前原岩稜から破風山

2022年11月08日 晴れ 2名

投稿日 2022年11月10日

埼玉県秩父郡皆野町の破風山(はっぷうさん)は、上京して初めて登った山。その後結婚して恵まれた娘二人を連れて登った山でもあります。今回は妻と登りました。

ルートはいくつかありますが、今回は麓の大渕の駐車場から前原岩稜を登りました。大渕は荒川本流と赤平川が合流するところです。この合流点に秩父ジオパークの「前原の不整合」があります。大渕の交差点横に説明板があり、階段が河原へと降りています。約1憶5000万年前の地層の上に1700年前の地層が乗っています。1憶3300万年分の地層がすっぽり抜けているという不整合面の露頭です。ジオロマンを感じます。

破風山へは大渕の交差点から一段上の前原の集落にある登山口から尾根の突端に取り付きます。しばらく急登です。ひと汗かくと347mのピークに「前原山」とあります。そこから、あまり険しくはないですが、尾根の中間部が露岩の痩せ尾根になっています。この岩稜帯がこの尾根のハイライト。楽しめますが通過は要注意です。辺りは紅葉し始めた雑木の自然林です。木の間からときどき下の集落が見下ろせます。

​ロープがかけられた露岩を越えると、岩上の開けた場所に出ます。「男体拝」という場所ですが、目の前に「宝登山」が見えます。さらに進むと「風戸」(ふっと)からの道を迎え、そこから関東ふれあいの道になります。「猿岩」の基部を通過したら東屋があり、痩せ尾根を通り抜ければ目の前が開け、石祠が迎えてくれる破風山山頂です。

​山頂の眺望は抜群です。美の山、登谷山、釜伏山、双子山、武甲山、奥秩父の山々、両神山、二子山などとともに、皆野や秩父の街並みが見えています。

​下山は札立峠から北側の札所の水潜寺に下るルートが好まれますが、大渕の車に戻るため、今回は高橋沢ルートで下山しました。前原岩稜ルートはアップダウンがあるので下山にも時間がかかりますので避けました。お風呂は車で4kmほど移動して、「満願の湯」にしました。

​前原岩稜ルートは妻同行ということもあって、3時間かかりました。最初の急登のほか、ところどころ急なところがあります。岩稜帯は注意すれば問題ありません。一か所ロープでよじ登るところがあります。破風山の標高は626​mですが、そのわりに前原岩稜ルートは距離があります。猿岩は登れますが、慣れない人には危険です。下りの高橋沢ルートも意外と急な斜面があるので要注意です。上部は柚子園。途中から沢伝いになり下部は「野巻林道」です。

埼玉県秩父郡皆野町 前原岩稜ルートから破風山
下降は高橋沢ルート
大渕の前原の不整合に寄る
赤実線:GPS歩行軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)

主な通過時刻:
大渕の駐車場 10:42
前原の不整合 10:49
前原岩稜登山口 11:05
P347(前原山) 11:42
P445 基準点 12:58
男体拝 13:04
風戸ルート合流点 13:16
猿岩 13:39
東屋 13:49
破風山山頂 13:55 (昼食)
東屋 14:32
桜ヶ沢ルート分岐 14:44
県道37号 高橋沢ルート登山口(野巻林道起点) 15:39
大渕の駐車場 15:55

​所要時間:5時間
総歩行距離:9.3km​

​大渕の駐車場
前原の不整合、破風山登山用の駐車場
バスもとめられるくらい広い

前原の不整合
下の黒い地層がチャートで1憶5000万年前の地層
その上は1700万年前の地層
途中の地層が失われ不整合になっている

前原岩稜(皆野アルプス)ルート登山口
(大渕登山口)

岩稜付近から集落を見下ろす

男体拝から宝登山を眺める
日光の男体山は宝登山の左、方位26.5度(距離85km先)に見える(はず)

破風山山頂
眺めがよくのんびりできる山頂
昔からある石祠と三角点石標

石祠側からの山頂の様子

破風山山頂から両神山(左端)と二子山(右端)を眺める

破風山山頂から皆野の町を見下ろす

​​(雅熊)