黒坂石から椀名条山、氷室山、宝生山
2023年03月09日 晴れ 2名
投稿日 2023年03月11日
群馬県と栃木県の県境稜線の目立たない小ピーク。それが氷室山と宝生山です。名前の由来は分かりませんが、昔氷室村という村が存在していたようです。枝を渡る風の音と、鳥のさえずりがたまに聴こえるだけの山深い静かな稜線です。
今回は氷室山と宝生山に、黒坂石(くろさかし)から椀名条山(わんなじょうやま)経由で登ってみました。登山口の黒坂石はわたらせ渓谷鉄道の沢入(そうり)駅から林道を4kmほど入ったところです。バンガローがあり、奥へと続く林道から分岐する林道作原沢入線の辻に「蚕影神社」が鎮座します。
その神社の横に車2,3台置けそうな路肩があるので、駐車しました。この駐車地から斜めに登山道らしき道がありますが、ロープで閉鎖されていました。この道で尾根に取付いている記録もあるようですが、我々は林道を10分ほど歩いた尾根の末端から取り付きました。ここには「椀名条山登山口」と書かれた道標があります。
取付くとすぐに尾根筋に乗り安定します。踏み跡は薄いですが、左(北側)は植林帯。右(南側)は自然林の明るい尾根筋を快適に登ってゆきます。あまり変化のない尾根ですが、やがて椀名条山に登り着きます。樹間からときおり根本山が見えていました。
この尾根は上部の南側が伐採されていますが、鹿ネットが張られ、ある程度植林が進んでいます。まだ未植林の草地もあるので見通しが効きます。三境山でしょうか、三角形のピークや、根本山が見えています。下の方に林道作原沢入線も見えています。
伐採地が終わると幅広の尾根になり、自然林のゆるやかな斜面を登り詰めると県境稜線です。小さな石祠が栃木県側を向けて置かれていました。左にとれば地蔵岳から粕尾峠方面です。我々は右の氷室山方面に向かいました。
氷室山は目立たないピークです。山頂看板がなければ気づかずに通り過ぎてしまいそうです。山頂から更に先に進むと、栃木県側の斜面の下の小平地に氷室神社があります。石祠と石灯篭、石垣等がありました。ここも登山道から一段下がったところなので気づかずに通過してしまいそうです。
そこから小鞍部を経て宝生山はすぐそこです。その小鞍部から沢筋に登山道があり、林道への近道なのですが、我々は宝生山からさらに先に進んで林道に降りることにしました。そこは群馬県と栃木県の県境を林道が跨ぐ場所です。遠望の効く正に天空の林道歩きです。
林道作原沢入線は県境近で通行止めになっていました。群馬県側に下ってゆくと影になる部分がまだ凍結していました。融けた部分を選んで何とか通過できました。もう少し早いと人でも通過がままならないと思います。そんな凍結箇所が6,7か所あり、林道が沢沿いになるところまで降りてくると凍結は無くなりました。しかし、全体的にはきれいに舗装されたよい林道です。群馬県側は通行止めにはなっていませんので、凍結が融ければ群馬県側から県境まで来ることは可能です。中間点の「山神社」を見てさらに歩くと「蚕影神社」が見えてきました。
椀名条山の尾根は全体的に踏み跡は薄いものの、一筋の尾根をたんたんと登る感じなので、登りでは迷うことはないと思います。要所要所に赤布もあります。県境稜線はカラマツの混じる標高1100mほどの樹林で、アップダウンがあまりないので快適です。宝生山から5分ほどで林道に降り立ちます。年にもよりますが、林道の上部は3月中頃まで凍結箇所が数か所あるものと覚悟した方がよさそうです。全体的にはきれいな歩き易い林道です。
群馬県みどり市 黒坂石から椀名条山経由 氷室山と宝生山
林道作原沢入線で下山
赤実線:歩行GPS軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)
主な通過時刻:
黒坂石の駐車地(蚕影神社横) 8:28
尾根取付き点 8:37
椀名条山 10:31
伐採地上部 11:00
県境稜線(石祠) 12:01
氷室山 12:12
宝生山 12:40 (昼食)
林道作原沢入線に降り立つ 12:59
山神社 14:29
黒坂石の駐車地(蚕影神社横) 14:54
所要時間:6時間28分
総歩行距離:13.8km
蚕影神社横の駐車スペース
2,3台駐車可
左上に向けて道(赤矢印)があるが、入り口がロープで封鎖されていた
駐車地から10分ほど歩いて尾根の末端に着いた
赤線のように登って尾根筋に乗った
「椀名条山登山口」の道標が左側(写っていない)にある
左(北側)が植林帯、右(南側)は自然林の明るい尾根
歩くのに問題はないが、踏み跡は薄い
椀名条山山頂
三等三角点 点名「椀名条」標高 1051.68m
尾根の上半分は南側が伐採され植林されている
見通しが良い
下に見えるのは「林道作原沢入線」
奥に見える山は「根本山」
群馬県と栃木県の県境
小さな石祠がある
左は地蔵岳方面、右は氷室山、宝生山、根本山方面
氷室山
県境稜線上の一小ピークにすぎない
宝生山山頂
三等三角点 点名「宝生山」標高 1154.29m
今回の最高点
宝生山から下ること5分くらいで林道作原沢入線に降り立つ
ここは県境でまだ標高1100mを越えている
左上に通行止めがあり栃木県側に車は下れない
(100mほど栃木県側にもう一か所通行止めがある)
右上への階段の道は根本山方面の登山道
林道から登ってきた椀名条山の尾根筋を見下ろす
広い伐採地があるのが分かる
左奥が椀名条山
林道作原沢入線の上部はこのように凍結していた
なんとか通過できたが、もう少し早い時季だと人間でも通過が難しい
この林道は全体的にきれいに舗装されている
群馬側は通行止めになっていないので、凍結が無ければ車で県境まで行ける
林道の途中にある「山神社」
帰り道、わたらせ渓谷鉄道の「沢入駅」(そうりえき)の前を通過
かわいい駅なのでちょっと寄ってみた
左側にトイレがある
駅舎には郵便局が入っている。駅員は無人
(雅熊)