叶花から石尊山と深高山

2023年04月27日 晴れ 3名

投稿日 2023年04月30日​

北関東の関東平野に接するあたりから、奥に堂々とそびえる日光、阿蘇の山々の手前までを、私は「北関」と呼んでるんですが、栃木県の足利百名山や群馬県の桐生の山などがそれです。代表的な山は、大小山、湯殿山、両崖山、石尊山、仙人ヶ岳、吾妻山、大形山、鳴神山、根本山、氷室山、行道山、エトセ、エトセ。まぁ、地理の授業では「足尾山地」の一言ですけどね。これらの山の多くは付加体なので硬いチャートでできています。チャートの山は美渓を形成し、露岩の尾根筋や稜線はところどころ絶好の展望台となります。

​今回はその北関の「石尊山(せきそんさん)」に登りました。この山も尾根筋が岩稜になっており、低い山なのですが侮れません。石尊山という山は全国にあまたあります。それは石尊信仰によるものですが、ここの石尊山は麓の小俣町にある「鶏足寺(けいそくじ)」の「梵天揚げ(ぼんてんあげ)」で有名です。毎年八月十四日、町民が長い丸太でできた梵天を石尊山の山頂近くにある「石尊宮」まで担ぎ上げるそうです。

​駐車場は叶花(かのうげ)の公民館の駐車場をお借りしました。駐車所から100mほど歩くと右に入る道があり、両脇に石灯籠があって信仰を感じさせます。石尊宮の里宮の前に小さなトイレがあります。道は奥へと続いています。チャートの山特有の大きな岩が。さりげなく石のお不動さんも迎えてくれます。カエルがゲコゲコ鳴く小沢に沿って丁石を拾いながらしばらく登ると「女人禁制」の石標があります。ここから道は少し急になり尾根上に出ると、山頂は右ですが左へ踏み跡があります。左へ尾根西端に行ってみます。

​昔、山城があったのでしょうか、遺構が二つ認められます。尾根の西端は期待したほどの展望はありませんでした。戻って尾根を山頂へと向かいます。すぐに露岩が現れ面白くなってきます。子気味よく登っていくとお釈迦様のお姿のような岩が立っているのが見える場所があります。「釈迦岩展望」の標がありました。

​尚も露岩の尾根を登っていくと「石尊宮」の前に出ます。南側が切れ落ちた危険な場所です。社の扉の上に、赤い鼻高天狗と緑い烏天狗がありました。「石尊宮」を右から廻り込むと上は小広い平地になっていて、草地で暖かく、絶好の休憩ポイントです。テーブルやベンチがあります。ここから道はほぼ水平になって、しばらく歩くと「石尊山」山頂です。目立たない稜線途中の小ピークですが、二等三角点があります。

​深高山(しんこうさん)は稜線の東端にあるので更に進みますが、少しのアップダウンがあるものの、やはりほぼ水平。稜線上はほとんど展望はありませんが緑のトンネルをルンルンで歩けます。途中に南側の「湯殿山」への分岐がありますが、現在は採石場があるので立ち入り禁止のようです。「深高山」は稜線からちょっと盛り上がった緑の中の静かな山頂です。

​健脚であれば「深高山」から「猪子峠(いのことうげ)」に降りて「仙人ヶ岳」に登り、白葉峠から叶花に戻るのもよいかも知れません。「深高山」から「石尊宮」に戻るとどこかの保育園の園児が20人ほど居て、静かな山は別世界のようになっていました。岩稜を登って来た園児たち。滑落もあり得る山ですが、元気にはしゃぎまわっていました。無邪気に「天狗が居るよ」と教えてくれた園児たち。無事に下山できるよう祈りながら一足先に叶花に下りました。お風呂は「葉鹿」の「東葉館」にしました。

埼玉県足利市小俣町叶花 公民館駐車場から石尊山と深高山往復
尾根上は石尊宮まで露岩あり
赤実線:GPS歩行軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)

主な通過時刻:
叶花公民館の駐車場 8:09
女人禁制石標 8:44
尾根に乗る 8:56
尾根西端 9:01
釈迦岩展望 9:30
石尊宮 9:42
石尊山 10:02
深高山 10:36​
叶花公民館の駐車場 12:51

​所要時間:4時間30分
総歩行距離:7.5km​

叶花公民館の駐車場 標高111m
石尊山 二等三角点「叶花」486.45m
最高標高点 506m (深高山)
累積標高+ 652m

叶花公民館の駐車場
広い駐車場だがここにはトイレは無い

駐車場から100mほど歩いたところになる登山口
この奥の石尊宮里宮の前に小さなトイレがある

尾根筋に乗る手前の急登が始まるところにある「女人禁制」の石標
勿論今は女性も登れる

尾根に乗ると岩場が始まる
上の石尊宮まで露岩の連続
硬いチャートの岩

途中にある「釈迦岩展望」からお釈迦様を眺める
向こうの小さな尾根にお釈迦様が見える

展望のよい岩の上から遠くに赤城山を眺める
左の街は群馬県桐生市

石尊宮
鼻高天狗と烏天狗

稜線上の一点にある石尊山山頂
二等三角点「叶花」標高486.45m

稜線東橋にある深高山山頂
展望はないが新緑の中の小ピーク

​(雅熊)

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