シャクナン尾根で三ッドッケ、仙元尾根の巡視路で下山

2023年04月17日 晴れときどき曇り 単独

投稿日 2023年04月19日​

三ッドッケは東京都と埼玉県の都県境にある特徴のあるピークで、「ドッケ」とは山のピークのことを表しています。反対に山の緩くなだらかなところは「タワ」とよび、いずれも関東圏を見ただけでも点在しています。

​そのひとつ、「三ッドッケ」は遠くからもはっきり認められる特徴的なピークですが、名前から三つのピークかと思いきや、下の写真のように四つに見えます。「四ッドッケ」ではゴロが悪いのか、それとも名付けたときに、少し低い下から二つ目のピークが見えなかったのか。まぁ。どうでもよいことですが、個人的にはよい名前と思っています。なお、「三ッドッケ」は「天目山」とも呼ばれます。近くの「酉谷山」も天目山と呼ばれるので、私はここを「三ッドッケ」と呼んでいますが、「三ッドッケ」を撫でるように「天目山林道」が走っています。ややっこしいですね。東京都側からは主峰しか見えないので「天目山」は東京都側からの命名でしょうか。

​今回は埼玉県側の秩父市浦山の川俣にある「大日堂」の駐車場をお借りし、まず「細久保谷林道(上部は天目山林道)」で「シゴー平」まで約1時間歩きました。「シゴー平」の先で細久保谷は「シセン」を分け、林道は「ホンセン」側に入って大きく屈曲しています。この屈曲部に「一杯水、三ッドッケ」方面と書かれた古い道標があります。奥の「グミの滝」から一杯水付近の都県境稜線に至る道ですが、現在は使われていません。この道標の先に、今回「三ッドッケ」への登高に使った「シャクナン尾根」に取り付くための木梯子がかかっています。もともと演習林への入り口のようですが、細い踏み跡が上の「天目山林道」まで続いています。ここでは「天目山林道」に出るまでを「シャクナン尾根下部」と呼んでいます。なお、この「シャクナン尾根下部」を使わなくても、「天目山林道」を歩き続ければ上に出られますが、時間がかかります。

​「シャクナン尾根下部」を登り着いたところは、「天目山林道」が切通しで「大平山」側に抜けていますが、その手前から「シャクナン尾根上部」に取り付きます。「シャクナン尾根上部」は距離が短いものの四つのピークが並んでおり、急斜面をもつためその通過には少し時間がかかります。特に三つ目の第三峰(三ッドッケ北峰)の登り降り、つまり北面と南面は急傾斜なので注意が必要です。灌木をつかんでよじ登るようなところはありませんが、一般道ではないため、ロープなどの補助は一切ありません。最後は馬酔木(あせび)の藪をかき分ければ「三ッドッケ」本峰に飛び出ます。

​「三ッドッケ」の展望は良好。下山に使う「仙元尾根」も見えています。昼食をとって下山にかかります。「長沢背稜」に乗ってひたすら仙元峠を目指します。「長沢背稜」の道はこのあたりの水源巡視路ですので、ピークを避けてほぼ水平につけられた歩きやすい道です。「仙元尾根」の派生点である「仙元峠」は石祠があるのどかな峠です。昔秩父側から富士講の人たちが越えたと聞きます。

​今回の下山は「仙元尾根」を使いましたが、途中から送電線「新秩父線」の送電鉄塔がある尾根を下り、送電鉄塔の巡視路を使って、手っ取り早く林道「広河原逆川線」に降り立つことにしました。

​「仙元尾根」のほぼ中間部に1004mのピークがあり、そこから小尾根が派生しています。その小尾根上に「新秩父線56号」の送電鉄塔が建っています。送電鉄塔に着けば、そのまま小尾根を直進せず、鉄塔の基部を右側を鋭角に回り込むようにして、黄色い「巡視路案内杭」を拾いながら植林帯を電光に下りてゆきます。やがて小沢と並行に下りてゆくようになりますが、少々荒れています。やがて下に林道が見えたら、右へとへつり、左に折り返して沢を渡り林道に出ます。橋は朽ちていて渡れませんので渡渉してハシゴで林道に出ます。このあと林道「広河原逆川線」をとぼとぼ歩いて大日堂に戻りました。歩行距離18.8km、所要時間9.5時間のややハードな山旅でした。

