八ヶ岳 桜平から箕冠山、硫黄岳、峰の松目

2023年07月26日 晴れ 単独

投稿日 2023年07月2​9日​

若いころに何度も登り、ほぼ歩き尽くした感のある八ヶ岳ですが、人気の主稜線から少し離れた、例えば今回の「峰の松目」(みねのまつめ)などは、そこに至るルートとともに登り残していました。今回は、昔歩いたルートの再訪と、その「峰の松目」に寄ってみることを目的に八ヶ岳を訪れました。

「桜平」から入り、オーレン小屋から「箕冠山」(みかぶりやま)、「夏沢峠」、「硫黄岳」、「赤岩ノ頭」、「峰の松目」と歩いてオーレン小屋も戻る周回ルートです。長野県茅野市の「豊平」から別荘地「三井の森」を抜けて山の神手前で「唐沢鉱泉」への道と分かれ「桜平」への砂利林道に入ります。この砂利林道は低速で20分ほどかかる林道ですが、普通車でもスピードを出さなければ腹を擦ることなく走れる道です。細いので、対向車とのすれ違いは苦労するかも知れません。

​その砂利林道沿いには駐車場が下、中、上と三か所あります。下は広いのですが、登山口まで遠く、利用価値は低いと思われます。上は林道末端ですが狭いようです。今回は広くてトイレもある駐車場(中)を利用しました。コの字型の駐車場で真ん中にトイレがあります。60台くらい停められるようですが、連休などは満車になると聞きます。

​駐車場(中)から歩いて15分ほどでゲートがあり、ゲートの手前をさらに入れば駐車場(上)です。ゲートからは一般車は入れませんが、林道は「夏沢鉱泉」まで続いています。「夏沢鉱泉」から先は沢沿いの山道となります。登山道は「オーレン小屋」から「夏沢峠」、「箕冠山」、「峰の松目、赤岩ノ頭」方面の三つに分かれます。今回は「箕冠山」に向かいました。「箕冠山」まではシラビソの樹林で展望はありませんが、高山鳥の鳴き声が美しいところです。「箕冠山」の先で、かなり間近に迫った「根石岳」や「天狗岳」を眺めることができます。根石岳山荘は手の届くような近くにあります。トイレが使えるので、必要なときは便利です。

​「箕冠山」から「夏沢峠」までは東側が切れ落ちた崖沿いの道ですが、緩やかな傾斜で快適です。「夏沢峠」で「オーレン小屋」や東側の「本沢温泉」からの道を合わせます。ちょっと一服して「硫黄岳」までの標高差320mほどの急登に備えます。ガレた斜面を下に「夏沢峠」、「オーレン小屋」、「しらびそ小屋」、「稲子岳南稜」などを眺めながらぐんぐん高度を上げます。振り返れば「箕冠山」の向こうに「天狗岳」が顔を出し、前方の大きなケルンに誘導されて登っていくと広い「硫黄岳」の山頂です。ここで八ヶ岳の南部「横岳」、「赤岳」、「阿弥陀岳」が初めて目の前に現れます。

​パラパラと雨が降って来て、目の前が真っ白になって急いでヤッケをはおりましたが、すぐに晴れて遠望が効くようになりました。「硫黄岳」の爆裂火口壁が目の前です。昼食をとりながら、主稜線を「硫黄岳小屋」へ向かう人々や、「大同心」の立派な姿、横岳の荒々しい姿、雲をまとう赤岳、阿弥陀岳を満喫しました。

​昼食をとていると瞬く間に雲が出てきました。真っ先に隠れるのは赤岳です。硫黄岳からは赤岩ノ頭に下りました。岩場を越えザレた斜面を下ります。遠くに「峰の松目」が待っています。赤岩ノ頭からは赤岳鉱泉やオーレン小屋に下る人がほとんどですが、私は「峰の松目」に向かいました。突然人気が無くなり、寂しいハイマツとシャクナゲの藪をかき分け、ほどなくするとシラビソの樹林に入ります。やや下り気味の尾根筋を「峰の松目のコル」まで約1時間。道ははっきりしています。コルからは少し急登りをやりきれば「峰の松目」の山頂です。展望の無い山頂で、シャクナゲの中にポツンと三等三角点がありました。

​下山はコルにもどり、オーレン小屋からさくら平に戻りました。約15km 8時間半の山旅でした。

長野県茅野市 八ヶ岳南部域西面
桜平からオーレン小屋、箕冠山、夏沢峠、硫黄岳、赤岩ノ頭、峰の松目
赤実線:GPS歩行軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)

主な通過時刻:()は測位距離と標高
桜平駐車場(中) 6:46 (起点 1843m)
夏沢鉱泉 7:42 (1.9km 2069m)
オーレン小屋 8:39 (3.9km 2321m)
箕冠山 9:36 (5.3km 2570m)
夏沢峠 10:10 (6.5km 2432m)
硫黄岳 11:26 (7.7km 2751m) (昼食)
赤岩ノ頭 12:17 (8.5km 2647m)
峰の松目のコル 12:45 (9.6km 2472m)
峰の松目 13:04 (10.0km 2563m)
峰の松目のコル 13:25 (10.4km 2472m)
オーレン小屋 14:11 (11.4km 2321m)
夏沢鉱泉 14:39 (13.0km 2069m)
桜平駐車場(中) 15:14 (14.9km 1843m)

​総歩行距離 14.9km
所要時間 8時間30分

桜平の駐車場(中)
かなり広いコの字方の駐車場。中央にトイレがある
登山口まで15分程度

オーレン小屋
冷たい水がある
左へ「箕冠山」真っすぐ「夏沢峠」、右の沢をまたいで「峰の松目、赤岩の頭方面」

箕冠山
シラビソの樹林の中

天狗岳と根石岳、根石岳山荘
箕冠山の少し先から

夏沢峠と硫黄岳てまえ
昔からヒュッテ夏沢と夏沢山荘の間を抜ける
「オーレン小屋」からの道が合流し、「本沢温泉」への道が下りている

硫黄岳への急登途中から
「峰の松目」と、下に小さく「オーレン小屋」

「硫黄岳」山頂
曇っていたが、瞬く間に晴れてきた

「硫黄岳」から眺める「赤岳」「横岳」「大同心」

「硫黄岳」の爆裂火口壁

赤岩ノ頭に下る途中
​峰の松目

峰の松目への尾根筋
シラビソの樹林​

峰の松目のコル
​オーレン小屋への分岐がある

峰の松目山頂
三等三角点「峰の松目」標高 2567.56m

​(雅熊)

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