秋が通り過ぎようとしている

投稿日 2017年11月21日

塩之沢峠付近にて
陽光の波で輝く

11月は小春日和。そう言える日は瞬く間に過ぎ去った。

今年の紅葉は綺麗だった。

まだこの目に焼き付いている。いや。一生瞼の中に残っているだろう。

透き通る唐松の林。

光は上からやってきて、ほら、波のように唐松の中をすり抜けてやってくる。

南側の林道を歩いた。

風はずっと上の木を揺らしているが、ここは静かだ。

落ち葉を踏むのをやめて、静かにしてみる。歩く音もしない。

期待したのはどこかで鳴いている鳥の声。

いや、なんだ?

なにかおかしい。虫の声? 違う!

上から落ちてきた唐松の細かい葉が、落ち葉に当たって鳴っているのだ。

チリチリチリ....

それはとても繊細な音だった。

陽光と風と唐松。それらが奏でるハーモニー。

唐松の葉が全部落ちたらもう冬だ。

(熊五郎)

コメント(2)

  • 夫は疎開農家でした。今はもう高速道路になってありませんが初めて実家を訪れた時、カラマツが散る音を聞きました。まさに秋が過ぎてゆく音でした。(agewisdom) 2017/11/21(火) 午後 10:0
  • > agewisdomさん 静かでないと聞えませんね。印象に残るひと時だったのではないでしょうか。(熊五郎) 2017/11/21(火) 午後 10:32

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