同じ場所の39年間

投稿日 2018年08月20日

若いころに登った山に再び訪れたとき、以前はどうだったかなと、いろいろ詮索をめぐらすものだ。山屋としては、自然による侵食などのほかに、人為的に変えられたかどうかはいつも気になる。

宝剣山荘(手前)と天狗荘 背後は木曾駒ケ岳(奥)と中岳
左 1979年10月 右 2018年8月撮影
39年を隔てた変化

先日登った中央アルプスで、わずかに角度が違うが、39年前(1979年10月 昭和54年)に撮った写真とほぼ同じ場所の写真が偶然に撮れた。

中央アルプスの宝剣岳に北側から登る最中に振り返って撮ったものだ。

写っているのは大きい方が宝剣山荘。遠い方の小さい小屋が天狗荘だ。背後の山は奥に木曽駒ケ岳の山頂部。手前に中岳が写っている。

39年もの歳月でどのような変化が起きるのだろうかと思って、注意深く比較して見た。ただしわずかに角度が違う(撮った場所が違う)し季節も違う。

39年前は天狗荘が建設中である。まだ赤い鉄骨の姿である。手前の宝剣山荘は建て増しされることなく、ほぼ39年前の姿で建っている。

大きな目立つ岩もほぼ39年前の位置に留まっている。地形に変化はほぼ無いと言ってよく、登山道も39年前と変わらない位置で、ほとんど広がることもなく付いている。(写真で見る限り)

緑色に見えるのは高山植物帯で、おどろくほど同じ位置に同じように分布していることが分かる。(39年前のは秋なので少し変化はあるが)

中央アルプスのこの辺りは、近くにロープウェイの駅があって簡単にアクセスでき、訪れる人も多い。しかしよく自然が保存されているのではないだろうか。

高山植物t帯に人が入れば、瞬く間に砂礫地に変わってしまうだろう。しかし登山者は決して道から逸れることなく、自然を守る意識で歩いているのだろう。ありがたいことだ。

(熊五郎)

コメント(1)

  • 変わらないことで、ホッとしますね。 (agewisdom) 2018/8/20(月) 午前 7:09

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