下仁田 金剛萱
下仁田 金剛萱 2016年1月16日 晴れ 3名
投稿日 2016年01月18日
群馬県甘楽郡下仁田町の金剛萱(こんごうがや)に登りました。一風変わった名前の山です。
月火は積雪の荒天となるとのことでしたが、土曜日の16日はまだ天気がもちそうでした。
熊谷のYさん、Aさんをお誘いして出かけました。
群馬県甘楽郡下仁田町 金剛萱付近
(カシミール3Dで作成 情報追加)
金剛萱は山自体は小さく、3時間ほどで登って降りてこられるような山ですので、今回は麓の青倉小学校跡の下仁田町自然史館と国道254号沿いの中小坂にある下仁田町歴史館(下仁田ふるさとセンター)に寄ることにしました。お風呂は荒船の湯にしました。
登る計画をたてた時は、ネットの情報から石祠や石仏が多い山であることを知り、一度見に行きたいというのが動機でしたが、自然史館や歴史館を訪れることにより、下仁田が如何に文化歴史、地質、産業産物などにおける興味深い土地であるかが分かり、金剛萱登山が下仁田を知るきっかけになったことはとてもラッキーなことでした。
下仁田ジオパークのパンフレット
下仁田地域の地質地形的特徴と見学ポイントが案内されている
下仁田町ふるさとセンター歴史民俗資料館のパンフレット
下仁田の歴史、産業、生活などの資料展示が案内されている
養蚕のカイコの卵を冷蔵保存する荒船風穴、中小坂の鉄鉱山、下仁田戦争、ジオパークで名乗りを上げようと頑張っている下仁田の特異な地質地形、金剛萱でも見つかっている3万年前の石器。特産のコンニャクや下仁田ネギなどなど。とても興味深いものばかりです。
それらを、それぞれの研究者の方々が資料を作成、製本し、熱心に小学生や観光客などに指導や案内をされている様子が伺えます。下仁田に来られた際にはぜひ下仁田自然史館、下仁田歴史館を訪れてみることをお勧めします。
下仁田自然史館で購入した冊子
下仁田地域の地形、地質に関する詳細な資料と金剛萱出土の石器に関する資料
下仁田周辺の山に登る前に読んでおくと登山がより楽しくなりそう
さて、金剛萱へのアクセスですが、上信越自動車道の下仁田ICを降りて、下仁田市街から南牧村方面へ進みます。左に青倉川沿いの道に入り、すぐに右側に青倉小学校跡の自然史館を見て、さらに走れば清水の鹿の湯橋があるので渡ります。すぐ先は白石工業の石灰鉱山ですが、青倉川の水は濁りが無く清らかで、鉱山があることを感じさせないところが、日本人の感性でしょうか。
橋から先は細い林道になりますが、すこし登った奥のところに駐車地があります。
駐車地で身支度をして出発。ここからも林道が続きます。林道を忠実に歩くとかなり上のほうで左右に分かれるので、看板の指示通り右に入ります。しばらく歩くと下に小屋が見えて、下から道が上がってきて合流しますが、林道は先に続いています。ここで林道を行かず左上の尾根に取りつきます。赤テープがありますが見落とさないようにします。(金剛萱は林道だらけですので、適当に林道を歩いてもつながっている可能性はありますが)
尾根には道らいしものは無く、わずかな踏み跡の急斜面をがむしゃらに登ります。すこし尾根が痩せてきて、右(南面)が切れ落ちるようになってきたら最初の石仏(不動明王)があります。更に登れば、なんでこんなところにと思うような斜面に石仏が現れます。木が伐採された可愛い山頂には、石祠が多数と、石仏が数体あります。みんな思い思いの方向を向いています。
金剛萱山頂からの眺めは雄大です。標高が低い割には眺めがよく、すぐそばの小沢岳、遠くに白く八ヶ岳の上部(白くなっていないと気付かないでしょう)、鹿岳、四ッ又山、荒船山、浅間山、鼻曲山、浅間隠山、榛名山、吾妻連峰、榛名山、赤城山、稲含山などなど。眼下は下仁田の町や富岡市です。
南側が御荷鉾の稜線が高いため秩父方面の山は見えませんが、杖植峠、八倉峠、日影山、白髪岩などが望めます。
山頂からの眺めは、下仁田 金剛萱からの展望 をご覧ください。
山頂は南側が切れ落ちた絶壁です。一応トラロープが張られていますが、狭い山頂で展望に気をとられていると滑落してあの世行きとなりそうです。
下山は山頂から東に延びる痩せ尾根を辿り、隣のピークとの鞍部から小河原(大畑)方面に降りました。この下降点には道標があります。すぐ下のコンニャク畑跡に向かって降りるような感じです。コンニャク畑跡近くで林道になり、石器の発掘跡を見て、ひたすら林道を歩くと大畑に出ます。青倉川を渡って道路に出ると大畑のバス停です。そこから鹿の湯橋まで歩いて駐車地に戻りました。半日でゆっくり楽しめる周回ルートです。
下仁田 金剛萱 標高788m
実際の歩行経路(GPS軌跡)
(国土地理院の電子国土地図をカシミール3Dカットし、
YamaNaviで軌跡描画。更に情報を追加)
通過時刻
駐車地 8:40
看板のある林道分岐点 9:18
尾根取りつき点 9:25
最初の石仏(不動明王) 9:54
金剛萱山頂 10:15 - 昼食 - 10:50
大河原への分岐点 11:00
廃作業小屋 11:15
大畑 12:00
鹿の湯橋 12:13
駐車地 12:21
歩行距離 約8km
青倉川から見た金剛萱
(下山後に撮影)
清流青倉川と山村ののどかな風景
鹿の湯橋
(下山後に撮影)
この先の林道を少し登れば駐車地がある
駐車地
大きな排水管や工事資材が置かれている
ここで林道が分かれるが、右に入る
看板があるので助かる
右下に古い小屋があり下からの道が合流する
林道は先にも続くが、ここで尾根に取りつく
赤テープがあるので見逃さないようにする
ここから急斜面の尾根となる
急斜面をがむしゃらに登っていくと幾分尾根が痩せ右が崖になるあたり
最初の石仏 不動明王
炎の光背が赤く塗られてたのがわかる
二番目の石仏(石像)
普元行者像
1807年(文化四年)
(金剛萱遺跡研究会編著 冊子 金剛萱に急石器時代を探るより)
三番目の石仏(石像)
役の行者石像神変大菩薩
1866年(慶応二年)
(金剛萱遺跡研究会編著 冊子 金剛萱に急石器時代を探るより)
四番目の石仏
不動明王
金剛萱山頂
石祠が多数、石仏数体
この時期は木々が葉を落とし特に展望がよい
東を向く石仏2体
右は大日如来
1866年(慶応二年)
(金剛萱遺跡研究会編著 冊子 金剛萱に急石器時代を探るより)
金剛萱山頂から
左に鹿岳
見にくいが鹿岳の手前に四ッ又山
右奥に浅間山
金剛萱山頂から
妙義山
山頂から下仁田の町や富岡市を見下ろす
小河原、大畑方面への道が分岐する鞍部
ここで尾根を外れて左下のコンニャク畑跡方面に下る
真っすぐは栗山方面の隣のピーク
廃作業小屋(右奥)
右の道から下りてきた
ここで左の道に直角に曲がる
我々は背側のコンニャク畑跡下の道に少し入り込んでしまった
このあたりは石器の出るローム層
林道をひたすら歩くと
大畑の集落が見えてくる
下山後、下仁田自然史館(無料)に寄り、その後荒船の湯(600円)まで足をのばしてさっぱりしました。更に下小坂の下仁田歴史館(200円)にも寄り、下仁田ICから帰途に着きました。
(熊五郎)
コメント(2)
- 鹿沼で長いこと勤めていたのにコンニャクイモ見たことがないことに気づきました。かんぴょうづくり農家に派詳しいのですが。 (agewisdom) 2016/1/18(月) 午後 4:10
- 下仁田の歴史館にはコンニャク芋や昔の加工道具などの展示がありました。おもしろいですよ。(熊五郎) 2016/1/18(月) 午後 6:49