吉野 金峯山寺蔵王堂(2015年7月6日)
投稿日 2015年07月07日
七夕を前にして、大阪に用事があり、帰りに吉野の金峯山寺(きんぷせんじ)を訪れました。
台風が三つもあって、日本列島はどこも雨模様。空を見上げても星は見られそうにありません。
吉野 金峯山寺 蔵王堂
明日(7月7日)の行事「蛙飛」のための飾り付け、準備が行われていた
雨がしとしと降る日でしたが、周りの吉野の山々には層雲がまとわり、しっとりと静かなたたずまいでした。
金峯山寺の蔵王堂では、七夕に蛙飛(かわずとび)という行事が行われます。
この日は6日。翌日の七夕に向け、蔵王堂の前では蛙飛の準備が行われていました。
修験道姿の方に蛙飛の云われをおききしたところ、丁寧にご説明いただきました。
あら筋では、山を歩いていた男の行いが悪く、タカに捕まって岩峰の先に置き去りにされた男が、必死に助けを求めていると、行者様が現れて蛙にしてやるから、そこから降りなさいと言われ、歩いて吉野の金峯山寺まで戻り、お堂の前で人間に戻されたとの言い伝えだそうです。蛙で象徴してはいるが、人は生まれ変われる、再生ということが織り込まれているとのことでした。
忙しそうな寺の方達をよそ眼に、蔵王堂を拝観。明日の行事のためにゴマ焚きをするということなので、近くに座って見せていただきました。太鼓を強く叩きながら、時折ホラ貝を交えて、非常に力強いゴマ焚きが進みます。さすがに修験道の寺です。内容は我々にはよくわかりませんが、般若心経や、何々...ソワカと言っていたので、真言であることはわかりましたし、大災害のことや、人々の救済などの言葉も織り込まれていたように思います。
ゴマ焚きのあと、見学が我々のみだったこともあり、「このあと蔵王堂横の本地堂(ほんじどう)でお勤めのお経を上げるので、よかったら見ていきなさい」と言っていただき、お言葉に甘えて見させていただきました。
お経のあと、役行者(えんのぎょうじゃ)と鬼の伝説(なぜ役行者の左右に鬼を祭り、この寺では節分のときに・・・鬼も内・・・と言うか)をご説明いただき、最後まで聞いていたわれわれに「ようお参りでした」と言っていただきました。
さらに、もうすぐ今年の「奥駆け」がある。今年はすでに参加者が決まっているが、大変なこの苦行にいずれ参加しないかとお誘いを受けました。左が奥駆けのルートです。(吉野から熊野まで距離は約170キロ、台風が来ようが、何があろうが決行、10日間くらいの苦行とのこと)
山好きの私としては興味津々。子供のころから親戚に修験道の方がいたので尚更参加したいという気持ちになりました。
なにせ一度山に入ると10日くらい風呂にも入らない苦行ですので、いろいろ考えなければなりませんが、それにしても一生に一度人生のリフレッシュも兼ねて挑戦してもいいかも知れません。
ところで、蔵王堂の仁王門は国宝で、しかも世界遺産です。大変痛みが進んだので、平成31年から大修理が行われるとのこと。
幼いころ母と訪れたときの吉野にも、この仁王門は私を見下ろしていたに違いありません。修理が無事終わって、その立派な姿を見せてくれるように願わずには居られません。
その願いを込めて、わずかばかりの寄進をしてきました。
国宝仁王門大修理寄進の承り證
金峯山寺 蔵王堂のご本尊は金剛蔵王権現です。三体の大きな青いお顔の権現です。ご開帳のときにぜひ訪れて拝見したいものです。
蔵王堂下の茶屋「やっこ」で柿の葉寿司をいただき、帰途に着きました。
(熊五郎)
コメント(2)
- 最近よく寺社を訪れていらっしゃるようですね。柿の葉寿司、いいですね。 (agewisdom) 2015/7/7(火) 午後 10:28
- > agewisdomさん はい、すべて子供のころの思い出の寺です。柿の葉寿司は吉野や高野山を訪れると食べずには居れません(笑)(熊五郎) 2015/7/7(火) 午後 10:31