登山のセンス:どうやって登る尾根を決めるか
投稿日 2026年11月02日

小河内ダムから御前山大ブナ尾根
登山を計画する際に、どの尾根を登路に使い、どの尾根を下山に使えばよいのでしょうか。考え方は人それぞれですが、私も含め一般的には、なるべく登り甲斐のある尾根を登路に選び、緩やかで平凡な尾根は下山に使いたいものです。そのためには、
等高線の混み具合
尾根の痩せ具合、岩記号
植生
季節によっては南斜面か北斜面か
などを検討します。
等高線の混み具合は、すなわちその尾根の傾斜です。子気味よくぐんぐん高度を上げる尾根か、だらだらと長く続く尾根かを判断するわけですが、登路として興味がわくのは当然前者です。傾斜が緩く長い尾根はどちらかというと下降向きです。
尾根の痩せ具合、岩記号の有無は、現場が平凡か、露岩があって面白いか、危険かどうかの判断指標です。痩せて露岩の多い尾根は下山に使うより登路に使った方が安全で、面白いというのが通説です。踏み跡があるか無いか分からないようなバリエーションルートの場合は特に痩せた尾根の方がルートファインディングはしやすいものです。緩く長い尾根は下山に使ったほうが良いのですが、途中にダルやダルミと呼ばれるような広い斜面があったりする場合は迷いやすいので注意が必要ですね。
植生は、最近はグーグルアースで予想することができます。少なくともその尾根道が植林帯なのか自然林なのかくらいは判断できます。場所によっては尾根筋を挟んで右が植林、左が自然林なんてこともよくあります。これによって植林帯を延々歩かされるのか、上半分は展望の効くようなきれいな自然林が広がっているのかなどがだいたい判断でき、それを楽しみながら登るのか下るのかを考えます。暗い植林帯を延々登らされるのはつらいものですが、下山だったらなんとか我慢できるものです。
尾根が南斜面にあるのか北斜面にあるのかは、雪があるか無いか微妙な時季に判断すべきことのひとつです。なるべくなら背中に陽光を受けて登りたいものです。アイゼンを出さずに歩けそうかどうかの判断材料です。登り下りとも南斜面の尾根を選べば冬でも明るく暖かい山行ができたのに、下山に北側の尾根を選んだので、残雪があって苦労したなんてことになります。
このほか、名前の付いている尾根の名前が気に入って登る場合もあります。奥多摩ではサルギ尾根、ゴンザス尾根、ヨコスズ尾根、大ブナ尾根、棒杭尾根、鋸尾根などなど。ちょっといかす名前の尾根であれば、登ってみたくなるものです。場合によっては山頂はどうでもよく、尾根を登って満足する場合もあります。
(雅熊)

