北八ヶ岳 大河原峠から大岳、北横岳

2022年08月20日 曇りのち雨 3名

投稿日 2022年08月22日​

八ヶ岳中信高原国定公園の一部、一般に北八ヶ岳と呼ばれる山域はなだらかな山々が連なり、それぞれが個性的なピークを持つ火山帯です。シラビソやカラマツで覆われたこの山域は、生きている木と、倒れて朽ちている木が半々と思えるほど、生死の狭間の森を形成し、地面は火山噴出した大岩がごろごろ。倒木とともに苔むして、それが雪山のように音を吸収して静かな森を演出しています。ときおり聞こえる野鳥の声もすぐに吸収されてしまいます。

今回は標高2000mの大河原峠から双子池、大岳、北横岳、亀甲池、天性寺原と辿りました。10時ごろから雨が降り出して展望は効きませんでしたが、雨の北八ツもオツなものでした。

​この山域は西面にロープウエイがあるので人の入りは多く、横岳はいつもにぎわっているようです。対して、名峰蓼科山も人気で登る人が多い山です。それらに囲まれた山域。今回辿った双子池から大岳、北横岳、亀甲池の周辺は、どちらかと言えば人が少なく、静かな山旅が楽しめます。

​このルートは10km弱と距離は手ごろなのですが、いかんせんこの辺り特有の大きな露岩がごろごろしており、思った以上に時間がかかるルートです。大河原峠から双子山を越えて、双子池までは普通なのですが、双子池から大岳への登りは、すっかり地質が違って、大きな露岩がむき出しの厄介な径です。

​この辺りは火山帯で、昔噴出した安山岩質の大きな露岩がごろごろ積み重なっています。とくに双子池から天狗の露地の手前までは大きく、通過に時間がかかります。上部はやや小さめの露岩になるものの、大岳から北横岳への尾根筋の途中まで露岩帯が続きます。踏み外さないよう注意が必要です。

​一方、北横岳から亀甲池までは八ヶ岳特有の苔むした倒木と露岩の樹林です。こちらは一般的な径と変わらないので、大河原峠から、または双子池から亀甲池経由で北横岳に向かう人が多いようです。我々は大岳に登りたいというのがあって、あえて双子池から大岳に登って、北横岳に向かいました。

​覚悟はしていましたが10時ごろから雨になりました。大岳の手前辺りでした。北横岳山頂は風と雨で展望はゼロ。急ぎ亀甲池に向けて下りました。結局雨は大河原峠に戻っても降り続いていました。

​​全体的に危ない箇所はありませんが、やはり双子池から大岳までの露岩帯は体力の無い人は避けるべきでしょう。大岳山頂でホワイトアウトになると戻る道を見失うかもしれません。緑色のロープを確認しながら登るとよいでしょう。大岳から北横岳への尾根の中間点までは吹きっさらしですが、ほどなく樹林に入ります。

長野県南佐久郡佐久穂町、茅野市 大河原峠から双子池経由大岳、北横岳(北峰)
双子池から大岳間は大きな露岩
北横岳から亀甲池までは苔むした樹林
赤実線:GPS歩行軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)

主な通過時刻:
大河原峠駐車場 8:20
双子山 8:51
双子池 9:27
天狗の露地 10:25
大岳 11:41
北横岳 13:10
亀甲池 14:30
天祥寺平 14:57
大河原峠駐車場 15:45

​所要時間:7時間31分
総歩行距離:9.7km
累積標高:876m 
最低標高: 1971m (天祥寺平)
最高標高: 2481m (北横岳)

大河原峠
30台くらい駐車できるか

双子山から眺める蓼科山

双子池
見えているのは雄池

双子池から大岳までは大きな露岩の径
特に下部は露岩が大きくやっかい

天狗の露地から見上げる大岳付近(大岳は見えていない)

大岳と北横岳方面の分岐
大岳へは往復になる

大岳から北横岳方面を眺める
強風と雨

北横岳山頂
雨で展望は効かない

亀甲池
ここから双子池に戻れるが天祥寺原に少し降りて
大河原峠に戻ったほうが高度差、距離的に有利

天祥寺原
ここから大河原峠までは傾斜の緩い登り
笹原と疎林が美しい

(雅熊)

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