老越路峠から多高山

2017年02月28日 晴れ 単独

投稿日 2017年03月01日

飛駒町坂本あたりから見た多高山

先週、天気があやしいので予定していた多高山(たこうさん)を諦め、急きょ大小山に変更しましたが、今回はぽかぽか天気。念願の多高山に登ってきました。

これから徐々に気温が上がってきそうで、新緑の季節もすぐそこですが、今のところ低山でも新緑はゼロ。見晴らしのいい山が楽しめました。

老越路峠から多幸山 周回ルート
(国土地理院の電子国土地図に情報追加)

通過時刻
老越路峠 多高山登山口 10:55
旧峠の石仏、石祠 10:57
多高山山頂 11:36 昼食 11:57
岩場 12:03
ゴルフ場駐車場 12:41
老越路峠に向かう道形(動物除け柵) 12:48
道路に降り立つ 13:12
お地蔵様 13:15
老越路峠 13:20

総歩行距離: 3.1km

多高山はとくに常緑広葉樹が少ない山のようで、サカキや藪椿、アオキなどはほとんど見かけません。ここでの常緑は赤松が唯一と言っていいくらいです。(植林の杉もありますが、暗い緑なので除外)

そんな中で、花を見つけました。マンサクです。青空の下、かわいい奇妙な花が地味に咲いていました。

車を佐野から飛駒へと進め、最奥の老越路峠(おいのこうじ峠と読むようです)に向かいます。峠までは二車線の良い道路でした。このまま進めば、梅田湖から桐生に抜けられます。また、峠から別方向に延びている林道に入れば松田から足利にぬけることもできます。(帰路はその林道を使いました)

老越路峠の多高山登山口
写真の左に駐車スペースがある

峠には10台くらい駐車できるスペースがあります。道の脇に多高山と書かれた札があります。

札から登り始めますが、数分ん登ると石仏や石祠が立ち並んでいます。おそらく道路を切り通しで作ったため、今では登山者しか目にすることが無くなりましたが、一段高いこの場所が削られる前の峠道なのでしょう。昔の人はこの石仏にあいさつしながら往来したに違いありません。

登山口から数分登ると石仏や石祠などがある
老越路峠に道路が作られる前は、ここが峠だったようだ
登山道が奥に延びている

ひとつ年号の読めるものは天明二年壬寅十月吉日になっていますので1782年に置かれたもののようです。235年前ですね。この天明という時代は大飢饉や浅間山の大噴火、京都の大火などがあった、大変な時代でした。

道は急で、下部は黒い樹脂板で階段状にしてありました。明るい自然林の中をどんどん高度を上げてゆきます。振り返ると赤雪山がこちらを見ています。

急登で汗をかきながら振り返ると赤雪山が

ぽかぽかの青空の下に、マンサクがかわいい花を付けていました。この山で見かけた花はこれだけでした。

マンサクの花
冬枯れのさびしい山にはうれしい

山頂手前がすこし肩のようになっていて、傾斜が緩み、間もなく山頂。山頂にも石祠などがあります。東側が開けていて、車で通過した飛駒方面の山里と、手前にゴルフ場が見えます。

多高山山頂 標高608m 壊れた石祠と笠のある石塔
奥に二等三角点が見える
三角点の更に奥に踏み跡があり、辿ると北東に小平地がある
小平地には電波塔があったのかも知れない(地図には記載されている)

下りはゴルフ場のある東側の尾根を使います。この山は尾根以外の斜面は傾斜が急ですので、適当な降り方はしないほうが無難なようです。

下ってゆくと岩場になり、ちょっと緊張させられますが、慎重に降りれば問題ありません。その下は赤松の大木の並ぶ尾根。そこから尾根は左に曲がって行き、傾斜もゆるいので快適に下ります。やがて道は尾根の左斜面を下りてゆきます。このあたりは木に塗られた赤ペンキが目印。ゴルフ場の管理棟の前に誘導されます。

今回のルートで唯一の危険個所
露岩をトラバースするように下りながら通過する
ロープやクサリはないので注意して通過する

ゴルフ場の駐車場を抜けて、山道を探します。動物除けの策を乗り越えて、道形を拾います。1mほどの幅の道形です。途中消えかかりますが、忠実に拾っていけば老越路峠手前で道路につながっています。

ゴルフ場管理棟駐車場に降り立つ直前の動物除けの柵
扉になっている
駐車場に降り立ったら、右奥の道形をつかまえる

道路に降り立ってすこし歩くと右の岩壁の下にお地蔵さまが2体あります。赤い帽子と前掛けをしていますので、地元の人の信仰があるのでしょうか。

植林帯のなかの道を忠実に進むと、やがて道路に降り立つ
ここから老越路峠まですぐだ

帰りは峠から延びている林道を松田から足利に抜けました。この林道は細いですが全面舗装されています。雨後の落石には注意したほうがよさそうです。

老越路峠の手前にあるお地蔵様2体

多高山は飛駒の山里の奥にそびえるこじんまりとした独峰です。麓を古い峠道が抜けており、昔、峠を越えた人たちが目印にした山でしょう。ほんの一瞬ですが、岩場の通過にはちょっと緊張させられます。静かな山が楽しめた一日でした。

(熊五郎)

コメント(2)

  • 山や峠の名前難しいですね。大木の間を辿る道は趣ありますね。 (agewisdom) 2017/3/1(水) 午後 6:39
  • > agewisdomさん 数百年前の石仏で往時を忍びながら歩くのはいいものですよ。(熊五郎) 2017/3/1(水) 午後 8:36

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