奥名郷 北尾根からの大山と焼山 

2016年06月04日 晴れのち曇り 3名

投稿日 2016年06月05日

関東の梅雨入り前日、6月4日に上野村奥名郷の大山と焼山に登りました。

いつもの熊谷のYさん、Aさんと3人です。

林道からの大山(北尾根)
赤線は登高ルート
下山時、林道から撮影

大山(おおやま)には一般道からも登れますが、今回は北尾根のルートをとりました。ルート中の一般道は大山と倉門山(くらかどやま)間のみで、他はすべてバリエーションルートです。一般ハイカー向きではありません。焼岩と焼山は名前が似ていますが、今回通過したのは焼山(やけやま)です。

奥名郷 天丸橋から北尾根を大山、倉門山、焼山、山吹峠、林道の周回ルート
通過のポイントは北尾根の急斜面、県界尾根焼山手前の岩稜帯
(国土地理院電子国土地図をカシミール3Dでカットし情報追加)

通過時刻
天丸橋駐車場 8:28
北尾根ルート分岐 8:34
小尾根の鞍部 09:05
焼岩展望台 09:33
大山山頂 10:38 - 10:57
一般道合流点 11:16
倉門山 11:25
岩稜帯 12:00
焼山 12:12 -(昼食) - 12:30
山吹峠 12:58
天丸トンネル近くの林道 13:36
太尾トンネル 13:53
天丸橋駐車場 14:30

標高差と距離
天丸橋 1015m 大山山頂 1540m 北尾根標高差 525m

総歩行距離 約6.5km

今回のルートのポイント
○大岩北尾根の焼岩展望台から上の急斜面の登高(危)
○倉門山から焼山間の県界尾根にある岩稜帯の通過(危)
○山吹峠から天丸トンネル入り口までの下降(不明瞭)

地名、ピークの名称等は末尾の参考文献に従っています。

天丸橋の駐車スペース前にある一般道の登山口
ここから入ってすぐに踏み跡を拾って左の沢筋へ進む

堂々とした風格ある大山を北から支える北尾根に付けられた樹林の急登が楽しめるルートです。私としては藪山では最高レベルの満足感がありました!

一般登山口を入ってすぐに、左へ踏み跡が入る
大岩の基部から右上の暗い沢筋に入ってゆく

車を天丸橋の脇にある駐車スペースに停め、一般道の入り口から入ります。ほんの数十mで踏み跡が左下の沢の流れを越えて対岸に渡っています。

沢筋から離れて植林帯の斜面をジグザグに登る
比較的明瞭な踏み跡(杣道)がある

踏み跡を辿ると、大岩の基部に沿って右上のやや暗い沢筋へと誘導されます。古くなって目立たないテープ等の目印があり、踏み跡はわりと明瞭です。

植林帯の斜面を登りきると小尾根に乗る
自然林で明るく、気持ちのよいところ

沢奥の植林帯の杣道をジグザグに登ってゆくと明るい自然林の小尾根に乗ります。ここで一休み。この小尾根はそのまま登らず、すぐ上で尾根から離れて左にトラバースして行きます。見落とさないように注意が必要です。

小尾根はそのまま登らず、踏み跡はすぐ上で左にトラバースしていく

踏み跡は左やや上方向に延びています。斜面をトラバースしてゆくと小岩のある見晴らし台があります。ここが焼山展望台のようです。間近に焼岩が迫ります。

焼岩展望台から
間近に迫る焼岩

展望台を過ぎると尾根の急登となり、ところどころロープの垂れさがったかなりの急傾斜をやや強引に登っていきます。樹林なので木の根などのホールドは豊富。ロープに頼らなくても登れます。

樹林の急登が始まる
ここは北尾根下部の急斜面で、何本かロープが設置されている
木の根などのホールドが豊富なためロープを使わなくても登れる

北尾根下部の急斜面を登るYさんとAさん
見下ろすような急斜面です
先を行くものは落石しないよう要注意です

ロープのある急斜面が終わると、やや傾斜がゆるむものの、スリップすれば大怪我間違いなしのような急登が続きます。山頂直下で再び傾斜がきつくなり、ひと頑張りで大山山頂に飛び出ます。

