白山で出逢った花たち

投稿日 2015年08月04日

2015年07月31 - 8月2日 久しぶりに登った白山で、多くの花たちに逢ってきました。

白山は、日本百名山のひとつでもあり、「ハクサン」の名を冠した高山植物が20種ほどあることでも知られる花の山です。

私にとっては、30年以上前、夏と5月に何度か登った白山ですが、その30年間にどのように変化したか、内心恐る恐る確認する意味もありました。

今回登って、それはそれは日本人(外国の方はどうか知りませんが)というのは素晴らしいと思いました。とにかく自然がよく保護されており、30年も前に見た「クロユリ」がまったく同じ場所に同じように咲いている姿を見て、感激せずにはおれませんでした。関係されている方、およびマナーのよい登山者の方々に感謝してもしきれない思いです。若いころから山に登って来た者にとって、自然がそのまま残っていることほどうれしいことはありません。

あんなに多くに人が登る山であり、近年益々の登山ブームですから、山小屋や登山道の整備、拡張、木道の設置、治水など、自然を一部改造することの必要性は仕方ないことです。実際白山も30年前に比べて随分整備されていましたが、どれを見ても自然を残すことを第一によく考えられた整備がされていると感じました。中でも治水工事は砂防新道近くの崩壊が進む不動滝下部、上部では重機が入って工事が行われています。なんとか最低限で効果の大きい工事となることを祈るのみです。

砂防新道、南竜ヶ馬場周辺、アルプス展望台上部、室堂周辺、山頂周辺、お池巡り周辺、別山への稜線、チブリ尾根にて

稜線は這い松と草と花の斜面
別山に向かう稜線上から
油坂の頭と遠くに白山山頂

池のあるのどかな稜線
天池から御舎利山と別山(奥)

急斜面に咲く花たち
ミヤマキンポウゲの群生

雪解け跡に咲くハクサンコザクラの群生
夏を待ちかねたように、雪解け跡に一斉に芽吹き花を咲かせる
高山の夏は短い

ヨツバシオガマ
やさしいピンクの花
鶴のくちばしのような形

ミヤマキンポウゲ
キンバイに似た艶のある黄色い花をつけるが、こちらは草丈がある
よく群生しているのを見る

ハクサンアザミ(?)
アザミは何種類かさいているようだ
ハクサンアザミは葉の付け根が茎を巻いているかで見分ける

ミヤマカラマツ
モミジカラマツと間違いやすいが葉の形がまったく違う

ハクサンフウロウ
白山で最もよく見かける花
他の山のハクサンフウロウよりも色が濃いものが多い
結実後、実を飛ばす仕組みが面白い

ミヤマシシウド
園芸種のレースフラワーに似る
この花には遠い景色が似合う

チシマザサ(標柱の後ろ)
これがはびこりつつあり、高山植物が追いやられているらしい

ハクサンコザクラ
白山を代表する花
可憐で美しい
雪解けを待つようにすぐ芽を出し、葉が小さいうちから花が咲く

イブキトラノオ
匂いは少し臭い
蝶ではなく、どちらかというとハエなどを集める

ミヤマリンドウ
このようなリンドウ系の花は早朝や天気の悪い日は花が閉じている

コバイケイソウ
中心の花だけ雌花。下の花房は雄花
他の山より小振りなのは白山の雪の多さが影響しているようだ

クロユリ
若い株は一輪で咲いたり、雄花をつける
充実してくると雌花や写真のような二輪咲きになる
花弁の裏側は少し黄色みを帯びている
堂周辺、南竜のお庭、別山への稜線で見かけた

クルマユリ
直径8cmくらいの小さなユリ
咲き進むと花弁が反り返って可愛い
濃いだいだい色で目立つがあまり群生はしていない

イワギキョウ
室堂から白山山頂に向かう道で
岩の隙間などに張り付くように咲いている

ミツバノバイカオウレン
愛らしい白い花

ミヤマキンバイ
草丈は低く地面に張り付くように咲いている
キンポウゲほど光沢はないが、緑の上に黄色が映える
ハクサンコザクラと一緒に群生していることが多い
これも雪解けの跡に咲く

名前不明
小さな可愛い花をつけている
岩交じりの登山道にて

チングルマ
高山植物として有名な花
ただし草ではなくバラ科の木
花が終わると耳かきのような房が風に揺れる

ミヤマアキノキリンソウ
登山道の脇からはみ出るように咲いている

ミヤマガラシ(?)
黄色の細かい花
岩混じりの登山道で
食べると辛いらしい

キバナノコマノツメ
オオバキスミレに似ているが、葉が違う
こちらはタチツボスミレに似た丸い葉

名前不明
触るとしっとりとした感触

名前不明
細かい黄色の花をつけている
咲いているのかまだつぼみなのかわからない

ツマトリソウ
草丈の高い草の下などにひっそり咲いている

名前不明
非常に濃い紫の花で目立つ
群生で咲くようで、あまり広範囲には見かけない
別山への稜線で

イワイチョウ
雪解けの跡に丸いイチョウのような葉を出す
ハクサンコザクラとともに群生していることが多い
雪田の跡の斜面にびっしり群生している

タカネマツムシソウ
園芸種のスカビオサに近い
鮮やかな藤色で大きいものは5cmくらいの花をつける
あまり群生はせず、稜線にポツリポツリと愛らしく咲く

ヤマハハコ
ハハコの類は多い
ウスユキソウとも近縁ではないかと思う

トリカブト
有名な毒草
花が小さな野鳥がかぶる縦長の兜の形をしている
よく沢筋のくらいところで見かけるが、ここは稜線の道端

イワカガミ
この「花も雪解け跡に咲く
あまり多くは分布していないが広範囲に点在して見られる
他の山で見るイワカガミよりかなり小振り

ハクサンイチゲ
これもハクサンの代表種
日差しを受けて白く輝く美しい花

ハクサンシャジン
ツリガネニンジンの近縁種
これを見ないと白山から帰れない花
チブリ尾根でようやく見つけ安堵
ブローチにしたくなる

ヨツバヒヨドリ
つぼみのときは粒粒のあつまり
咲くとこのようにふんわりと

キヌガサソウ
池の向こうで咲いているので近寄れない
大きな木の根元などすこし日陰で見ることが多い
大きく広がった中心も白く大きな花をつける

ヤマアジサイ
チブリ尾根のブナの林床で見かけた
この白花のほかに青、ピンクが同じ場所で咲いていたのは珍しい

ブナの樹林
チブリ尾根の下部は有名なブナの美林

アオモリトドマツ
登山道を歩いているといい匂いが漂ってくるのはこのトドマツ
青い大きな実をつけ、ホシガラスの大好物
実は鳩時計にぶら下がる重りにデザインされている
見えているのは南竜ヶ馬場の野営地

ハイマツ
アオモリトドマツの上はハイマツ帯と高山植物の咲く草原状となる
濃い緑はほとんどがこのハイマツ

シラカバ
白山ではあまり見かけなかったが
登山道の脇で、登山者を迎えるように立っていた
砂防新道にて

お願い

花の名前は間違いがあるかもしれません。また不明の花もいくつかあります。

判明し次第訂正します。

もしわかりましたが教えていただけると助かります。

 写真には撮りませんでしたが、以下の花も確認しています。

ギボウシ
ミヤマコゴメグサ
ニッコウキスゲ
シモツケソウ
シラタマノキ
ショウジョウバカマ
ハクサンオオバコ
カライトソウ
ウラジロナナカマド
ゴゼンタチバナ
ハクサンシャクナゲ
アカショウマ
リンドウ(名前不明)

(熊五郎)

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