つつじ新道から四阿屋山
2022年12月14日 晴れ 単独
投稿日 2022年12月15日
埼玉県秩父郡小鹿野町の四阿屋山(あずまやさん)は、フクジュソウの群生地として有名ですが、麓にセツブンソウ園もあって早春の頃にぎわう山です。日本百名山の両神山の山懐。小鹿野町両神小森の集落を見下ろすこの山は、標高771mとこのあたりではさして高くもない山ですが、山頂まで登るとすればハイキング気分ではちょっと危ない山でもあります。
そんな四阿屋山に、今回は垂直の岩場があることでも有名な「つつじ新道」から登ってみました。若い頃何度も登ったこの山ですので、つつじ新道も登っていますが、どんなルートだったかすっかり忘れてしまいましたので、今回は再トライということで出かけました。
車を両神小森の道の駅両神温泉薬師の湯の駐車場をお借りして駐車。小森川に沿った舗装車道を2km強歩いてつつじ新道の登山口に向かいました。小森川に沿う舗装車道は奥に採石場があって、大型のダンプがひっきりなしに通りますので、歩道のない路肩の通行には注意が必要です。
谷筋の奥に鋭峰(秩父御嶽山の裏側の山)を見て40分ほど歩くと大堤。道路わきにつつじ新道の登山口を示す道標があります。この道は尾根に取付くのかと思いきや、沢筋を登って行きます。沢筋といっても水流があるようなところではなく窪状の斜面です。目の前に大岩が現れますがこれは問題の岩場ではありません。更に登って小尾根に乗ると「山居」への分岐があります。「山居」とは山の南斜面に一軒家がポツンとある陽当たりのよい場所です。
分岐には「これより上級者コース」と書かれています。ここで岩場を登れる自信のない人は「山居」へ迂回しなさいということのようです。今回は直進します。すぐに大きな岩の基部に突き当たり、クサリがかかっています。斜め左上に登ると4-5mほどのほぼ垂直の岩が現れます。V字の凹角にクサリが垂れ下がっています。下部はややスタンスを取りにくいですが、わずかなくぼみに靴先をひっかけて腕力で体を引き上げました。上部は容易です。
登り終えた後は傾斜が緩みますが直もクサリが続き、落ち葉とザラ砂で滑るので気が抜けません。このあと痩せ尾根に数か所クサリがかかっています。やや傾斜のつよい岩場のクサリもありますが、スタンスが多く問題ありません。ただしスリップ注意です。
やがて両神神社の社の方から来る一般道が下から合流すると、ひと登りで山頂です。石祠がある狭い山頂に三等三角点があります。両神山側が開けています。戻って、一般道を両神神社に向かいますが、ここが案外くせもの。急斜面に壊れかけた木の階段が落ち葉で覆われクサリがかけてあります。クサリはしっかりしています。昔はたよりない針金の時代もありました。この斜面は油断は禁物。ゆっくり下ります。平坦になれば両神神社はすぐそこです。
下山は押留(おとも)コースにしました。途中「山居」を通過します。山居には東屋があってベンチでごろ寝。寒かったこの日ですが、南斜面で日差しが暖かく居眠りに最適です。目の前でフクジュソウが咲いていればなおよい雰囲気でしょう。押留コースはあまり歩かれていないのか、落ち葉が踏まれていませんがやや窪状の径なので見失うことはないでしょう。小森川に沿う舗装道に降り立てば、あとは薬師の湯に戻るだけです。薬王山寶泉寺に寄りました。
埼玉県秩父郡小鹿野町 両神薬師の湯駐車場からつつじ新道で四阿屋山
下山は押留コース
赤実線:GPS歩行軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)
主な通過時刻:
薬師の湯駐車場 9:02
つつじ新道登山口 9:40
山居分岐 10:23
垂直のクサリ場 10:26
両神神社分岐 11:10
四阿屋山山頂 11:16
両神神社 11:42
福寿草園 11:51 (昼食)
山居の東屋、ベンチ 12:16
押留コース登山口 12:47
薬王山寶泉寺 13:08
薬師の湯駐車場 13:18
所要時間:4時間16分
総歩行距離:7.3km
道の駅両神温泉薬師の湯の駐車場
バスターミナルの横にトイレがある
薬師の湯から小森川沿いに40分ほど歩くと大堤
つつじ新道登山口
クサリ場の手前にある山居への分岐
直進は経験者コースとなっている
分岐から経験者コースに入るとすぐにほぼ垂直の岩場が現れる
4mの岩にクサリがかかっている
ややスタンスがとりにくい
垂直の岩場を通過すると痩せ尾根になり
傾斜が緩むがクサリ場が数か所ある
両神神社からの一般道が合流しさらに登ると山頂
石祠と三等三角点がある
山頂から両神山を眺める
山頂から分岐まで戻り
一般道を両神神社へ下る
一般道と言っても荒れたクサリ場で通過は要注意
両神神社から山居方面に向けて下った
山居には民家と公衆トイレ、東屋、トイレがある
陽当たりがよく暖かい
押留コースの登山口
ここから30分ほど歩けば薬師の湯
(雅熊)