浦山ダムから大久保谷、栗山

2022年06月13日 晴れ 2名

投稿日 2022年06月15日​

平成十年(1998年)に完成した浦山ダム。今では国道140号線を走ると谷あい高くに鎮座するダムの姿は圧巻で、秩父の名所の一つです。ダムといえば深い山奥にあるイメージがありますが、このダムは荒川沿いに展開する多くの民家を見下ろす場所にあり、決壊したら秩父の町まで大洪水は免れないと心配しますが、現地に行ってダムの上を歩けば、その幅の広さに驚き、素人目にはこれなら安心かなと思うくらい重力を感じる?ダムでした。

​そんなダムの駐車場をお借りして浦山さくら湖左岸の林道で、その奥にある大久保谷に入ってみました。大久保谷は隣の浦山川広河原谷とともにダムの主要な水源です。左岸の林道は奥で右岸を走る県道とつながりますが、途中から分岐して大久保谷の奥へと入っていくのが森林管理林道大久保線です。起点から林道に入ってしばらく歩くと荻の久保トンネルがあります。下にはネーチャーランドという広場が見えています。トンネルの先で早くも林道は終点となりますが、そこから奥へと山道が続きます。

​この山道は大久保谷のかなり奥まで延びているようですが、今回は途中の営林署小屋まで歩いてみました。なかなかよく整備された歩き易い山道です。見えませんが障子岩ノ滝がゴーゴーと音を立てて落ちているのが聞こえたら営林署小屋はすぐです。

​営林署小屋は山道から逸れた左下にあります。そのまま山道を進むと大久保谷の源流部まで続いていますが、今回は小屋に降りて、小屋前の小平地から下の大久保谷に降りました。大久保谷の本谷にかかる木橋を渡って対岸の林道に入ります。この林道の名前は分かりませんが、大平山の尾根まで続いています。下部は軽トラなら通れそうなよい道ですが、途中に崩壊箇所がいくつもあり、とても車の走行はできません。一部人間でも通過に危ないところもあり、自転車も無理です。

​林道を踏破して大平山の尾根に出たら栗山に向かいます。少し尾根が痩せてきたら露岩があるので注意して通過します。通過し終わった辺りに柵で囲まれた石祠があります。その後は徐々に下って行くと樹林の中に三角点があります、栗山です。栗山からはまっすぐ下って大久保谷橋の近くに降りてもよいのですが、今回は新秩父線送電鉄塔No.65目指して下り、栗山の集落を通過して県道に降り立ちました。県道では大日堂からのバスが拾えます。

​今回の山行は、大久保林道の状態、その奥の営林署小屋までの山道の状態、小屋から大平山の尾根までの林道の様子を確認するのが目的でした。結果は、

​浦山ダムからさくら湖左岸の道は落石や土砂が多いものの問題なし

森林管理林道大久保線は起点から、トンネルを抜けて終点まで問題なし

林道終点から奥の営林署小屋までの山道はよく整備されており歩き易い

営林署小屋から大平山の尾根までの林道は下部はよいが、上部に数か所崩壊があり車、自転車の通行は不可。人の通過も注意を要する。

​ダムから大久保線起点まで 標高差ほぼ0 距離3.7km 所要時間1h

大久保線起点から終点 標高差160m 距離1.8km 所要時間40m

林道終点から営林署小屋 標高差92m 距離1.7km 所要時間30m

営林署小屋から林道で大平山の尾根 標高差400m 距離4.8km 所要時間2h

​機会があれば、大久保谷を営林署小屋から更に奥を歩いてみたいと思います。

埼玉県秩父市 浦山ダム駐車場からさくら湖左岸道、林道大久保線で大久保谷
営林署小屋から林道で栗山。栗山集落へ下降
赤実線:GPS歩行軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)

主な通過時刻:
浦山ダム駐車場 7:18
森林管理林道 大久保線起点 8:10
林道大久保線終点(山道入口) 8:51
営林署小屋 9:33
大久保谷本渓の木橋 9:37 
大平山からの尾根筋(林道上部) 11:52 (昼食)
栗山 12:38
栗山集落下の林道(送電鉄塔65巡視路入口) 13:31
栗山BS 13:46 
14:06のバスで浦山ダムに戻る(210円)

​所要時間:6時間30分
総歩行距離:15.4km​
 

浦山ダム
日本第二の高さの重力ダム

浦山さくら湖左岸林道の奥にある林道大久保線の起点(右)
左はネーチャーランド、または大久保谷橋で栗山、県道へ

林道大久保線の途中にある「荻の久保トンネル」
全長252mの無灯火のトンネル
1994年7月施工

林道大久保線の終点
ここから奥は山道になる

林道大久保線の終点から営林署小屋までの山道
幅の広いよく整備された山道

山路の途中にある営林署小屋
割られたマキが新しい
看板には「柿原合名会社山林部詰所」とある
古い車があるが、現在ここまで車は入れない
山道は更に奥に続くが小屋まで下りて平地の先の大久保谷本谷にかかる木橋を通過する

大久保谷本谷にかかる木橋
大久保谷を遡行する場合はここから入渓する
ここから林道が大平山からの稜線に向けて続いている

林道下部は軽トラなら通れそうな道だが途中に崩壊地があり寸断されている
向こう側の陽が当たっている木のところが林道の続き
人は迂回して上の林道の続きに出られる​

林道の上部はいくつかの崩壊でズタズタになっている
​人は通過できるが自転車は無理なところもある

林道上部から眺める矢岳の稜線
右のピークが矢岳

林道を歩ききって大平山からの尾根に出たら栗山に向かう
少し尾根が痩せてきたら露岩が現れるので注意して通過
柵で囲まれた石祠がある

栗山の山頂
三等三角点「栗山」標高 813.86m

栗山からは新秩父線送電鉄塔No.65を目指して下降
巡視路を捕まえて更に栗山集落へ下降する
栗山集落は廃村のようでした
林道に降り立ったら県道に向かう
14:00までに県道に出たらバスを拾える

​(雅熊)