埼玉県秩父市浦山 川俣の大日堂から細久保谷林道でシゴー平
シャクナン尾根で三ッドッケ
長沢背稜で仙元尾根へ 仙元尾根の途中から送電鉄塔巡視路で広河原逆川林道
赤実線:GPS歩行軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)

主な通過時刻:
川俣の大日堂前の駐車場 7:56 (標高452m)
シゴー平 8:58 (標高640m)
シャクナン尾根下部取付き点 9:21 (標高731m)
天目山林道に出る 石仏 10:44 (標高1191m)
シャクナン尾根j上部取付き点 10:56 (標高1236m)
第一峰(石標三九) 11:58 (標高1480m)
第二峰 12:10 ( 標高1500m)
第三峰(北峰) 12:29 (標高1560m)
三ッドッケ本峰 12:56 (標高1573m 昼食)
仙元峠 14:29 (標高1444m)
大樽  15:18 (標高1153m)
送電鉄塔のある尾根下降点 15:53 (標高942m)
秩父新線 送電鉄塔65号 16:01 (標高888m)
林道広河原逆川線に降り立つ 16:37  (標高636m)
川俣の大日堂前の駐車場 17:35 (標高452m)

​所要時間:9.5時間
総歩行距離:18.8km​

登山口 川俣の大日堂前の駐車場) 標高452m
三ッドッケ本峰 標高1573m
標高差 1121m
シャクナン尾根取付き点 標高 731m
シャクナン尾根標高差 842m
累積標高+ 1857m

天目山林道から見た三ッドッケ(大平山山行のとき撮影)
​ここでは左から第一峰、二峰、三峰(北峰)、三ッドッケ本峰 とした。
「ドッケ」とはピークの事で、「三ッドッケ」だがピークは四つある

シャクナン尾根下部取付き点の梯子(振り返って撮影)
写真奥、シゴー平の先、大きな屈曲点に「一杯水、三ッドッケ」への道標が立っている

シャクナン尾根に入ると
踏み跡は意外なくらい明瞭
動物の足跡が多い

植林帯を登っていくと作業道に出る
作業道をさらに登って行くと天目山林道に出る

天目山林道をしばらく歩くと林道は切通しで大平山側に続いている
切通しは通過せず手前からシャクナン尾根上部に取付く

第一峰に「〇〇三九」なる石標がある

第三峰(三ッドッケ北峰)への登り
急斜面、浮石注意

第三峰の南側の斜面を下る
急斜面、浮石に注意

三ッドッケ本峰(天目山)
馬酔木が美しい
三等三角点「日原」標高1576.01m

三ッドッケ山頂から北側を眺める
緑のピークは第一峰
左端に第三峰(三ッドッケ北峰)の一部
右から中央へ降りる尾根は仙元尾根

長沢背稜から振り返って見た三ッドッケ
右から第一峰、二峰、三峰(北峰)、三ッドッケ本峰

仙元峠
石祠のあるのんびりした峠
この峠は鞍部ではなくピークにある
川俣へは石祠の後ろへ下る

送電鉄塔のある尾根の下降点
赤テープが目印
仙元尾根中間部にある1004mのピークから派生する尾根を鉄塔まで下る

新秩父線 送電鉄塔56号
鉄塔基部右下に最初の巡視路案内杭がある
巡視路は右の矢印のように降りている
まっすぐ尾根伝いに降りてはならない

送電鉄塔巡視路には点々と黄色い巡視路案内杭があるので拾ってゆく
植林帯を電光に下って沢筋に出たら沢に沿って降りてゆく
沢筋は荒れているので注意

林道広河原逆川線に出た
手前の木橋は腐っていて使えないので
矢印のハシゴで上がる
上の矢印は巡視路入口を示す巡視路案内杭

(雅熊)

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