大山はさほど広くはありませんが、北側の倉門山へは少し傾斜が緩むので、さほど高度感がなく、ゆっくりくつろげる山頂です。大展望を楽しみながら恒例のYさんからの差し入れ。今回は道明寺の桜餅をいただきました。

大山山頂 標高 1540m
北東以外は展望が効く

この北尾根は傾斜がきつい分どんどん高度が上がり、登り満足度120%の気持ちのよいルートです。下降に使うのは登りよりも危険度は増すと思いますが、ロープがあるので、問題なく通過できると思います。いずれにせよ全体的に傾斜が強いので、焦らずゆっくり時間をかけて楽しむべきルートです。

大山山頂から両神山方面

大山山頂から隣の天丸山
過去山火事があった山だが、かなり毛が生えてきた!?
右の小さいピークはP3

関連記事: 奥名郷 大山からの眺め

大山山頂は標高1540mです。隣りの倉門山(1572m)より低いのですが、県界稜線から少し離れて飛び出している分、眺めは抜群です。東の焼岩の向こうに大ナゲシとその北西稜、その向こうに赤岩、赤岩尾根、両神山が見えています。西は八ヶ岳が、北側には西上州の山々や浅間山、妙義山などなど。

県界尾根上、焼山手前の岩稜帯
ロープ等は無いため、高度感になれない人の通過は難しい

大山山頂から倉門山は一般道ですが、その大山寄りは岩稜帯のため気が抜けません。一旦鞍部まで下りて天丸橋から上がってきた一般道を合わせます。この分岐点には古い看板が木に張り付けてあります。分岐点から倉門山まで登り返せば、そこは群馬と埼玉の県界尾根です。倉門山が今回ルートの最高点1572mです。

焼山からの大山
左は倉門山
焼山といっても、県界尾根上の一ピークで、小さな岩頭です

倉門山から東に向けて県界尾根を進みます。数年前に枯れたササがまだ林立しています。しばらくすると尾根が痩せてきて岩稜帯となります。

山吹峠 小さな石祠がある
ここから天丸トンネルの群馬側めがけて下る ただし不明瞭
埼玉側の山吹トンネル側にも下れる(こちらのほうが明瞭)

この岩稜帯にはロープ等の補助がないため高度感に弱い人は通過が困難かもしれません。とにかくここは一般道ではありません。この岩稜帯の東端にある岩頭が焼山です。ここは焼岩が派生するピークです。ここで昼食としました。

天丸トンネルから100mほどの群馬側の林道に降り立った
林道はきれいに舗装されている
天丸トンネルの向こう側は埼玉県

焼山からは滑りやすいザレの急斜面を山吹峠まで下ります。意外とこういうザレの急斜面で事故が多いのかもしれません。要注意です。

山吹峠からは埼玉側にも下りられますが、今回は群馬側の天丸トンネル入り口へ下りました。ただしこの下降路はほぼ消えています。我々はしばらく踏み跡を辿りましたが、右下方に降りてしまい小尾根の末端が切れ落ちていたため下りられず、登り返して再度踏み跡を拾いました。この下降路は慌てて下らず、左へ左へトラバース気味に進むのがポイントです。下降路のある沢は下部が少し荒れているため真っすぐには下りられないためです。山吹峠から埼玉側の山吹トンネル入り口までは踏み跡が明瞭で短かく安全です。その場合は林道に降り立ったら山吹トンネルと反対方向(左)にとり、天丸トンネルを抜けて群馬側に抜けてもさほど時間がかからないと思います。

この一帯の山に登るときは、野栗沢のすりばち荘前にある、ふるい公衆電話ボックスで登山届(といってもノートに書くだけ)を出すことをお勧めします。

今回お風呂は国道299号に出て、ヴィラせせらぎ(600円)でさっぱりしました。きれいなお風呂で、混んでおらず安くてよいお風呂でした。

参考:

昭文社 山と高原地図「西上州」

山と渓谷社 藪岩魂 ハイグレード・ハイキングの世界 内田鍈一著

(熊五郎)

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