熊倉山から酉谷山、仙元尾根下降

2015年10月31日-11月01日 3名

投稿日 2015年11月02日

ルート概念図
初狩駅側からの登山道
男坂/女坂コース入り口
ここから登らずに、右の林道をさらに行くと沢コースのようです
ここの手前に簡易トイレがある

熊倉山から酉谷山縦走、長沢背稜を仙元峠
仙元尾根下降で浦山川俣の大日堂へ
一泊二日 酉谷山避難小屋利用
国土地理院の電子地図をカシミール3Dでカットし情報追加)
熊倉山登山口が切れていますがご容赦

通過時刻
10月31日(土)
熊倉山登山口(城山コース)駐車スペース 7:55
熊倉山山頂 10:43
大血川方面分岐 13:15
小黒 13:54
酉谷山 14:26
酉谷山避難小屋 14:40 泊

11月01日(日)
酉谷山避難小屋 6:25
矢岳への分岐 6:48
七跳山七跳尾根分岐 7:31
一杯水避難小屋 8:40 休憩 8:55
一杯水 9:01
仙元峠蕎麦粒山分岐 9:42
仙元峠 9:50 休憩 10:00
大楢 10:41
大日堂 12:35 休憩 12:40
浦山大日堂バス停 12:43
渓流荘で入浴 13:00 - 13:40

西武秩父駅ゆきバス 14:00発
西武秩父駅前から熊倉山登山口まで タクシー 4880円

距離、高低差
熊倉山城山コース登山口 - 熊倉山山頂 高低差 809m 距離 2.34km
熊倉山山頂 - 酉谷山山頂 距離 4.01km
酉谷山山頂 - 仙元峠 9.00km
仙元峠 - 浦山の大日堂 高低差 980m 距離 4.73km

総歩行距離 約20.1km

秩父の熊倉山から酉谷山(とりだにやま)へ縦走し、長沢背稜(ながさわはいりょう)を辿って、仙元尾根(せんげんおね)を浦山川俣の大日堂に下りました。酉谷山避難小屋を利用した、一泊二日の行程です。

熊谷のYさんとAさんの3人。おなじみのメンバーです。

車を熊倉山の城山コース登山口の駐車スペースに置き、小幡尾根の城山コースを熊倉山山頂まで登りました。(この駐車スペースには武州日野駅側からと、白久駅から谷津川館経由のいずれでも行けます。)

熊倉山山頂から酉谷山までの稜線は、熊倉寄りの前半はやせ尾根の岩交じり。酉谷寄りの後半は広い尾根の大きなアップダウンとなります。檜岳を下ったところがこの稜線の最低鞍部です。小黒の登りは倒木が多く、地図には現れない凹凸、二重稜線のような地形がありルートファインディングが必要です。迷いやすいところです。

急登を頑張るとひょっこり酉谷山山頂です。山頂を左にとって緩く下って行き、右下に少し降りると酉谷山避難小屋の屋根が見えます。

小屋は10名くらいの容量です。頑丈できれいな小屋です。床の上に寝られます。棚があって荷物が置けます。ハンガーもあって衣類などが干せます。南側に大きな窓がある明るい小屋です。ステンレス製のきれいなトイレも快適です。シートや毛布が常設?されていました。管理の方が一ヶ月に一度清掃などに来られるとのこと、感謝です!小屋横にちょろちょろ水が出ています。貴重な水場です。小屋から下に直接降りる道は通行止めのようです。

この日は4パーティー、男性5名、女性2名の計7名。私は土間に寝ました。これでほぼいっぱいですが、あとふたりくらい土間に寝られます。ただしトイレへの出入口が小屋の奥なので床に寝ると通れません。(小屋の外も基本的には通れません)

翌朝、小屋から長沢背稜を一杯水、蕎麦粒山方面へと辿りました。この道はピークを乗り越えることはなく、稜線すれすれに東京都側についています。おそらく古くは東京都水道局の水源管理用につけられた道ではないかと思いますが、アップダウンがほとんどない歩きやすい道です。ただし右側(日原側)の谷は急峻ですから滑落に注意が必要です。崖にへばりついたような橋を渡ることもあります。谷に数百メートル落ちると、おそらく発見されるのは難しいでしょう。発見される前に熊の餌食ですね。

一杯水避難小屋は酉谷山避難小屋よりも大きく、20名くらいの容量があります。酉谷山避難小屋より古いものですが、大きな床があって快適そうな小屋です。トイレもあります。5分くらい蕎麦粒山側に歩いたところに一杯水の水場があるのですが、今回は涸れていました。

一杯水を過ぎて快適な背稜の道を辿っていくと、特徴のある三角ピークの蕎麦粒山が見えてきますが、手前に仙元峠への分岐があります。少し登ると仙元峠です。石祠があり、明るいのんびりしたピークです。昔、富士講で秩父の人たちはこの峠を越えたそうです。ここで初めて富士が見えて感激したようです。

仙元峠から浦山川俣の大日堂への道は仙元尾根です。尾根への入り口が意外と踏まれていません。少し下ると尾根が広がってきますが、道は右寄り下に向かっているので、踏み跡が消えたらそのまままっすぐ下には行かず、右のほうをさぐってみるべきです。植林関係のピンクテープがあたかも誘導するかのように見えるところがあるので注意が必要です。尾根の上部で右下の谷に誘導されると、広河原林道に出るまで大変な苦労を強いられる可能性があると思いますので、迷ってもそのまま谷には下りない方がよいと思います。

仙元尾根は大楢から右下に少し降りて尾根上を少し外れて植林帯を行くようになります。送電鉄塔を3回(二つは下を通過。最後の鉄塔は手前を右下へ)見て最後の急坂をジグザグに降りて行けば、木の階段が現れ、下に大日堂の屋根が見えてきます。

かわいい大日堂で無事下山を感謝し、浦山川の流れを対岸に渡るとトイレとバス停があります。ここからバスが出ており300円で西武秩父駅まで運んでくれます。12名くらいの小さなワゴンです。14:00か16:00発が使えそうです。14:00のバスまで1時間くらいあったので、少し下の「渓流荘」でお風呂に入り、さっぱりしました。100円で入れるお風呂ですが、管理のおばさんがお茶を出してくれて、手作りの芋煮、こんにゃくの煮物、きゅうりの漬物、柿などを出してくれて、どこの温泉よりも満たされた気分でした。おばさんありがとうございました。このお風呂は地元の人が入りに来る夕刻までなら一般人も入らせてくれるようです。

バスの終点西武秩父駅前で下車。駅前で待っているタクシーを拾って熊倉登山口に駐車した車まで戻りました。

熊倉山山頂

酉谷山への道
踏み跡ははっきりしている
前半はこのような痩せ尾根で道はわかりやすい

酉谷山への道途中 シラカケ岩から
唯一?の展望台!
大日向(大血川)方面
紅葉がすばらしい(少し色を強調)

大血川への道分岐
右下に下っている踏み跡がある
檜岳より酉谷寄りは尾根が広く迷いやすい

小黒
大血川への道分岐から小黒までは道不明瞭
特に小黒への登りは倒木や複雑な地形で道がわかりにくい

酉谷山山頂
標高1718.3m
最後の急登を頑張ると酉谷山山頂
ガスのため辺りは真っ白

翌朝の酉谷山避難小屋
稜線から少し降りたところにある
ログハウス風の頑丈な作り
10名くらいは泊まれる
トイレはステンレス製の便器できれい
水場は小屋の横にあるが、チョロチョロ程度

酉谷山避難小屋の朝

長沢背稜の道はピークを踏まず
東京都側をへつるように付けられている
東京都側が急峻で滑落に注意が必要

矢岳への分岐
踏み跡が上に延びている
矢岳方面は道が不明瞭とのこと
中央の白い看板には
矢岳方面道消失とある

七跳山直下
七跳尾根の分岐点
小川谷林道は通行不能とある
七跳尾根は下らない方がよさそうだ

長沢背稜の道はピークを避けて作られているため
アップダウンが少なく快適に歩ける
Yさん手前とAさん

一杯水避難小屋
20人くらい泊まれる広い避難小屋
トイレがある
水は5分くらい蕎麦粒山寄りに一杯水があるが
涸れていることがあるようだ

一杯水
この日は涸れていた

仙元峠
昔 秩父と多摩を結ぶ唯一の峠で、
上州の富士講の人たちがここを越えて甲州へ向かったようだ
仙元の仙は水の意味があり、源という意味で仙元と名付けたとのこと
祠には富士のご神体であり、水の神様でもある木花咲耶姫命を祀ったようです。
(奥の白い看板の説明から)

大楢(おおなら)
ここから道は尾根上を外れて右下に降り、
尾根の右面を沿うように進む
大きな楢の木が立っている
このあたりの樹林は明治神宮の管理下のようだ

大日堂前の登山口
仙元尾根登山口とある
黄色標識は送電線鉄塔に導く標

浦山川俣の大日堂
小さいがきれいなお堂

大日堂の浦山川対岸にあるトイレとバス停
バス「ぬくもり号」は12人乗りくらいの小さなワゴン車
西武秩父駅まで300円で運んでくれる

バス停から歩いて数分下流に「渓流荘」がある
3人でいっぱいになる小さなお風呂
夕刻地元の人が入る前なら100円で入れる
診療所を兼ねている
おばさんがお茶と煮物、漬物を出してくれてほんわか気分
山里の人はやさしい

参考

熊倉-酉谷間はおおむね踏み跡は明瞭だが、酉谷寄りの後半は稜線が広くなり、落ち葉等で踏み跡が不明瞭になると迷う可能性あり。

特に小黒の手前は倒木や、地形のへこみ、二重稜線のような地図には表れない複雑な地形となっているところがあり踏み跡を見失いやすい。このあたりは赤テープなどもあまり的確でなく、また少ない(余分なテープを排除したものと思われる)。

仙元尾根は仙元峠から下と、下部大日堂の上が急。それ以外の傾斜は緩い。峠から10分くらい下ると道は右下に少しそれるのでまっすぐ下って踏み跡が消えたら要確認。道はずっと尾根通しではなく、大楢からはすこし尾根から下がって右側をへつるようになるが、あまり尾根から離れない。広河原谷側に降りないようにする。上部に植林関係のピンクテープがあって、道しるべのテープと間違いやすいので、惑わされないように(テープに頼り切った行動はすべきでない)。

(熊五郎)

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