮やか

赤岩峠手前の小尾根上に駐車地と同じ道標がある
ここに「赤岩峠自記録雨量観測所」の古い看板がある(右下の窓)

赤岩峠手前から大ナゲシ(右)
左の2つは大ナゲシに続く小ピーク

赤岩
石祠がある
倒木の根っこがアクセント
写真右が赤岩岳、左が大ナゲシ方面

赤岩峠から見上げる赤岩岳
左の小ピークは熊の昼寝岩(仮称)
峠の少し赤岩岳寄りから斜めやや上に進み、昼寝岩の右にあるチムニー状を登る

チムニー状の上から岩稜となる
短い三級程度の岩登り(ロープ等なし)

赤岩岳山頂から眺める西方面
右に大ナゲシ
左上遠くに残雪の八ヶ岳

熊の昼寝岩(仮称)から岩稜を眺める
赤岩岳の岸壁にヤシオツツジが見事

​(雅熊)

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