松手山から平標山と大源太山

2022年07月10日 晴れのち曇り、小雨 3名

投稿日 2022年07月12日​

新潟県と群馬県の県境にある谷川岳の西の一角にある平標山(たいらっぴょうさん)。豪雪地帯とあって森林限界が低く、なだらかで笹原の美しい稜線が続く山です。雪解けの頃から夏は高山植物の花が多く、比較的登りやすいのもあって人気の山です。

今回は新潟県南魚沼市湯沢町の元橋から松手山経由で平標山に登り、平標山の家に降りて、大源太山(だいげんたさん)に足を延ばし三角山、毛無山と辿って元橋に戻る周回ルートを歩いてみました。

​関東からは関越自動車道を月夜野ICで降りて、国道17号で三国峠の新三国トンネルを抜けて新潟県側に入り、浅貝から苗場スキー場を見たら元橋はすぐです。元橋には広い有料駐車場(600円/日)があり、トイレも完備しています。熊谷を5時半に出発して、元橋に着いたのが7時半。日曜日とあって、すでに駐車場には多くの車が停まっていました。

​駐車場の標高は970mです。二居川の橋を渡るとすぐ登山口です。最初の目標である送電鉄塔までいきなりの急登です。樹林の中をもくもくと登っていきます。送電鉄塔で一息ついてもその上の松手山までもなお急登が続きます。美しい樹林ですが、徐々に樹高が低くなり、明るくなって傾斜が緩んだら三角点のある松手山です。松手山には二居からの道が合流しています。

​松手山から上は森林限界を超えていますので笹原となり高山植物の世界です。尾根筋が右に湾曲しているため平標山頂が見えています。傾斜が緩んだので少し余裕が出て、高山植物を見ながら歩きました。しかし再び急登となます。毛渡谷側が見えると平標山頂はすぐそこです。毛渡谷側には土樽からの平標新道が池塘の脇を通って延びているのが見えます。

​平標山の山頂は広く、お隣の仙ノ倉岳への道と、土樽への平標新道、平標山の家から、今回我々が辿る大源太山から三国山方面の道が分岐しています。今回は少し遠回りで下山するので仙ノ倉岳には寄らず、昼食を済ませて平標山の家を目指して下りました。

​山の家まではほぼ木道や木の階段です。途中に小さな湿原があります。道脇にキンコウカの黄色い花が咲き始めていました。左側は笹穴沢の源頭部で、笹原の中に沢筋が深く食い込み、点々と白樺が立っていて幻想的です。上のほうにはまだ残雪がありました。

​平標山の家で冷たい水を補給し、身体の汗を拭いて出発。大源太山までの道はぬかるみがありますが、あまりアップダウンがない道です。ところどころ笹穴沢が見下ろせる展望のよいところがあり、斜面にはニッコウキスゲが風に揺れています。この辺りは見える範囲に人工物はなく、山深さを感じます。

​小沢を通過して道標に従って大源太山に向かいます。片道20分でしたが、大源太山頂は展望はありません。三角点と川古温泉への道の存在を確認して稜線に戻り、三角山から三角山登山道で浅貝方面に下りました。この三角山から派生する尾根道は、浅貝新生会の看板が誘導してくれますが、刈払われていて広く、歩きやすい道です。送電鉄塔のある毛無山からは東側に林道が下っています。尾根筋から逸れて、送電鉄塔の近くから始まる林道を捕まえました。ワダチがあるのでここまで車が来るようです。

​林道をもくもくと歩いて、平標山の家から降りてくる道(上信越自然歩道)と合流し、沢沿いの林道を駐車場まで戻りました。今回見られた花(気が付いたもののみ)は、ニッコウキスゲ、ハクサンフウロ、クルマユリ、ギボウシ、ゴゼンタチバナ、ウラジロヨウラク、カラマツソウ、ハナニガナ、コバイケイソウ、ミヤマアザミ、ヨツバヒヨドリ、ウツボグサ、キンコウカ、ヤマツツジ、ギンリョウソウなど。

新潟県南魚沼郡湯沢町 元橋の有料駐車場から松手山経由で平標山
平標山の家から大源太山、三角山、毛無山と辿って林道で元橋に戻る
赤実線:GPS歩行軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)

主な通過時刻:
元橋の有料駐車場 7:34
松手山ルート登山口 7:44
送電鉄塔 9:09
松手山 9:52
平標山山頂 11:35(昼食)
平標山の家 12:39
大源太山への分岐 13:41
大源太山 14:06
大源太山への分岐 14:28
三角山 14:37
毛無山(送電鉄塔) 15:41
平票山の家からの道と林道合流 16:21
元橋の有料駐車場 17:17

​所要時間:9時間15分
総歩行距離:17.0km
累計高度 1430m

元橋の有料駐車場
トイレがある

松手山ルートは登山口から急登が始まる
​登山口の標高は約1000m

尾根上にある送電鉄塔
ここで一息入れるが急登はまだ続く

松手山手前から見る平票山へと続く尾根筋
森林限界を超えている
右奥のピークが平標山

松手山
二居への道を分ける
標高は1614m

振り返って松手山を見下ろす
この辺りまで登ってくると笹原に這松が混ざる
高山植物も多い

平標山山頂
三等三角点「松手」標高1983.81m

平標山山頂から毛渡谷側を見下ろす
池塘をかすめて土樽に下る平標新道が見える

平標山山頂から仙ノ倉岳を眺める
ガスの向こうにうっすら見えている

平標山山頂から平標山の家に向かう
木道や木の階段が続く​

​平標山の家から平標山山頂を見上げる​

大源太山、三国山方面への尾根上
大源太山を眺める

大源太山山頂
三等三角点「耕地」標高1764.29m
川古温泉への道が下りている

三角山にある道標
ここから派生する尾根で浅貝方面に下る

尾根筋は最初は急坂だが徐々に緩くなる
この辺りはブナの美林

毛無山の送電鉄塔の下から林道が始まる
(振り返って撮影 林道終点の小平地と送電鉄塔)

林道には車のワダチがあり広く、歩き易い
崩壊箇所等は無い
この林道は登山地図には載っていない
下で平標山の家から降りてくる平元新道とつながる林道(上信越自然歩道)と合流する

(雅熊)