法性寺から大日峠、竜神山、兎岩 柿ノ久保奥尾根反時計廻り周回
2023年01月18日 晴れ 2名
投稿日 2023年01月20日
埼玉県秩父郡小鹿野町には最近話題に上ることが多い「釜ノ沢五峰」という岩稜がありますが、今回は、以前それに登ったときに目星を付けておいたルートを歩いてみました。秩父札所三十二番「法性寺」を起点にして、「柿ノ久保」と「布沢」集落をとりまく稜線を歩くルートです。一般道ではありませんが、踏み跡程度はあるだろうと予想しての入山です。
今回のルート中には「古洞峠」(ことうとうげ)、「大日峠」、「文殊峠」の三つの峠と、四等三角点が四つあります。「古洞峠」は柿ノ久保と小鹿野町をむすぶ峠。「大日峠」は秩父三十一番札所「観音寺」からの巡礼道が越える峠で、「法性寺」までを結んでいます。江戸時代に盛んだった札所巡礼の古道です。「文殊峠」には「金精神社」があり、稜線を挟んで西側にある「伊豆沢」とつなぐ峠です。山名のある山は「竜神山」のみです。ご多分にもれず、「釜ノ沢五峰」とほぼ並行している「竜神山」付近にも露岩が現れます。その中の「兎岩」は面白い通過ポイントです。
今回歩いたルートの通過ポイントは、「法性寺」から「古洞峠」、「四等三角点 堂の入 425.81m」、「大日峠」、「四等三角点 渕沢 502,89m」、「四等三角点 水久保 521.88m」、「釜ノ沢五峰への分岐点」、「文殊峠への分岐点」、「四等三角点 中沢 538.55m」(竜神山)、「兎岩」です。これらを反時計回りで辿りました。歩行距離は約8.9km。5時間半の山旅でした。
車を「法性寺」手前の駐車場に置かせていただき、寺の前のトイレで用をたし、「古洞峠」に向かいます。峠までは舗装の林道です。途中に「炭次郎釜」という陶芸釜?があります。「古洞峠」には小鹿野の「般若の丘公園」からの道が来ていますが、西側の尾根に取り付きます。測量でしょうか、うっすら踏まれた落ち葉を辿ります。今回の稜線は町界杭が要所要所に打たれているため、目印になります。
三角点「堂の入」を見て「大日峠」に降り立ちました。大日如来でしょうか。石仏が二柱鎮座します。さらに稜線を忠実に辿っていきます。三角点「渕沢」から左に屈曲して「伊豆沢」と並行するように稜線を南下して行きます。送電鉄塔が現れ、展望が開けます。よく見ると遠くに「法性寺」の船のような岩上の観音様が立つ「お舟観音」が小さく見えていました。
アップダウンを繰り返して三角点「水久保」へ。すぐに明るく開けて送電鉄塔跡となります。ここの送電鉄塔は取り払われて土台しか残っていません。景色がよいのはラッキー。やがて高低差の無い痩せ尾根が続くようになり、登りで一汗かけば「釜ノ沢五峰」の分岐です。ここで昼食としました。
さらに南下すると、「文殊峠」(金精神社)手前のピークです。ここが今回の最高所 約580mです。ここからは一般道。道は東へと方向を変えます。「中ノ沢」分岐を見たらすぐに三角点 中沢の竜神山です。標高は538.55mです。さらに進んむと露岩が出てきます。岩塔のような露岩の上に建つ送電鉄塔(この鉄塔は電線が撤去されています) を通過。大きな露岩が現れて直登できず道は右下へと巻いています。この露岩の基部に「賽の洞窟」があります。昔秩父が古秩父湾だったころに堆積した礫混ざりの砂岩です。雨宿りできそうな岩のくぼみです。ロープのある岩の斜面をへつり、さらに下ると「兎岩」です。
その名前から兎の耳のような岩かと想像していましたが、それはなんと兎の背中。丸い大きな兎の背中が突然現れます。手すりが付けられているし、フリクションが効くので問題はありません。「兎岩」からは足元の悪い急斜面を注意しながら下ると、中ノ沢の林道に降り立ちます。あとは「法性寺」に戻るだけです。
埼玉県秩父郡小鹿野町 秩父札所三十二番「法性寺」から古洞峠、大日峠
柿ノ久保奥部尾根で釜ノ沢五峰分岐、文殊峠分岐、竜神山、兎岩
赤実線:GPS歩行軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)
主な通過時刻:
法性寺駐車場 8:25
古洞峠 8:45
四等三角点 堂の入 9:52
大日峠 9:59
四等三角点 渕沢 10:31
送電鉄塔 10:39
四等三角点 水久保 11:36
送電鉄塔跡 10:40
釜ノ沢五峰分岐 12:25 (昼食)
金精神社、文殊峠分岐 12:38
中ノ沢分岐 12:48
竜神山 12:54
兎岩 13:28
兎岩登山口(林道に降り立つ) 13:40
法性寺駐車場 14:18
所要時間:5時間30分
総歩行距離:8.9km
秩父札所三十二番 曹洞宗 般若山「法性寺」
奥の院は船の形の岩上に立つ「お舟観音」
寺の境内から遠く見上げるかたちで拝むことができる
「古洞峠」から稜線の末端に取り付
落ち葉にうっすらと付いた踏み跡
稜線は町界の杭が目印になる
四等三角点「堂の入」付近から眺める秩父の名峰「武甲山」
四等三角点「堂の入」の石標
三角点のほかに小鹿野町の「図根点」の石標がいたるところにある
「大日峠」
秩父札所三十一番「観音寺」と「法性寺」をむすぶ巡礼古道
石仏が二柱鎮座する
四等三角点「渕沢」から眺めるこれから歩く稜線
遠くは「熊倉山」など
送電鉄塔から東を眺める
写真中央に帯状の岩壁が見え、その末端に「法性寺」の「お舟観音」が立っている
(電線と電線の間に小さく)
稜線から「両神山」(左)と、「二子山」(右の小さなピーク)
つつじ山へ向かう途中の尾根上から
最高点は妙義山
手前下はあしかがの森足利病院
「釜ノ沢五峰」方面への分岐点
「竜神山」・「兎岩」と「文殊峠」(金精神社)方面への分岐点
「竜神山」山頂
左下に四等三角点「中沢」の石標
「兎岩」
兎の背中のような岩
手すりがありフリクションが効くので通過に問題はない
林道に降り立った
登山口の道標は朽ち始めておりわかりにくい
(雅熊)