上日川峠から大菩薩嶺、大菩薩峠、石丸峠

2022年08月29日 晴れのち曇り 2名

投稿日 2022年08月31日​

40年以上も前の若かりし頃に登った大菩薩峠。今回はそのときと同じルートを辿ってみました。自分では要所ようしょ当時の映像が頭に残っていると思っていたのですが、40年も山に登っていると、いろんな山の場面がごっちゃになって、現地に行ってみると、アレッ?こんなだったかなということになりますが、今回も多くはそれ。ただ、同じルートを辿ったことは確かですが、若い頃はろくに景色を見ていなかったり、通過ポイントを印象に残すようなことはしなかったのでしょう。車も無ければ、カメラもない若い頃ですから。

​熊谷のYさんをお誘いして国道140号をひたすら走ります。もちろん大菩薩といえば、関東人ならだれでも登る山。Yさんもそれは同じで再訪です。埼玉県と山梨県の県境にある雁坂トンネルに近づくと辺りはホワイトアウト。真っ白な中、トンネルの入り口もかなり近づくまで見えないほどの濃霧。しかし長い雁坂トンネルを抜けると、なんと!山梨側は青空に陽光サンサン。日頃の行いのよさがこういうところに出ます。

​国道140号と分かれて裂石から細い林道を上日川峠(かみにっかわとうげ)へ。熊谷から車で約3時間。我々としてはちょっと遠出です。平日とあって第一駐車場に停めることができました。ロッジから出てきた女性が、「晴れてよかったですね」と声をかけます。トイレを済ませて福ちゃん荘へ。

​福ちゃん荘は開店したばかりか。庭の整え中。40年前の記憶とはかなり違います。あの頃はもっとボロかったなぁと思いつつ。唐松尾根で雷岩、大菩薩嶺へ。

​唐松尾根は半分ほど登ると富士が見えます。すぐ下にはロックフィルダムの上日川ダム、そしてダム湖の大菩薩湖が青い水をたたえています。ほどなく雷岩から大菩薩嶺へ。ちょっと地味な展望の利かない山頂です。奥秩父の山はこういう山頂が多いようです。

​雷岩に戻って大菩薩峠手前の笹原へ。いい雰囲気の稜線です。緑の笹原の中に高低いろいろな唐松の若木が立っています。おなじみの光景です。昔JRの駅に大菩薩峠のこの光景のポスターが貼ってあったような、なかったような?

​賽の河原には避難小屋があります。中を覗けば床板はツルツル。ゴミひとつありません。こういうところが日本人のマナーの良さですね。出入口の扉がなかったので夜は寒そうです。賽の河原から少し登って下ると中里介山の記念塔があり、鞍部が大菩薩峠です。ここに丹波からの道を合わせます。茶屋の介山荘があります。土産物や食事を提供してくれます。宿泊もできるようですね。

​峠から福ちゃん荘に下ることもできるのですが、我々は昔歩いたルートを辿るため石丸峠へ。笹原の中の峠を鋭角に屈曲して、ゆるやかに上白川峠へと下って行きます。唐松の美林はさぞ紅葉の時季はきれいでしょう。二度林道に降り立ち(二度目はバス道の小屋平BSがある)、小沢を二度ほど跨げば上日川峠です。お風呂は大菩薩の湯にしました。長編小説「大菩薩峠」を読んでいればもう少し旅の情緒が味わえたでしょうか。

山梨県甲州市上日川峠から福ちゃん荘経由、唐松尾根で大菩薩嶺、大菩薩峠、石丸峠
稜線上の賽の河原に避難小屋あり
大菩薩峠の介山荘は有人、トイレあり
赤実線:GPS歩行軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)

主な通過時刻:
上日川峠駐車場 8:02
福ちゃん荘 8:34
雷岩 9:48
大菩薩嶺 9:57
雷岩 10:14
賽の河原 10:40 
大菩薩峠 11:06(昼食)
熊沢山 11:45
石丸峠 12:00
上日川峠駐車場 13:38

​所要時間:5時間40分
総歩行距離:9.2km
登り累計高度 839m
下り累計高度 842m
登山開始地点の標高 1577m(上日川峠)
最低標高: 1932m
最高標高: 2057m (大菩薩嶺)

上日川峠のロッジ
駐車場が数か所、トイレ

福ちゃん荘
土産物を売っている
​ここで唐松尾根道と大菩薩峠への道が分岐

雷岩の150mくらい下から眺めた富士、上日川ダムの大菩薩湖

大菩薩嶺
樹林で展望はない
三等三角点「大菩薩」標高2056.94m

緑の笹の中に点々と唐松
大菩薩峠の名物風景

賽の河原の避難小屋
内部はきれい
出入口の扉が無い

大菩薩峠
茶屋「介山荘」トイレ
​ここから福ちゃん荘に下れる

石丸峠から少し下ったところ
大菩薩湖が見える

笹の林床と唐松の美林

​(雅熊)