最近の山小屋事情 いびき編

投稿日 2016年08月02日

先日、南アルプスの赤石岳、荒川三山を縦走しました。

山仲間3名での3泊4日の登山でした。

3人ともいい歳ですので3泊では、テントはちょっとキツイ。

そこで3泊とも二食付きの小屋泊まりとしました。

最近の登山ブームは、どちらかと言うと中高年層に変調しています。南アルプスも例外ではなく、おじさん、おばさんの世界と化しています。山にもよりますが高いところで平均年齢65歳くらいでしょうか。かなり高齢化しています。我々は、その中でも若い方です。

山小屋は中高年でいっぱい
その夜は恐ろしい
イビカーの存在確率はほぼ100%

さて、このような高齢変調された登山ブームでの山小屋泊まりで恐ろしいのは「いびき」(鼾)です。大いびきをかく人の横に寝ようものなら、最悪の事態となります。

登山者が若者であればほとんどいびきの問題はありませんが、若者がいたとしても、小屋の外のテント場でテントを張っています。小屋の中はおじさん、おばさんだらけ。

顔だけでは、この人がいびきをかくかどうかは判断できませんし、寝る場所は小屋から指定されて決まってしまうのが普通です。

一般的に、登山者は午後2,3時頃には目的の小屋に到着し、5時の夕食までひと休み。おじさんはお酒が好きなので、ビールやチュウハイが飛ぶように売れます。ひとしきり飲んだら5時までひと眠りです。

このとき運命が決まります。隣や近くの人がいびきをかく人なら、その夜は覚悟しなければなりません。

いびきをかく人は、3から5分以内には眠りにつき、いびきをかき始めます。この眠りにつく速度は、いびきをかく人ほど早いと感じます。まぁ、いびきをかかない人は寝たかどうかわからないというのもありますが、とにかくいびきをかく人は眠りに着くのが早いと言えると思います。「もう寝たの。うらやましい」という感じ。

なぜか?

私見ですが、いびきをかく人は平均眠りが浅く、いつも体が睡眠を欲している状態と思われます。このためいびきをかく人は場所、周囲の騒音などにほとんど関係なく、しかも短時間で睡眠に入いれるようです。

逆にいびきをかかない私のようなタイプは神経質なところがあるのか、いくら疲れていても、周囲がうるさかったり、暑かったりすると眠れません。しかし条件が揃うと(自宅などでは)深い睡眠に入ります。普段よく眠れているので、環境が変わるとなかなか寝入れません。

今回最初に泊まった小屋は地獄でした。朝まで一睡もできず。

ティッシュを湿らせて簡易耳栓をつくりますが、高音がすこしましになるハイカットフィルタで、ほとんど効果無し。朝まで悶々といろいろ考え事をしたり、羊ならぬいびきの数を数えたりして長い夜を過ごします。朝になると、「ムンクの叫び」状態。それでも1泊目ならまだ、歩く元気くらいはありますが。

もうひとつ、中高年の多い山小屋の夜の眠れない原因は、真夜中、トイレに立つ人が多いことです。おそらく全員1回はトイレに立つでしょう。多い人は2回か3回。100名ほど泊まっていれば、小屋の中はひっきりなしに扉をガラガラと開けて、外のトイレに行く人と戻ってきた人の音と、ヘッドランプの明かり。それが一晩中続くのです。

中高年の登山ブーム。恐ろしやぁ!、恐ろしやぁ!

いびきの話に戻って、

いびきにはいろいろタイプがあります。

間欠泉爆発タイプ     ................バフッー、ルルル..........ガバァーーー

トドのいななきタイプ  ブルルルルルル、シューー

吹き戻しタイプ ピューゥシュルルルル、フーーー...

ほかにもいろいろ。

今回は間欠泉爆発タイプにやられました。その方はマスクをして部屋の一番端に寝てましたので、自分か超イビカーであることは意識はされているのでしょう。しかしマスクなどは何の役にもたちません。このタイプの場合は、1,2分おきに爆発するような大きな音が響き、びっくりさせるのが特徴です。小屋じゅうに響き渡るほどの大きな音。正に爆発です。びっくりするのは2,3発目までですが、4発目以降は、そろそろかな、くるかなと、こっちが待ち受ける感じになり、それがまた眠れません。

トドのいななきタイプは、結構多いようです。部屋の中に二三頭いると、トドが喧嘩しているような状態になります。

吹き戻しとは紙などの筒をくるくる巻いてあって、吹くと音を立てながら延びるおもちゃです。この吹き戻しタイプも多く、連続で鳴っているのでたちが悪い方です。

まぁ、いずれにしてもいびきはいただけませんが、本人にとっても重大事の可能性もあります。とくに間欠泉爆発タイプの人の場合は、1,2分間呼吸していないのではないかという点です。まったく無音の1,2分間のあとに、爆発したような音。そのときやっと呼吸ができたという感じです。呼吸できないことと、あの大きな音が自分の脳にも響き、おそらく寝てるのは形だけのものではないでしょうか。

最後に、いびきに関してはテントでも同じです。数メートルの円内にいびきをかくテントがあれば、眠れないのは同じこと。でもテントの場合、混んでなければ移動はできます。

エチケットを守らず、この人は??と思うような人はいませんし、みなさん接すれば心の温かい人ばかりです。しかし自分のコントロールできない身体現象は、他のひとを「ムンクの叫び」状態にしていることを忘れてほしくないですね。

なお、2泊目、3泊目は仲間の協力で切り抜けました。

(熊五郎)

​​

 

コメント(2)

  • 夫鼾かく人、私かかない人です。なれて眠れます。昔中学校の林間学校でバンガローに泊まった時夜遅く生徒たちがこわごわとやってきて隣のバンガロー辺りで動物が吠えているといいます。先生数人と懐中電灯もっていったら、O先生のバンガロー。職員旅行の経験からだろうと思って一人でお泊りいただいたんですが、それにしても確かにライオンの咆哮。生徒もあきれたり笑ったりで起こさずそっと自分たちのバンガローに帰りました。 2016/8/2(火) 午後 8:29
  • > agewisdomさん ライオンもいましたか。ご夫婦ではどうかと心配もしてましたが、慣れるんですね。(熊五郎) 2016/8/2(火) 午後 8:38 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA