三峰神社から雲取山往復
2023年05月17日 晴れ 2名
投稿日 2023年05月19日
パワースポットで有名な埼玉県秩父市の三峰神社の駐車場をお借りし、東京都の最高峰雲取山 標高2017mに登りました。雲取山へは東京都西多摩郡奥多摩町、いわゆる奥多摩の登山口から登られることが多いのですが、埼玉県側からの今回のルートはまぁ言えば裏ルートとなるでしょうか。
その距離は10.7km。往復で21.4kmと20kmを超えるためややハードです。雲取山近くにある「雲取山荘」に泊まればゆったりと楽しむことができると思いますが、今回は日帰りとしました。幸い三峰神社には大きな駐車場があり、トイレや自動販売機も24時間使えます。また夜中じゅう照明も点いているので安心です。その駐車場に前日の夜に着き、数時間仮眠をとって白み始めた早朝に出発すれば、この時季であれば明るいうちに戻って来れます。所要時間は往路6時間30分。復路6時間でした。若い方であればもっと早いでしょう。所要時間、距離等は後述。
三峰神社の駐車場から霧藻ヶ峰までは緩やかな登りを淡々と歩きます。地蔵峠のお地蔵様に挨拶してさらに登れば霧藻ヶ峰の三角点です。ここからは和名倉山(白石山)が立派に見えます。秩父宮のレリーフの前を通過し小屋でいっぷくしました。ここでさらに進むかどうか体調と天気に相談します。ここから先は変な言い方ですが、大気圏外に出る感じです。
霧藻ヶ峰からは自然林の広葉樹の世界となり、尾根筋もやや痩せてきて新緑の中にツツジのピンクが彩を添えています。美しい尾根筋を「お清平」まで下ると「前白岩の肩」までの急登が待っています。一か所クサリがある露岩の尾根筋で、急登ですが問題ありません。段々針葉樹が混ざる世界になってきます。この地域は「秩父多摩甲斐国立公園」の一部であり、動植物保護のための「緑の回廊」が設定されています。登山道は自然観察路となっているので、三峰から雲取山まで200mから500m間隔で道標が建っています。歩いた距離と残りの距離が分かるようになっています。
野鳥の澄んだ声が山中に響きます。苦しい登りですがぐんぐん高度を上げるのは気持ちの良いものです。「前白岩の肩」の辺りで「ヒガラ」がしばらく案内するように1,2mほど先を行きます。かわいいですね。「前白岩」から少し下って登り返すと「白岩小屋」です。荒廃してますが、中の板敷には寝具がありました。小屋近くにテント数張のスペースもありました。
「白岩山」は針葉樹の樹林の中です。少し下れば「芋ノ木ドッケ」の道標がある鞍部です。ドッケとはピークのことですが、なぜか鞍部に道標があります。まぁ、ピークに建てると長沢背稜を通過する人にしか目につきませんので、ココに建てたのでしょうか。
「芋ノ木ドッケ」からは埼玉県側の斜面をトラバースする形で長沢背稜との合流点に向かいますが、このトラバース道には木の階段があり、踏み外すと奈落の底というような斜面もあるので気が抜けません。長沢背稜にでるまでは要注意です。
長沢背稜(ここまで来れば東京都)の道に出れば南斜面で暖かく、明るい道となり、「大ダワ」から「雲取山荘」、そして雲取山山頂へとよい道が続きます。「雲取山荘」の前には豊富な水があります。雲取山の山頂は防火帯の一端でしょうか。地面が露出したピークになっています。そこには一等三角点のほか、明治15年に設置された「原三角点」が健在です。腰掛けたりアイゼンで乗ったりは厳禁です。「原三角点」は雲取山のほかには、下仁田の「白髪岩」。新潟の「米山」にしかありません。大事にしたいものです。
山頂でひと時を過ごしたあと、来た道10.7kmを明るいうちに戻らなければなりません。登山道の途中からは2箇所ほど遥か下に三峰神社が見える場所がありました。「三峰」とは、神社近くの「妙法ヶ岳」(三峰神社の奥宮が鎮座する)、「白岩山」「雲取山」の三座の総称だそうです。(そういえば国土地理院の地図は芋ノ木ドッケ近くに「三峰山」と書いてある)
埼玉県秩父市 三峰神社の駐車場から雲取山往復
距離は片道10.7km
秩父多摩甲斐国立公園、自然観察路、緑の回廊として整備・保護されている
200から500mおきに道標がある
赤実線:GPS歩行軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)
主な通過時刻:
三峰神社駐車場 3:55
炭焼平 5:02
霧藻ヶ峰(三等三角点「桂平」 1523.14m) 5:38
お清平 6:03
前白岩の肩 7:09
前白岩 7:19
白岩小屋 7:41
白岩山 8:07
芋ノ木ドッケ 8:26
長沢背稜合流点 8:46
大ダワ 9:08
雲取山荘 9:34
雲取山山頂(一等三角点 「雲取山」 2017.13m) 10:18 - 10:43
大ダワ 11:45
白岩山 12:56
前白岩 13:44
お清平 14:52
霧藻ヶ峰(三等三角点「桂平」 1523.14m) 15:20
三峰神社駐車場 16:38
総歩行距離 21.8km
登山口(三峰神社駐車場 520円) 標高 1043m
最高標高 2017m 雲取山
所要時間 往路 6時間30分 (3:55発 - 10:22着) 復路 6時間00分 (10:47発 - 16:38着) 計12時間30分
往路の詳細
三峰 1043m > 霧藻ヶ峰 1523m 高差 480m 3.5km 1時間44分
霧藻ヶ峰 1523m > お清平 1442m 高差 -81m 0.8km 25分
お清平 1442m > 前白岩 1776m 高差 331m 1.5km 1時間18分
前白岩 1776m > 白岩山 1921m 高差 145m 1.28km 1時間
白岩山 1921m > 大ダワ 1703m 高差 -218m 2.05km 50分
大ダワ 1703m > 雲取山 2017m 高差 314m 1.8km 1時間10分
その他
注意個所 芋ノ木ドッケから長沢葉背稜間
急登 お清平から前白岩の肩間
三峰-雲取山間は自然観察路となっており道標が整備されている
この地域(秩父多摩甲斐国立公園)は緑の回廊の一部として動植物が保護されている
雲取山山頂には原三角点が健在
大ダワからの大ダワ林道は廃道となっている
大洞川側は切れ落ちている個所多数(滑落注意)
水場
白岩小屋から10分(未確認)
雲取山荘前 たっぷりだがあまり冷たくない
雲取山荘の幕営場は20張くらいのスペースに見えた
霧藻ヶ峰から見下ろす妙法ヶ岳(右のピーク)
中央遠くに両神山
前白岩の肩の手前辺りから
酉谷山
白岩小屋の手前辺りから
和名倉山(白石山)
白岩小屋
荒廃が進んでいる
向こう側にテント数張
水場10分(未確認)
芋ノ木ドッケ辺りから見た飛龍山
長沢背稜から見た雲取山
雲取山への登りで振り返った
右端に芋ノ木ドッケ、中央が白岩山、前白岩
雲取山山頂 富士を眺める
雲取山山頂にて 飛龍山
手前に三ッ山
右奥に国師ヶ岳
原三角点
明治15年設置 現存はここと下仁田の白髪岩、新潟の米山のみ
前白岩の肩からやや霧藻ヶ峰寄りから
三峰神社、駐車場を見下ろす
(雅熊)