登山のセンス:なぜ薄手のセーターを一枚持っていくのか

投稿日 2026年10月19日

あまり山に登ったことがない人を誘ったとき、「薄手のセーターなどを一枚もって来てくださいね」と伝えると、ほとんどの人は素直に持ってきてくれますが、たまに、「この気温じゃいらないでしょ」と、持ってこない人もいるものです。

あなたはどう思いますか?

もちろん寒くなったら着るために持っていくのですが、一日山に登って、結局使わなかったら、あなたはどう考えるでしょうか。
無駄だったと思うでしょうか。
実はそうではなく、着る機会がなかったのはよかったと思うべきなのです。

じゃぁ、何のために荷物になるセーターを一枚持っていくのでしょうか。
それはあなたが山中で怪我をしたり、具合が悪くなってその日じゅうに下山できなくなったときにありがたさがわかります。つまりそのセーターは非常用なのです。

山中でビバークを余儀なくされたとき、季節や標高にもよりますが、昼間よりはかなり冷えるのが普通です。歩いているうちあったまっていた身体は、止まるとたちまち冷えてきて、一晩そのまま動かずにいるならば、震えるほどになることもあります。そのような場合にお助けの一枚になるのです。

山の道具などには、持って行ってもまず使わないものがあります。だからといって、すぐにその装備を無駄だと判断して装備品から外さないほうがよいでしょう。外す前に、その装備が山でのどのようなリスクを軽減してくれるものなのかをよく考えてみる必要があります。逆に言えば、山での様々なリスクを想定し、万一それが起これば何が必要かをよく考えるということです。

たとえば笛(ホイッスル)、細引き、ナイフまたはカッター、予備の電池、非常食、予備の地図(スマホを使っているなら紙の地図)、ファーストエイドキット、手ぬぐいなど。これらは持って行ってもほぼ出番はありません。ただし、最近笛はよく出番があります。笛はもともと滑落したような場合に、救助の人に位置を知らせるためのものですが、最近は熊の濃い山ではよく吹きながら歩きます。

冬山は別格としても、暖かくなってきた春先から、まだ暖かい秋でも、リュックに薄手のセーターや薄手のダウンジャケットなどを忍ばせる。これがリスク回避に必要です。

(雅熊)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA