ミヤマダイモンジソウ
投稿日 2016年09月13日
京都 大文字の送り火はとっくに終わって、今はもう秋の気配。緑色のミカンや栗などが出回る季節になった。
ミヤマダイモンジソウは送り火とは関係なく、単にその花形からの呼び名であろうが、とてもわかりやすい命名である。
大抵の人は、素直に大の字に見えると思うが、私のようなひねくれ者は大の字に見えないこともあるようだ。しっくり「大の字」に見えるかどうかは、その人の感性による面も多い。几帳面に書かれたゴシック体のような大ではないからだ。
特に五枚の花弁のうち、一枚が長く延びて、見る目の重心がどうしてもそれに引っ張られてしまうので、見る角度によっては上の花弁が万歳(V字)状態になる。そうなると、大の字には見えない。挙句の果てに、大に見えるのはどれかと探し回ることになる。
しかし、見方を変えれば大の字はそこかしこ。有名な書道家が瞬きもできぬうちに書いた大の字のように、芸術的な大にも見える。自然もなかなかの達筆である。
このミヤマダイモンジソウは、沢床やじめじめした場所を好むようで、沢の遡行のときによく見かける花だ。しかも花期が夏から10月ごろまでで、遡行のシーズンに合っている。真夏だけの花はそろそろ終わりで、しなびた花になっていたり、うなだれていたりするが、このダイモンジソウは元気そのものだ。
ほとんどは土の上ではなく、写真のような岩にへばりついたようなものが多いように思う。近くを流れる水しぶきが多少かかったりして、いつも濡れているような場所がお好みのようだ。この花も、紙一枚入るかどうかというような隙間から芽を出したようだ。他の植物がなかなか侵入できない、彼らにとって別天地なのであろうか。
花は純白でまぶしいほど。この写真を撮るときも、花だけ白く飛んでしまうのではと心配したが、やや露出オーバー気味なれど、なんとか見られる範囲に収まった。
沢の遡行などで、このような花に出合うと、気持ちが落ち着くものだ。
(熊五郎)
コメント(2)
- 確かに大の文字。お兄ちゃんの描く棒人間見たい名。かわいい花ですね。 (agewisdom) 2016/9/13(火) 午後 2:54
- ダイモンジソウは山野草として、ホームセンターに並んでいたりします。かわいいですよ。(熊五郎) 2016/9/13(火) 午後 4:30