小峠から源五郎山
2017年03月08日 晴れ 2名
投稿日 2017年03月09日
小峠から源五郎山
この辺りが大峠としたところは、
昭文社の地図では「ホーロク峠」となっている
(国土地理院電子国土地図に情報追加)
今回は熊谷のスコレー 爺 Yさんに同行をお願いして、原三角点のある稜線につながる地味な尾根を登ってみました。
計画では鮎川最奥の里、会場(かいしょ)に近い小峠(ことうげ)から白髪岩近くのピーク 羽毛山(はけやま)までのピストンを予定していましたが、体調不良で源五郎山まで、約半分のピストンとなりました。
この尾根は歩く人のほとんどいない地味な尾根です。この近辺を歩く目的のひとつは白髪岩の原三角点ですが、わざわざこの尾根を登らなくても御荷鉾(みかぼ)スーパー林道から白髪岩に容易に達することができますし、稲含山(いなぶくみやま)からであれば車でかなり高度を稼いでから近づく事が可能です。
この尾根は約4.3kmの長大な尾根で、尾根上に源五郎山(1185m)、大猿山(1332m)などのピークを持ち、小峠(標高約780m)から標高差約600mで稲含山と白髪岩の稜線上にある羽毛山(1377m)に至ります。
尾根の下を流れる鮎川(あゆがわ)は、白髪岩近くの杖植峠(つえたてとうげ)を源頭とし、藤岡市の近くで鏑川(かぶらがわ)に合流する、全長約35kmもの流域をもつ川で、源頭の杖植峠(つえたてとうげ 標高1471m)から鏑川に至るまで、標高差約1340mを流れ落ちる川です。
この鮎川の左岸(北岸)には羽毛山から約20kmもの長い尾根が延びており、その尾根筋には、今回登山口とした小峠のほか、焙烙峠(ほうろくとうげ)、亀穴峠、小梨峠などの峠が並びます。
一方、鮎川の右岸(南岸)は赤久縄山(あかぐなやま)、西御荷鉾、東御荷鉾、雨降山などの標高1000mをゆうに越える稜線が屏風のようにつらなっており、この稜線にも塩沢峠、古峠、秋葉峠、投石峠、石神峠など、多くの峠が並んでおり、この山域は峠の多さでは有数と言えます。
このことから、これらの峠が神流川流域の万場界隈と富岡、吉井とを結ぶ重要な捷路となっていたことが伺えます。つまり鮎川を挟んで峠の二度越えをしていたのです。
佐藤 節さんの「西上州の山と峠」によると下記の様に、小峠に対して、塩沢峠に近い標高1213mの辺りを大峠(おおとうげ)と呼んでいたようで、持倉から大峠を越えて一旦鮎川の会場に降り、登り返して小峠を越え、雄川沿いに富岡まで出ていたようです。
「塩沢峠の西いくばくもなく標高1213メートルの大峠がありますが、山肌にしがみついて生活するこの奥地の人々は、この峠を越えていったん鮎川に下り、登り返して760メートルの小峠越えをするそんな自然の厳しさを、課せられた環境にして、忍耐強く山住みしてきたのです。二つ越える峠の、小さい方を小峠、大きい方を大峠と、その高さをそのままに呼びならわして---。」
通過時刻
小峠 7:50
テレビアンテナ 8:17
源五郎山 10:15
小峠 12:00
熊谷から関越、上信越道と走って富岡ICで降り、小幡から雄川沿いに山合いに入ります。右上に中学校を見て、那須の集落で稲含山への道(分岐にトイレがある)を分けて左へ橋を渡ります。道は舗装されていますが細いところもあり、対向車に注意しながらヘアピンカーブを数回通過したら、大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)のある小峠(ことうげ)です。
小峠 大山祇神社の社
奥は藤岡市 手前は甘楽町
突き当たり右は会場へ 左は藤岡市へ
右が取り付いた尾根の末端 表示板あたりから上へ
大山祇神(おおやまづみのかみ)は山の守り神のようだ
小峠を越えるとすぐ下に会場の集落があります。また小峠からは藤岡方面への長い道も延びています。神社の前に小スペースがありますが、下に釣り堀?があるらしく細道が降りていますので、出入りの妨害になるといけないので使わず、手前の少し広い道路脇に駐車しました。
目的の尾根はこの小峠まで降りてきているのでその末端から取りつきました。傾斜がきついのですが、よくみると踏み跡が上に延びています。車を停めたところからの方が傾斜が緩いようです。
尾根の途中から
遠くに御荷鉾山と1310mのピーク
全く踏まれていませんが、藪は無く、落ち葉を踏みながら登って行きます。最初は目印等はありません。我々のように尾根末端から取りつかず会場から尾根の途中に登る例が散見されます。やがて小ピークに会場の民家のものと思われるテレビの受信アンテナがあり、榛名山の群馬放送局の方を向いています。
尾根筋はところどころ広く、凹凸があって複雑なところもありますが、総じてわかりやすく、忠実に尾根筋を拾っていきます。ただ、左側の植林帯には杣道と思われる道が何筋も通っており、それに惑わされないようにしなければなりません。
源五郎山の基準点
標高1185m
次のピークを越えると、源五郎山への急斜面になります。この辺りには赤ペンキが境界杭(甘楽町と藤岡市との境界)目印として派手に塗られています。登りはじめから気になっていた胸の痛みがなかなか治らず、ゆっくりゆっくり源五郎山を目指しました。源五郎山には基準点が埋設されていました。標高は1185mです。残念ながら目指す羽毛山などの展望は利きません。
この尾根は概ね自然林で美しいですが、夏季などは葉が生い茂ってまったく眺めは期待できません。今回は新緑の前とあって、遠く富岡や関東平野の北部、稲含山、御荷鉾山、赤久縄山に至る稜線や1310mのピークなどが見えていました。
源五郎山からは送電鉄塔を通過して、大猿山、小猿山を経て羽毛山に至りますが、源五郎山からはこの光景も樹林に邪魔されて見えませんでした。
体調がよくならないので、源五郎山から折り返し、小峠に戻ったのは、12時丁度。源五郎山往復 4時間ほどの登山でした。
お風呂は甘楽町総合福祉センター かんらの湯にしました。
体調不良は、この時期の花粉症対策として鼻炎薬を服用していたことによる影響と思います。以前から急に登り始めると胸が痛くなる現象があったのですが、1時間も登っていれば自然に治りました。今回鼻炎薬服用の影響でそれがなかなか治まらなかったと考えています。鼻炎薬を飲んでいると、自分ではわからないかも知れませんが、体は半分寝ているようです。そこに急に激しい運動をすると、このような症状がなかなか治まらないような身体的影響が出るようです。あくまでも私見ですが。
(熊五郎)
コメント(2)
- 体には気を付けて山をたのしまれるように。娘の病気で、自己判断の怖さを感じています。 (agewisdom) 2017/3/9(木) 午後 6:03
- > agewisdomさん もう年なので注意しなければなりませんね。(熊五郎) 2017/3/9(木) 午後 8:12