聖尾根で熊倉山

2022年06月18日 曇りときどき晴れ 2名

投稿日 2022年06月20日​

40年以上も前に熊倉山からの下降に使った聖尾根ですが、日を追って懐かしさがつのり、今回登ってみることにしました。下降した時は尾根を忠実に秩父鉄道の三峰口駅まで歩きましたが、今回は聖岩の基部に出る沢筋を利用して登ってみました。

​その沢筋には、国土地理院の地図に破線があります。この道の用途は分かりませんが、聖尾根まで通じているように引かれています。これを利用すれば聖尾根を過ぎたところから熊倉山に登れそうです。

​熊谷を6時に出発して三峰口駅に着いたのは7時15分ごろ。このくらいの移動時間であれば日帰り山行には打ってつけです。駅の有料駐車場をお借りしてさっそく出発です。少し白久側に歩いて「神明社」という道標がある角で曲がります。奥に「神明社」が鎮座。静かな雰囲気です。りっぱな神楽殿もあります。

​民家の間の道を歩いて沢の入口に向かって入って行きます。沢の音が聞こえ、踏み跡に導かれて奥へ。踏み跡は薄く、沢は少し荒れ気味です。さすがにこの辺りはチェートの山。すぐに巨岩が現れます。7mくらの滝に突き当たりますが、右斜面に斜めに踏み跡があります。更に沢に沿って進むと大きな滑滝が現れます。この滝は右側の小尾根に取付き、沢から離れます。小尾根にはどこから来たのか明確な踏み跡があります。どうやらこの小尾根で聖岩の基部に出られそうです。

​聖岩の基部を斜め左上に登っていくと、聖尾根に乗りました。自然林の美しい尾根です。昔、ここを歩いたのかと思うと感無量です。聖尾根は地図をよく見るとところどころ急なところがありますが、そこでは大きな露岩が出現します。赤テープが巻くルートを教えてくれてますが、なるべく尾根筋から離れないのがよいようです。802m、1165mのピークと高度を上げていきます、展望はほとんどありません。

​1307mのピークに「大血川」への道標があります。「勝ちゃん新道」のようです。機会があったら試してみたいと思っている道です。1307mの先に丸いピークがありますが、ここには意外にも大岩があり進めません。「高根」です。「高根」の手前から左に踏み跡が奥に続いています。消えそうな踏み跡で行けるかどうか不安になるようなところですが、なんとか「高根」の向こう側に出て、「三門の広場」へとつながっています。この辺りには、今は通行止めの谷津川林道からの道の道標が今でも健在です。最後の斜面を登れば熊倉山山頂です。

​熊倉山山頂の三角点の点名は「蝉」という不思議な名前です。そういえば少し酉谷山の方に進んだところに「蝉笹山」という小ピークがあります。下山はよく使う「小幡尾根」を使いました。この尾根はいくつか露岩があるきれいな尾根ですが、最後のジグザグの急斜面はきついです。登山口のある林道に降り立って、城山を越える予定を変更して、谷津川の林道をてくてく歩いて下ることにしました。谷津川館を見て、秩父札所30番「法雲寺」の分岐をすぎたら、白久駅が見えてきました。

​聖尾根基部に出る沢筋はほぼ忠実に沢筋を登りますが、2つの滝は右手を巻きます。今回2つめの滑滝で小尾根に乗りましたが、そのまま沢を詰めてもよさそうです。この沢筋には地図に破線があるので明確な道形を期待しましたが、はっきりした道形は無く、消えかかった踏み跡程度でした。

​聖尾根は大きな露岩の多い尾根です。登りはなんとなくルートが分かりますが、下りは分かりにくいところがあります。そのような箇所に巻かれたテープも古くなって目立たなくなっていますので、GPSなしでの入山は要注意です。ところどころにある大きな露岩は、「高根」以外は少し避けるもののよじ登って通過します。「高根」は北斜面にある旧道の跡を利用して三門の広場に出ますが、踏み跡が薄く、斜面のトラバース道なので要注意です。

埼玉県秩父市 秩父鉄道三峰口駅から沢ルートで聖岩基部
聖尾根で熊倉山
小幡尾根で白久へ下山
赤実線:GPS歩行軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)

主な通過時刻:
三峰口駅駐車場 7:24
神明社 7:37
滑滝 8:38
聖岩基部 9:14
802m 9:42
1165m 11:06
高根の手前 12:29
三門の広場 12:52
熊倉山山頂 13:01(昼食)
熊倉山登山口 15:18
白久駅 16:17

​所要時間:9時間 (聖尾根のみで5時間半)
総歩行距離:14.7km​
 

秩父鉄道 三峰口駅
近くに駐車場があり、530円/日でお借りできる

神明社
静かな雰囲気の立派な神社
例大祭は7月28日「お川瀬の神事」
右は神楽殿

沢筋にそって踏み跡を拾いながら奥へ

奥にある滑滝
右の小尾根に取付いて上にある聖岩の基部に通じる踏み跡を辿った

聖岩の基部を通過

聖岩横の尾根筋に出た

聖尾根にはこのような巨岩が数か所ある

1307mのピークには「大血川」への道標がある
「勝ちゃん新道」と思われる

この先に「高根」が潜むので、左(北斜面)の旧道の跡を辿って三門の広場に出る

熊倉山山頂
奥に石祠がある

​(雅熊)